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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

スクラップは、国境を越えて~輸出入に携わる業界人に話を聞いてみた

www.bbc.com
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激しさを増すばかりの米中貿易戦争。


そんな折、スクラップを中心とした資源ごみの国際的な輸出入を仕切っている、とある人と雑談する機会があった。
はじめは本当にただの雑談だったんだけど、話がまさにトランプや中国の話題も飛び出し、たいへんにおもしろかったので、結果的にインタビューみたいな感じになってしまった。そして、ちょっと再構成して、監修を経た上で、その知見や経験を皆さんとシェアしたいと思う。


<スクラップなどの金属輸出入に関わる業界人へのインタビュー>

最近、東南アジア各地に出張することが多くてねえ。


Q:そんなに最近は国際的にビジネスを展開してるの?


いや、以前からずっと金属スクラップは、国境を越えてかなりダイナミックな取引をされているものだったんだ。
ただ、最近の変化というのは、中国の状況に伴って大きな変化があってね。一つは、元はといえばトランプ政権。トランプが中国に対して関税を発動したでしょ?それに対して中国もアメリカへ報復関税の措置をとった。この関税はスクラップとかプラスチックごみの輸出にも課せられる。 それで一番大きな物の流れだった太い矢印…。アメリカから⇒中国へというのが「バサッ」と遮断された。


Q:あー、トランプのあれは、そういうふうになっちゃったのか。


それから、中国自体も…今俺たちの業界ではグリーンウォール(緑の長城)って言ってるんだけど(笑)、環境保護政策に切り替えていて、そもそもそういうスクラップ、ゴミ資源の輸入というのを規制し始めた 。ああいう国だから、規制するとなればかなり徹底的にやっちゃうんだよね 。


Q:ほほう、 中国で環境規制、環境重視と言っても、どこまでが本気でどこまでが建前なのか、やや不信の目もあったけど、少なくともゴミ資源については本気での規制をしてるわけか。


こういうスクラップ資源の最大の買い手がいきなりそうなったもんだから、いま、たとえばアメリカのスクラップは「しゃあない、日本にでも売るか」という話になって、相場もややだぶつき加減というか、それを反映している。

Q:ふうむ、米中貿易摩擦というのはそういうところにも影響してくるのか…?


それで、なぜ出張が多くなったかというと、中国国内でそういうスクラップを輸入して商売してた人たちが、それじゃ外国に拠点を作るしかないな!ってことで、次々とアジア進出してるわけ。そういう形で新しいビジネスの場が東南アジアに作られつつあるんだよ。


Q:すげえな、スクラップと言うとなんとなく国内限定、ドメスティックなイメージがあるけど、むしろすごい国際的なんだな。パッと外国に拠点を作ろうというのはやはり華僑のネットワークか何かがあるのかね。そういうフットワークも侮れない。


まあ、本土で今まで通りの商売が出来ない、となった時の中国人の動きは滅茶苦茶早かったのは驚いたよ。
東南アジアでの経済実権を華僑が握っている事も関連して、大変なスピード感。そういう現場の経済人の動きから見れば、各国の政府の動きなんて全然追い付かない速さだったんだ。機を見るに敏、その辺はとても驚きましたわ。そして、 アジア諸国でも、また出張したどの国でも、このビジネスの中核を担っているのは…いわゆる、その国の歴史の中で、哀しいことに『二級市民』的な扱いをされてきた人達が多いんだな。 少数民族とか隣国人。米国のユダヤ系、日本のコリア系、中東やマレーシアのインド系、みたいな感じの…


Q:そういう仕事につかざるを得なかった、いろんな環境や経緯があるんだね。

だけどその一方で、このビジネスは相場のあるものだから、何かの時期が巡ってくるとものすごく儲かることもある。それこそどこの国でも、そういう立場だった人たちが「このフェラーリもう乗って一年経ったから、新しいの買おうか」みたいな感じになったりね(笑)


Q:ははは、相場の急変によっては社会的地位・経済的地位が上昇したりもするわけか。いわゆる中進国でも、そういう仕事での人手不足とかあるんだろうね。東南アジアでは、たとえばタイは経済成長が著しくて、東南アジア諸国の中での「先進国」という意味合いもあるんだよね 。


タイでは、もうすでに少子高齢化なんかも問題になってきてるよ。


Q:なんと!
※後日検索するとこんな資料が https://www.dir.co.jp/report/column/20170220_011731.html
しかしまあ、すべてにおいて国際化してるよね、ほんとに。


たとえば、俺の田舎もさ、おれたち小学生のころ、外国人がいたらそれだけで大ニュースだったじゃん。だけど少し前、実家の近くのコンビニに寄ったらふつうに外国人の店員さんいたんだよな。まったくの余談というか、経済的な変化は本当に激しいって話なんだけど、自分の小さいころ、最初に出来たコンビニってどこなんだろうな?うちの実家近くのそのコンビニも、たぶん元祖候補だと思うんだけど… こんなことも調べないと分からなくなっているし、コンビニが無い時代の実感とか、外国人が店で働き始めた時の驚きとかもすぐ忘れるよなあ。


Q:「わがまちのコンビニの老舗はどこか?」か、「大人の自由研究」的に面白いテーマだな。店の働き手の国際化も含めて。


国際化に話を戻すと、自分もこの仕事をやるまでは、スクラップのゴミが輸入資源として世界は動いてるなんてのはイメージもできないことだったよ。また、インターナショナルスクールの関係者に少し聞いたことがあるんだけど、アジアではそういうところで教育を受けている層も多いからね。学校の部活で、よく全国大会とか関東大会とかあるじゃない?東南アジアのインターナショナルスクールでは、要はそういう大会が、各国のスクール集めて行う。だから、そのまんまインターハイみたいなものが国際大会になる。


Q:ううむ、いろんな国でも「…その中の、インターナショナルスクールに通う層」のあいだの共通性とか連帯感とかがあるんだろうな。なまじ母国語の教育システムを確立させた日本は、そこに加わるのはかえって苦労するかもしれない…
本日はありがとうございました。

過去に、こんな記事があった。
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