概要はなかなかよくまとまっている記事。
www.j-cast.com
2019年4月21日から22日にかけて開票された統一地方選の後半戦で、シングルイシュー(単一論点)を掲げる政党が異例の勢力拡大を遂げた。13年に設立の政治団体「NHKから国民を守る党」がそれで、「NHKにお金(受信料)を払わない方を全力で応援・サポートする政党(政治団体)」を掲げている。首都圏や関西のベッドタウンを中心に47人が立候補し、26人が当選。その中には、NHKの「おひざ元」ともいえる渋谷区議選で当選した人もいる。13人いる現職議員と合わせると、勢力は39人に拡大。7月の参院選で国政進出を目指す。
そこの公式サイト。
www.nhkkara.jp
これについて、つらつらと、断片的に感想や展望を述べる。
大選挙区なら、もともとこういう勢力が一、二議席は取れる
Jキャストの記事につけたブクマ
なんと26人当選...「NHKから国民を守る党」拡大遂げる おひざ元・渋谷区にも議員誕生 : J-CASTニュースb.hatena.ne.jp小選挙区と大選挙区の特徴、功罪の違いを説明する材料ではある(小選挙区ではこういう党は基本、浮上してこない)
2019/04/23 09:13
そりゃそうでね…もともと「ミニ政党」の歴史は、80年代半ばに参院選全国区が廃止され、拘束名簿式比例代表制が導入された時、全国区で絶大な知名度を誇った青木某とか八代某が「サラリーマン新党」や「福祉党」を名乗って、1議席を獲得した、というものだった。そしてアントニオ猪木が「スポーツ平和党」を名乗って1989年ンに当選…だったかな?このへんのこと、少年ジャンプに本宮ひろ志が実録政治漫画「やぶれかぶれ」を連載していたから、逆に強烈に印象に残ったんだよ。
この時期のミニ政党は「UFO党」とか「愛酢党」とか本当に多士彩々、この時期の政治がある意味一番面白かったかな・・
しかし、そういうのに懲りた既成政党が次々とミニ政党に不利な制度を構築、そもそも国会では1議席だと何もできないにひとしい、ということもあり、あだ花に終わったのでした。
だが、地方議会で数十の枠があるなら、確かにそこに滑り込むことは、国政政党で議席を取るより何倍もたやすい。これまでもそうだったはずだが、なぜか「空き家」だったのだ…
「地方で議席得ても、NHKに対し何も出来ない」説は確信はないが『?』。だって、この手が…
b.hatena.ne.jp
上のブクマ集でも小見出しの通り「地方で議席得ても、NHKに何も出きる訳はない。だからある意味で詐欺的なんだ」という議論が出てますが、ここに自分は「断言はできない」ながらも疑問符をつけておきたい。
というのは…【NHK集金員の『訪問』なら、地方自治体の条例で規制できるんじゃないか??】なのです
てか、それを論じたNHKの時事解説がある(笑)
…滋賀県野洲市(人口5万人の小さな自治体です)が、国の法律だけに頼らず、自分たちで、市民の被害を防ごうと、6月に新しい条例をつくり、注目されています。「くらし支えあい条例」という名前で…
(略)…
① 訪問販売を「登録制」にするということ。そして、
② 「訪問販売お断りステッカー」を貼ることで、消費者が「訪問販売をあらかじめ拒否できる」ようにすること。この2点です。
PDFだがこんなのものある。
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201607_06.pdf
これと同じ議論を、NHKの「訪問員」に対してできるか、どうか?
pid.nhk.or.jp
実をいうと、よくわからない。受信料が国民(テレビ設置者)の義務なら、こういう訪問員を登録制にしたり、お断りのステッカーを張れば訪問できなくなる条例は、何かの違反だ、という話になるかもしれない。
なにより、当の「NHKから〜」がこの「自治体の条例による『訪問』の規制」なんて掲げてないよね?下手にチエを彼らにつけるのも業腹なんだが、まぁ彼らはこんなブログ読まないだろうから書いちゃう。
もし仮に、こういうことが可能だとしたら、「NHK批判なら国政でやる話で、地方議会に進出するのはナンセンス」という議論、それ自体はちょっと批判としては弱くなるんじゃないか。
似た事例で思いついたのは欧州の「海賊党」だった。
今現在、勢力はどうなってるんだろうな?
一時期の隆盛から、だいぶ衰えた感じもするし「それでもまだまだ勢力が強い」とも感じる。
もっとも最初に主張として掲げられていたのは著作権法違反としてフィンランドやスウェーデンで音楽や映画などをパソコンや携帯音楽機器(iPodなど)で聞いたり保存したりした一般市民がある日突然、警察によって家宅捜索を受けたり、高額の罰金を取られた事への抗議行動を反映した著作権関係の政策であった。その後、この政策がまとめられて著作権法と特許法違反に対して刑事罰を科することに反対したり、知財の保護期間延長に反対する政策を訴えていた。
NHKが受信料ゆえに、潜在的な大きな反感を持つ層があり、それへの対抗を掲げる集団が人気を得るなら「著作権料」に関しても似ている部分があるだろう。一部では「NHKから国民を守る…」が勝てるなら「JASRACから国民を守る党」を立ち上げたら同様に議席が得られるんじゃないか?みたいな冗談半分の議論を見聞きしたのだが、何のことは無い、それは海賊党だ。
ほかに、パブリックエネミー的なものを攻撃する集団なら何が…
「PTA、自治会の押し付け強制から国民を守る党」
「コンビニのエロ本陳列セクハラから子供を守る党」
「ペットの殺処分を即座に中止させる党」
「公共施設を即座に完全禁煙にする党」
・・・・・・・・・・・なんだろうな。それこそ色々募集できそう
いまのとこは党首が奇矯で愚かな主張が多いから、早晩頭打ちになるだろう。だが頭のすげ替えで「脱皮」したら…(ルペン親子パターン)
いまの党首、立花隆‥…じゃなくて立花孝志氏は、とても全国区で政治勢力を拡大していく識見や手腕があるとは思えない。だから、今現在はそれがある種の安全弁なんだけど(笑)、ルペンの国民戦線が、あまりにもあからさまにあれだった党創建者のルペン父を排除して、少なくとも表面上の主張は穏健化し、理論性も増した娘マリーヌ・ルペンになった国民戦線が、フランスの巨大なプレイヤーになったことはいうまでもない。
「NHKから」もぶっちゃけた話、主張の「核」となる反NHKは、一種の「軍手政策」。そのココロは?右でも左でもハマる、とね。加入戦術なる言葉もあるし、個々の議員が立花流の思想に染まっているか、といえば、どうもそうでない節もある(それ以前の野合・烏合の衆の寄せ集め、感がぬぐえないのだ)。案外、数年で立花が放逐されて、他のイデオロギーがすべて左派系になる可能性だってあるぞ。
そんな馬鹿な、というなかれ。同じ党首を仰ぐ小沢一郎の自由党だって、小渕ちゃんと自自公連立を組んでいたときの主張と今の主張はちがうやろ(笑)。べつんとこでいえば「生長の家」。実は、思想・イデオロギー的にぐるりんと展開していることは有名な話であります
生長の家 - Wikipedia
…安倍政権成立後は安倍政権や日本会議に否定的な主張も目立つ。2014年、生長の家は安倍政権による安保法制について立憲主義の観点から反対した。
2016年6月9日、生長の家は2016年の参議院選挙において、安倍首相の政治姿勢に反対の意思表明をするために、組織として[43]「与党及びその候補者を支持しない」ことを決定した[44]。また、元生長の家信者らの関与する政治組織・日本会議が政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があるとして、遺憾の想いと強い危惧を表明した[44]。2017年10月6日、生長の家は第48回衆議院議員総選挙に対する方針を発表し安倍政権が「政治姿勢が改まらないどころか、国民を無視した強引な政権運営を繰り返している」として再び与党への不支持を表明した。