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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「戦後日本が冷戦で、東西に分割された社会」を描くSF漫画が連載中(ゲッサン「国境のエミーリャ」)1話無料公開中

ブクマもたくさんついた。
b.hatena.ne.jp


別に、この話に絡めて書こうと考えた訳じゃなくて、それ以前から準備していたんだが…こういう連載漫画が、8月から始まったのをご存知でしょうか。「カレチ」の池田邦彦が描くゲッサン「国境のエミーリャ」。

gekkansunday.net



作品紹介
1962年。
鉄のカーテン”が降ろされている
極東の列島。

東西に分断され、壁に隔てられたトウキョウで
東から西へ人々逃がす脱出請負人として
危険な橋を渡る少女・エミーリャを待つ未来は…!?

“可能性としての東京”を舞台に
鉄道漫画の旗手が挑む新境地!
仮想戦後活劇!!


作者プロフィール
池田邦彦(いけだ くにひこ)

1965年生まれ。東京出身。
鉄道関連を中心にイラストレーター&ライターとして活躍。
2009年、モーニング誌(講談社)掲載の『カレチ』にて連載デビュー後は漫画家として活躍。


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池田邦彦「国境のエミーリャ」〜もし日本が冷戦で東西に分断されていたら


おっ!少し待ったのが正解だった!!!1話無料公開されているよ!!!!

pages.comicdrive.jp


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池田邦彦「国境のエミーリャ」〜もし日本が冷戦で東西に分断されていたら


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池田邦彦「国境のエミーリャ」〜もし日本が冷戦で東西に分断されていたら


1話、2話は、ぶっちゃけ「活劇寄り」のお話である。東西冷戦のSFシミュレーション的再現は、モノマネがそうであるように単純な興味を引く(上野駅前に巨大レーニン像がある絵面だけで”SF”だ)し、そこで「東から西への亡命者を助ける”逃がし屋”」の話なら、いくらでもそれだけで面白い活劇は作れてしまう。エリア88で”最終回で死ぬナイスなおじさん”の典型例ことグレッグが、アスランで傭兵になるまではセスナを操る「逃がし屋グレッグ」であったことを覚えている人は…ただの老害です(笑)。
togetter.com

ただ、なにしろ人情噺をかかせたら、えんどコイチの再来、空知英秋すら恐れる…と言われる池田邦彦(※俺が言ってるだけです)。これから、鉄道の知識も必要以上に(笑)駆使して、泣かせる話とかも描くだろう。



ただ、自分が、この作品をこうやって力を入れて紹介する理由は…

『「すこし・ふしぎ」な古いSF設定でも、語り方次第!!堂々とやろうよ運動』の一環として推したい

m-dojo.hatenadiary.com

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実はこの流れで、作品を紹介したかったんだ。
「歴史のIFです。実はドイツや韓国と同じように、あるいはその代わりに、日本が東京も含めて東西分割されていて、東はソ連圏の社会主義体制に…」
と聞いて
「なにそれ、すごくおもしろそう!!聞いたことのない斬新な発想だ!!!」…というひと、いるかなあ。
いるかもしれないけど、客観的には前例多数。
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togetter.com
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あ・じゃ・ぱん!(上) (角川文庫)

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あ・じゃ・ぱん!(下) (角川文庫)

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「日本」人民共和国 (光文社文庫)

「日本」人民共和国 (光文社文庫)


でも、それでも、「こういう”手垢のついた”SF設定を舞台にした物語を、再度描いてもいいじゃないか!そこでも傑作は作れる。やってみよう!!」と……
それは「彼方のアストラ」の成功による流れだ、というのは牽強付会だと自分でも思うけど(笑)、そう見立てたい。

こういうのでいいんだよ、こういうので。

豊田有恒の掌編が今でも印象的。そこでは「分断せずに高度成長した韓国人が、カメラを片手に日本の”冷戦最前線”を観光する」世界…

「エミーリャ」は、東京が分断されているという設定もあるので、どうしてもドイツをモデルにした話になりそうだが、南北朝鮮のシチュエーションを多めにとった日本分断ものも多い。

このジャンルがちょっと衰退したとしたら、冷戦も終わって、体制間競争では、部分部分は別にして相対比較では明白に「東側は悪く、西側はより良かった」という結論‥‥ネタバレしてるから。実は冷戦真っただ中では、逆に「東と西はフィフティ・フィフティ」的な描写が可能だったからね…


それはともかく、小見出しの話だが…えーと、リンクを張ってある過去の記事を再掲載します

そして60年代から、韓国を深く研究していた豊田有恒氏は、ごく短いショートショートを書いている。
西側日本の国境警備隊が、利根川だったかな?その国境を越えて必死の思いで亡命してきた親子を保護する光景を淡々と書いているが、最後にそれを物珍しく眺めて、国境付近をパシャパシャ写真に取る、高度成長を遂げた朝鮮半島からの観光客が出てくる(笑)。
それを見て、国境警備隊は「分断された日本が再度統一して力を合わせれば・・・」と「克韓(半島)」を誓うという、短い中に韓国通らしさを発揮した作品でした。

なんという作品だったかなあ……
SF警察も、たまには摘発と弾圧だけじゃなく、この作品は〇〇に載っている「■■」というタイトルです、とやさしく迷子案内もしてあげなさい(笑)

豊田有恒は、『自分は70年代から80年代、まだまだ奇妙にみられるというか白眼視されながらも韓国語を学び、韓国の成長や近代化の可能性を発言していた』という、確かにそうですねの自負心をもちつつ、その後の冷戦後史をなぞるかのように、いまはこんなふうな本を書いている。

韓国の挑戦 (ノン・ブック)

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韓国が漢字を復活できない理由(祥伝社新書282)

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