500人以上の従軍女性を取材し、その内容から出版を拒否され続けた、ノーベル文学賞受賞作家の主著。『狼と香辛料』小梅けいとによるコミカライズ、第2巻が登場。
ん?アマゾン解説文、あまり気合が入ってねえなあー。
読売の書評
この漫画からは音が聞こえなかった。もちろん戦場が舞台だから戦車も銃撃も描き込まれている。けれど聞こえないのだ、肉声以外は。
(略)
帰郷した彼女たちは、待っていた女たちから白い目で見られた。身内でさえ従軍の事実はひた隠しにした、妹たちの縁談に障りがあるから。戦下の殺人は、男たちにとっては手柄となったが、女のそれは罪業となる。彼女たちは、戦地で受けた勲章も心の傷もひた隠しにして、日常しか知らない娘に戻ろうと必死で努めた。封印された記憶は、しかるべき時と聞き手を得て初めて引き出される。戦後およそ40年、若きアレクシエーヴィチは500人以上に聞き取りを行った。怯おびえる心に寄り添いながら、彼女たちの魂の声に注意深く耳を澄ませた。
この漫画からは、そんな原作者の意図を継ぐ意志を感じる。原作を恣意しい的に利用するのではなく、ただ「伝える」ことに注力する…
追記 ブクマで、この書評のURLもお寄せいただいた。
aqm.hatenablog.jp
戦争は女の顔をしていない第12話(後編)① pic.twitter.com/iCKd8c39c1
— 『戦争は女の顔をしていない』コミック版公式 (@UnwomanlyFofW) 2021年1月26日
今回、メインでお伝えしたいのは、自分が「2巻が発売されたことを知らなかった。たまたま書店店頭で知った」ということだった。
うーん、自分は関係者のアカウントは基本フォローしてたはずだし、漫画連載も一応巡回続けている。
なのに、単行本発売情報を知らなかった。
新刊案内が著者ごとに来るサービス…新刊netとか、もっとちゃんと活用しないとだめだな
この本の2巻発売を知らなかったのが衝撃なのは、以前こういう話を書いたからだ。
この連載が発表された際、原作を知る方々からたいへん驚かれました。まさかコミックになるとは思わなかったと。実際のところ、本連載はたまたま幸運が積み重なってかろうじて世に出すことができたものであり、最後まで完走できる保証はまったくありません。すべては単行本の売上にかかっています(続
— 『戦争は女の顔をしていない』コミック版公式 (@UnwomanlyFofW) 2019年11月26日
作中で語られた女性の声を、一人でも多く収録してお届けしたい。できれば日本にとどまらず、ロシアやベラルーシなど、旧ソ連の構成国をはじめとする多くの国の人に、できるだけ完全に近い形で読めるようお届けしたいと願っています。不躾ではありますが、連載継続のためご支援いただけますと幸いです。
— 『戦争は女の顔をしていない』コミック版公式 (@UnwomanlyFofW) 2019年11月26日
最初にこの連載第一回が発表された時は、957ブクマもついた。
だけど、そのうちの何割が、今も連載を読んでいるだろう?
何割が、単行本1巻が出た時買っただろう?
その何割が、今回の2巻を買っただろうか?
そう思うと、連載を続けるというのはタフなことだし、付き合って読み続けるのも、多少の努力が必要なのだろうと思う。いや、知れば皆喜んで読み続けるだろうけど「知らなかった」となりそうなのだ。
そんなことに注意注意。
第一巻と原作
- 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ
- 発売日: 2020/02/27
- メディア: Kindle版