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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「なつぞら」完結。一番印象的なのはイッキュウさんが牛飼いに影響を与えた場面(大人のおとぎばなし)

まだ最終回は見てないのだけど、なつぞらが完結した。ほぼ最初から最後まで、意識的に見た朝ドラは初めてかも。

完結に合わせてtwitter有名人cdb氏が、文春オンラインに長文を書いている
bunshun.jp



自分は放送中になんどかかいてた。最初は荒川弘百姓貴族」との類似点が多い楽しさを書いたりしたっけ。


ただ、放送当時、一番良かった場面についてはあとで書こうと思っていたら最終回になっちゃったので、一気呵成に。
この場面…8月7日放送の回と、その少し前、8月5日、8月6日の回から続いている挿話。









ちょっとツイート並べただけで、詳しい説明は略すが…… 
・なつの夫である坂場一久さん(イッキュウさん)が、なつの実家である牧場を訪れた時、乳しぼりの牛飼いおじさんに「生産の美」とか「この仕事が人に喜びを与える、それが誇りでは」とか小難しいことをいい「よくわからんことをいう」と怒られる
・ところがその時、 農協が、バターやチーズを作る工場を作るべきか、どうかという話が持ち上がった。いろんな軋轢があり、反対論も根強い。
・しかしこの全体会議で、その乳しぼりの牛飼いおじさんが発言する。それは、自分なりに解釈した、イッキュウさんの語る「生産の美」論だった
・そして、工場に挑戦しようと話がまとまる

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なつぞら」の工場建設の話は「インテリの言葉が大衆を啓蒙し動かす」という「大人のおとぎばなし

これは、ここだけの話ではない。【創作系譜論】的には、何度か見てきた話だ。このドラマでの「イッキュウさん」、板場一久氏とは離れて、「正論言いキャラ」と抽象化してみよう
つまりこれ。

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(1)ある集団の中で、メンバーの1人が「すっごく青臭い正論、正義」を主張する。
(2)メンバーの仲間が「そう簡単にいくものじゃない」「裏にはこういう真実がある」「自分たちにとっていかに不利か」などを語る。
(3)正論言いはもともと、組織であんまり役に立たない若造・ゲスト。強引にチームを動かすことも出来ずしょぼーん。
(4)だが、少し時間がたってみると、メンバーがなぜかその正論のために動き出しはじめる。
(5)チームの仲間も本当は熱血な正義漢。最初に正論を言ったメンバーは、能力よりはそういう正義、熱血の心を呼び覚ます触媒としての役割を果たしているのです…

自分が以前分析した、という話の典型が、日本で一番親しまれているエンタメの劇中で展開されているのを見て、感慨深かった…ということです。

これが好まれるのは【大人のおとぎばなし】であると同時に【インテリのおとぎばなし】であるからだろう。インテリとは別にエリートのことではなく、本を読み、物語に親しむ…層全体である。
自分の語る言葉が、社会を動かす。それも「非インテリにその言葉が届き、納得され、指導原理となる」・・・・・・・なかなかに、そうはいかない。
だからこそ、好まれる物語なのだろう。だから、この類型は少し変形させれば、いくらでも使える。


安彦良和氏も、こういう話が結構好きで、それを描きたくて失敗したのが映画「アリオン」だった…とは、当時、佐藤健志氏が「ゴジラとヤマトと僕らの民主主義」で書いていた。
一方、世を拗ねたような逆説的な思想を好む西部邁呉智英は逆に自分を「村はずれの狂人」と位置づけて、普段は一顧だにされないが、何かあった時には自分の逆説が、何かの形で世に影響を与えるだろう…と、やはりそういう夢があることを隠さない。それも、もちろん同種の類型であろう。


【大人のおとぎばなし】は準タグなので、これで検索してもいいけど、ポータルリンクもある。この記事も、リンクを加えておこう。
この一覧に、あとで入れておく
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きょうはこのテーマで2本もかいてしまった
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ついでの余談。あと数年したら、このドラマへの称賛も「畜産が温室効果ガスを大量に出すことを理解してんのか?」と言われるかも(笑)

だってそうやん。牛乳絞るための牛も、ゲップでメタンガス排出してるべさ。

NHK連続テレビ小説 なつぞら 上

NHK連続テレビ小説 なつぞら 上

NHK連続テレビ小説 なつぞら 下

NHK連続テレビ小説 なつぞら 下