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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「ギャンブルやる奴は人間のクズや/そういう人間は信心することや/それにはまず聖教新聞を読むことや」…IR法成立迫る中で再論


ちょっと画像がぼやけたように見える人は
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gryphon/20180708/20180708092752_original.jpg
をご覧ください。

この四コマ漫画は、私のごく限られた周辺で(笑)伝説となっている作品だった。初出は雑誌「宝島30」、その後たぶん「人生解毒波止場」に収録されたであろう。

人生解毒波止場 (幻冬舎文庫)

人生解毒波止場 (幻冬舎文庫)


まずはこれを紹介したい、というのがこの記事の動機だ。


ただ、IR法が成立し、日本におけるカジノ施設が本格的に認められると、またこういう問題に注目を浴びることになろう。

もう過去に書いている。これ以上のことは多くが再論になってしまうので、適宜読んでいただければ。
特に最後の、大きなフォントにした記事を推奨。

■個性か病気か選択か。「新型うつ」「マインドコントール」「ギャンブル依存症」…etc(前編)http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120429/p3

■万引きは「病気」じゃないか、という話…からいろいろ話題は広がる。http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130110/p3 

オセロ中島氏を含め、やっぱり「マインドコントロール」って概念は使い方難しい&現在「弁護士のくず」でこのテーマ http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130405/p5

統一教会信者を脱会させる”説得”に賠償命令…マインドコントロールと自由意志のあいだに http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140129/p2

■「ギャンブル依存症」をどう考えるか〜木曽崇氏のツイートより/「自由意志」を考える(4) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141120/p5

■どこからを、どこまでを「依存症のせい」とその人の行為について考えるべきなのか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160318/p3

■カジノ議論が孕む諸問題。「愚行権」「自由意志」「病気」「国富」「品格」…もろもろが面白い - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20161212/p2

■法案可決で注目の「ギャンブル依存症」。でも薬でも食物でもなく「賭け」が中毒になるって結構すごくね?人間の脳の営みは。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20161215/p1


ただ、今回の件に関して、追加してみたいのは有名ブロガー FINALVENT さんのこのツイートだ。


 
リベラリストであるかないかの、簡単なチェック項目は、「愚行権を最大限、認めようとすること」、そして、その結果、「社会が不快になり、美しくなくなる状態に耐えること」

そう、「リベラリストほど愚行権を認めるはず」……なので、カジノ施設に対する議論は、見ているとなかなかにねじれがあるように見えるのであります。


生活保護の議論がカジノ法案の前にあったとき、「生活保護でギャンブルをしている人がいる」という指摘に「庶民のささやかな娯楽、楽しみではないか。それを禁止するとは…」という議論もされていたはずだ。

http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8088651.html
小野市の条例成立にあたって市議会の中で唯一反対したのが日本共産党なのですよ。以下はそれを報じた産経ニュースからの転載。

生活保護費でパチンコはダメ」兵庫・小野市で“浪費”禁止条例を可決
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130327/lcl13032722560000-n1.htm

生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで浪費することを禁止し、市民に情報提供を求める兵庫県小野市の「市福祉給付制度適正化条例」案が27日、市議会本会議で原案通りに可決、成立した。病欠1人を除く市議15人のうち反対は共産1人だった。[...]

この日の本会議では、反対の共産議員が「受給者からささやかな楽しみを奪い、弱者への差別を助長する危険性もある」と指摘。賛成の議員は「市民の大多数が賛成している。条例で市民同士のつながりを深めたい」と述べた。

「受給者からささやかな楽しみを奪い、弱者への差別を助長する危険性もある」これが唯一反対をした共産党市議による指摘です。また同じく小野市の同条例に対して、高橋ちづ子衆議院議員衆議院厚生労働委員会にて同じ趣旨の発言をしていますね。以下、高橋議員ご自身のブログより転載。

“水際作戦”合法化許されない
http://chiduko.gr.jp/kokkai/kokkai-339

日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は29日の厚生労働委員会で、生活保護改悪法案の質疑に立ち、申請者を締め出す“水際作戦”の合法化をやめよと追及しました。[...]

○高橋(千)委員
基本的には保護費を何に使うかというのは自由だということでよろしいですよね。やはりそれは、アルコール依存症ですとか、買い物依存症ですとか、病的に何か支援をやらなければならないということに対して支援をするというのはいろいろな仕組みをつくる必要があると思うんですけれども、何かそれが、本当にわずかな保護費の中でのささやかな楽しみまで全部管理をされるのかということがあってはならないわけです。

しかし、現実にそれが条例になったのが、兵庫県の小野市の条例でありますけれども、ここは私は三つ問題があると思っています。それは、生活保護費だけではなくて、児童扶養手当とかその他福祉制度についての金銭給付についても対象になっている。もう一つは、パチンコ、競輪、競馬その他ということで、何か、範囲がどこまで広がるんだろうということ。そして三つ目が、市民に通報の責務を与えている。こうなるとさすがに、ささやかな楽しみどころか、パチンコをやる人は皆通報しなさいではないですけれども、そういう極端なことになってはならない。

要は、「生活保護費の使用は基本的に自由であるにも関わらず、小野市の条例は受給者のささやかな楽しみを管理しようとしている」という主張なわけですが、これを冒頭の大門議員の主張を比較して眺めると非常にワケが判らない主張となるんですね。共産党は、生保受給者の賭博参加は「ささやかな楽しみであって管理されることがあってはならない」としながら、一方でその他大勢の国民が「自分の稼ぎ」で賭博に参加する行為を「依存症を招くので禁ずべき」と主張している。もはや主張として完全に論理破綻しているのですよ。


これはさらには
生活保護の人には、その人の生活を指導したりアドバイスしたり=監視したりすべきなのか、それとも自由にさせるべきなのか」という議論でもある。



ただ、さらにいえば、リベラリズムの立場に立つとしても例外的に、それが「医学(科学)上の問題」であるなら、愚行権を認めない、愚行権をはく奪することも可能になろう。

たとえば真にリベラルかどーかは知らんが、コラムニスト小田嶋隆氏は
過去に

カジノ法案という“増税策” http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/120800073/

というコラムを書き、自分もリンク一覧にある過去記事で紹介し論評しているが、
そのコラムでも、最新の回でも依存症について多くの字数を割き、そこを論の柱にしている。

カジノなきパチンコ王国の思い出 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/062800149/


 ギャンブル依存症は、アルコール依存症に比べてあまり知られていない。
 認知度が低いだけではない。理解度はもっと低いと思う。

 個人的な感触では
 「自業自得だろ?」
 「自己責任じゃね?」
 「つまりアレか? その病気の患者はギャンブルで勝つのは自分の手柄だと思う一方で、ギャンブルで負けるのは病気のせいだみたいな考え方を採用してる人たちなわけか?」
 「要するに我慢が足りないってことだろ?」
 「なんでもかんでも依存症のせいにできるんだったら、責任という言葉は不要になるだろうな」
 てな調子で笑い飛ばしている人が多数派なのではなかろうかと思っている。

 私自身、つい最近までは、自分がギャンブルであまり勝った経験を持たないからなのか、それに依存する人たちがいるということをいまひとつイメージできなかった。

 ただ、この5年ほどの間に、アルコール依存症ギャンブル依存症の患者や家族の団体が共同で主催するイベントに何度か協力させていただく中で、ギャンブル依存症の関係者と情報交換をする機会を得た。この経験を通じて、私の認識は大いにあらためられた。


これはご本人がアルコール依存症に苦しみ、克服の努力をしていることも大きいだろうが、上の「リベラルは個人の”愚行権”を認め、それが生む不愉快に耐える思想なんじゃないの?」という指摘に「でも、このギャンブルをしたいというのは医学的な問題なんだから、愚行権埒外なんだよ」という反論ができるから、という面もあるのではないかと思う。


そういう、
医学的な問題を持ち出すことで、一見、個人が選択できる権利に思えるものを剥奪しうる、というロジック自体は面白いのだが、
今度は「ギャンブル依存症自体が『そういう病気があるのだ』と恣意的に決めたものじゃないか?」という問題もあり…でした。ただ、これらの話も既に上記リンクの過去記事にあるので、そちらをご覧いただけばいいのであとは踏み込まない。

こんな過去まとめを作っていた(忘れてた)

ギャンブル依存症」をどう考えるか〜木曽崇氏のツイートを中心に - Togetter https://togetter.com/li/747476

ゆうメンタルクリニックの漫画

「 マンガで分かる依存症治療 」一覧
https://izons.net/category/manga/

マンガで分かる心療内科・精神科in新宿 第44回「ギャンブル依存症の恐怖!」 https://yusn.net/man/482.html
【マンガ】で分かるネット・スマホ依存症「ギャンブルをすれば、必ず依存症!」 https://izons.net/netizon-15/
マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷 第59回「『ネット依存症』か分かる、10の質問」 https://yusb.net/man/716.html
【マンガ】で分かるネット・スマホ依存症「無料ゲームで失う時間は戻らない!」 https://izons.net/netizon-19/


最後におまけ画像集(これも過去記事から)