「まちがった薬物報道はもうやめて」 専門家、当事者は声をあげる https://www.buzzfeed.com/satoruishido/yakubutu-guidelines @satoruishidoさんから
自分は長年、「犯罪と病気(依存症含む)と自由意志と責任」について書いてきたので、その流れで行きます。
上の記事にこうブクマをつけました。
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.buzzfeed.com/satoruishido/yakubutu-guidelines
前も書いたけど「犯罪というより病気」と言われてるものに常習的痴漢があるが、それもこのガイドラインに沿うべき?一線を引くべき?/
『薬物を最初に使ったその1回目は、病気じゃなく自由意志では』との指摘も。
最初の話をまずしよう。
この話は
http://www.tbsradio.jp/108928
へのブクマでもやっていた。
ある種の常習的性犯罪も「自分ではどうしようもない病気だ」との説があったけど、これに準じるのかな?
「常習的痴漢」などが、薬物依存症と同じカテゴリー…つまり「犯罪というより病気」、「罰するよりむしろ治療が必要」であるとの仮説に立って改定してみる。
この専門家が原作を書いた、たいへんに品のある漫画を参考資料に「窃視症」と置き換える。
http://yuik.net/man/413.html
http://yuik.net/man/414.html
(仮)窃視症ガイドライン
窃視症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族や子供などが、報道から強い影響を受けることを意識すること
窃視症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること
相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること
「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
窃視症に詳しい専門家の意見を取り上げること
窃視症の危険性、および回復という道を伝えるため、回復した当事者の発言を紹介すること
窃視症の背景には、貧困や虐待など、社会的な問題が根深く関わっていることを伝えること
【避けるべきこと】
「下着」や「更衣室」といったイメージカットを用いないこと
窃視への興味を煽る結果になるような報道を行わないこと
「人間やめますか」のように、窃視症患者の人格を否定するような表現は用いないこと
窃視症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと
逮捕された著名人が窃視症に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果のぞきに走ったという取り上げ方をしないこと
「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと
(後略)
・・・・・・・・・・あれ?まっとうなガイドラインのような気がしてきたぞ??
しかしまー、昨年末にそんなことを提唱した人もいたけど、異論も多かった。
弁護士「性犯罪者は病人なので社会支援による治療と更生が必要」→多くの反論 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1063961
性犯罪「依存症は病気」、更生支援の弁護士「厳罰化だけでなく、再犯防止を」(弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161225-00005508-bengocom-soci
あとは科学的な分野として「まあどっちも病気だよね、罰よりは治療したほうがいいよね」なのか、「いやいや、これはこれこれの部分が違っていて、だから扱いは別なのです」となるのか。
これはギャンブル依存症も含めて。アルコール依存症も含めて。
その判断は『科学』に○ミ\(・_・ )トゥ ←丸投げ・・・・したいんだが、ぶっちゃけ、この『線引き』はあんまり科学的でないっつーか、エイヤっとどこかの誰かが決めていたり…してないだろうね?
薬物を体に取り込んだら、何かのチャネルがぱっと開いて、もう薬を求めるしかなくなる…というのは科学的にあるだろうけど『最初の一回は理性と自己責任に基づいて犯罪行為を行った』のではないか?
うーん、これは正直ちょっと意味が判らない。
— 木曽崇:「日本版カジノのすべて」発売中 (@takashikiso) 2017年1月17日
「薬物報道ガイドラインを作ろう!」荻上チキ×松本俊彦×上岡陽江×田中紀子【音声配信・全文書き起こし】▼1月17日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」平日22時〜) https://t.co/w2GNEZny1L
昨日の繰り返しだが違法薬物をその他の依存と並列に語ることに僕は大きな違和感があります。違法薬物はその他の依存と違って、利用はもとより単純所持でも違法。「病気だ」とはいうが、その人はある時点では別に依存でもなんでもない「ただの違法者」であったわけで、それを他の依存と同列には扱えない https://t.co/lW8CJkAE1v
— 木曽崇:「日本版カジノのすべて」発売中 (@takashikiso) 2017年1月17日
関連過去記事
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■万引きは「病気」じゃないか、という話…からいろいろ話題は広がる。http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130110/p3
■オセロ中島氏を含め、やっぱり「マインドコントロール」って概念は使い方難しい&現在「弁護士のくず」でこのテーマ http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130405/p5
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