このブログ、油断していると予想外のテーマになるから気をつけなさいね(笑)
ただし、実はホットケーキ(実はパンケーキというしゃらくさい言葉はあまり好きではない)に関して、けっこう取り上げてきてはいる。ホットケーキ道十段だから。
それはともかく、
この本、読んだ。
- 作者:ケン アルバーラ
- 発売日: 2013/09/23
- メディア: 単行本
まぁ、パンケーキの起源なんて、そりゃわかるもんじゃない。「文献に残っているのが〇〇世紀から」ぐらいが関の山だ。
だから、そのへんはともかくとして、「世界各国に、こんなパンケーキがある」というのが紹介されている。
何をもってパンケーキとするか、の定義でもあるが、たとえば小麦粉を材料としないパンケーキ(豆、米、トウモロコシ、イモなどの粉を使う)だって多数あるんだ。
どうせ覚えきれないので、メモを取る代わりに、このブログに書いておく。
・エチオピアの主食である「インジェラ」は巨大なパンケーキで直径が約90センチと大きい。このインジェラの上に、全てのおかずを積み上げるようにして提供される。インジェラの中でもエチオピアでしか育たない「テフ」という穀物を使って作られたものは特に美味しい。これは高級なもので、一般の家庭では主婦にトウモロコシと大麦を混ぜた粉を使う。アフリカではインジェラが手に入るが国外では手に入らない。
3日かけて空気中の野生酵母で発酵させる。短時間で片面だけを焼くのが特徴。
・インドの「ドーサ」は南部の食の一つ。
かなり大きなパンケーキで具材を巻いて食べたり料理をこれですくって食べたりする。
ウラッド・ダールという豆が主な材料。家庭の味ではあるが、パンケーキハウスに相当する専門店もある。それは「ウドゥピ」と呼ばれる。
・東方起源らしいが、ユダヤ人家庭の中で「ラトケ」と呼ばれるじゃがいものパンケーキが食べられるこれはポーランドの「ブラック」とほとんど変わらない。
・別のスペイン系統のユダヤ人家庭ではハヌカの祝日に、油で揚げて蜂蜜に浸しアニスで風味を付けた「ビムエロス」と呼ばれるパンケーキを食べる 。
・北欧諸国には「エーブレスキーバ」という球形に膨らんだ。宝石のようなパンケーキがクリスマスの夜に食される。たこ焼き焼き器のような、。くぼみのついた『ムンク・パン』と呼ばれる鋳物の調理器具を用いて作られると言う。
・おもに屋台で提供されるパンケーキもある。
地中海沿岸では「ソッカ」と呼ばれる、ひよこ豆の粉で作られるパンケーキがある。水とオリーブオイルひよこ豆の粉で生地を作り塩と大量のコショウで味付けしたら型に流し入れて焼く。
・中南米にはトウモロコシのパンケーキがいろいろある。
ベネズエラの「カチャパ」は新鮮なトウモロコシを昔ながらの手法ですりつぶしそこに白チーズをのせて折りたたんで食べる。
アメリカやヨーロッパで手に入る種類のトウモロコシでこれは作りにくい。牛乳を加えればうまくいく。ただ本場のとうもろこしは粘り気がありつなぎを入れなくても生地がまとまる。
・ ベネズエラのパンケーキには「アレパ」と呼ばれるものもある。
これはあらかじめ茹でておいた乾燥とうもろこしを粉末にして生地を作り手で丸く成形して鉄板の上で焼くものだ。ここにチーズや肉など好みの具を挟む。
各国で似たものがあるが、色々形が違う。
・モロッコには「ベグリール」と呼ばれるパンケーキがある。
セモリナ粉をイーストで膨らませて作る。風味を良くしたい時は牛乳や卵はちみつを加える。片面だけ焼くためスポンジ状の表面にはインジェラと同じように大きな気泡がたくさん開いている。非常に大きい。
・「フンカソ」は西アフリカのパンケーキで、きび粉と水だけで作られるインデュラに似ているがもっと小さく作るのも簡単だ何時間も発酵させるため軽い食感になる。
・タイの路上では米粉とタピオカ粉から作った「パックモー」という、小ぶりで優雅なパンケーキを味わうことができる。
基本的に蒸して食べるというところが他のどのパンケーキとも異なる。布を張った小型の蒸し器が用いられる。具にはココナッツや豚肉エビもやしなどが使われる。
・インドネシアには「ダダール・グリュン」と言う、いろんな具を、黄緑色に色付けしたパンケーキで包んだものがある。
・ベトナムやカンボジアには「バインセオ」という紙のように薄いパンケーキがあり路上で軽食として売られている。具は基本的に春巻きと同じ。
・マレーシアやシンガポールには「ムルタバ」がある。これは水の少ない生地をこねて作るから厳密にはパンケーキでないかも
・みどり豆の粉を水で溶いた生地を鉄板の上に焼く韓国の「ビンジャトック」をパンケーキとしてもいいかもしれない。ただ韓国版パンケーキで最も人気があるのはホットク。ビンジャトップは塩味だがホットクは甘い。
・アメリカには、木こりの食事というイメージが強い「フラップジャック」というパンケーキも。天然酵母を要れ、一晩自然発酵させて焼くのだそうだ。
・フランスブルターニュではそば粉で作る「ガレット」が盛ん。
・ロシアでは「ブリヌイ」というキャビアやサワークリームを乗せた高級なパンケーキがあるちょっと小さめでオードブルとして供される。客人をもてなす時のシンボルでもありブリヌイを断ることは礼儀を欠いた行為とみなされる。
・「パラチンタ」というのは東欧で人気のあるパンケーキで200以上のバリエーションがある。
・「クレープシュゼット」は リキュールをふりかけ火をつけて仕上げる高級な料理である。
・日本の「どら焼き」と「お好み焼き」。
どら焼きは民家に隠れていた武蔵坊弁慶が家に銅鑼を置き忘れ、それを使ってどら焼きが作られた…という伝説がある。
ポルトガル人と関係があるとも言われている。
お好み焼きは、塩味のパンケーキででありどんなものでもこの料理になる。「好きなように」という意味が商品名に含まれている。
・・・しかしこうやって見ると、本当に世界には、見たことも聞いたこともない食が多し。おそらくは、上に挙げたもののほとんどを、一生のうちに一度も口にしないで終わるのだろうね。さびしいものだ。
それを味わうこともたのしみに、ひとは旅をするのだろうが、
それを抑制するコロナウイルスの無粋さを、あらためて思う。それも克服され、好奇心と冒険心のあるものは、上記のお国柄パンケーキを、その地で味わえる日がくることを…
(了)
日清 パンケーキミックス 極しっとり 国内麦小麦粉100%使用 540g×2個
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おまけ情報 「たぬきケーキ」って見たことある? Eテレで特集
「全国に出没中!? たぬきケーキ」
昭和には、全国各地のケーキ屋さんの定番商品だったたぬきケーキ。その数は年々減り、今絶滅が危惧されている。一方で、近年根強いファンたちがSNSで静かに盛り上がりを見せている。番組では、各地のたぬきケーキ生息状況を取材。年に一度、たぬきケーキ祭りを開催する、岩手のケーキ屋さんを訪ねると、各地の愛らしいたぬきケーキが一堂に結集していた!?タヌキケーキの未来はいかに!2月8日ほか 放送予定へ
www.nhk.jp
自分はみたことがある。だがそこはホントに、番組が言うとおりに昭和な店で、もちろん今はない。あのケーキ、まだ売ってるところはあるのか、そもそも全国的なスタンダードだったとは・・・・・