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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【「うるう秒」なんて”制度”を廃止しちゃえばシステム・プログラムの調整コストが浮いてお得】という説、真偽は?

この前、このブログでも少し感想を書いた

2000年問題って大したことなかったですね!」と当時小学生だった自分の感想を述べたらSE陣がざわつき始めた - Togetterまとめ http://togetter.com/li/1045396

…ここで「2000年問題」などでの微調整を回想したりするエンジニア?のみなさんの中から、コメント欄でこう提言する人がいた。

IzNoMa @i3works 1日前
うるう秒なんかさっさと廃止すべきだと思うな。それだけで簡単に問題が解決するのに。GLONASSの仕様決めた人たちと天文時にこだわってる人たちは反省してください。~_~;
 
tarosuke[緑] @tarosukenet 1日前
i3works それなー。エポックからの純粋な時間経過をベースにするだけなのになー。天文時とは変換で対応すりゃいい。RTCも余計なことせずに秒だけ数えてりゃいいよもう。

あー。
自分は子供のころから、なぜか「うるう秒」の存在を知っていた。小松左京が監修した、へんな雑学の豆本があってな。
「〇〇は、世間ではAと思われてるんですが、実はBなんです!」と、この本がドヤッと伝えてくれる「驚愕のBという事実」は、、自分が小さいころに読み過ぎてそもそもAという常識を知らないことが多くて空回りしてたんだけど(笑)、それでも非常に有益な本でした。
その中に、「うるう秒」の解説があったんですわ。
地球の自転にもいろいろと摩擦などあって、ごくわずかに遅くなっていく。
それを放置しておくと、朝夜がずれていってしまう。
だから、厳密な計算と測定の上、一秒足す・・・・・・・・・・・・・・・・理屈は分かる。そして壮大な天文学のロマンじゃあありませんか。
美しいじゃあありませんか。


しかし!!
所詮「時間」なんてものは、ある意味で人が決めた人為的なものである。一日なんてどこからはじまってどこから終わるか、それは勝手な区分なのだ。真夜中の0時に1日が始まるというのも、もちろん「そう決めた」以上のものがあるわけではない…はずだ。

ならば「微妙に一日の感覚がずれるのを調整するために『うるう秒』を入れる」
という決定に
「それでコンピュータプログラム、システムのいろんな設定を変えるの大変なんすから。無しにしましょう、うるう秒なし」
を対峙させるのも、いかにもありそうだし、説得力も十分…な気がする。


ただ!!
自分は「うるう秒」を「それが積もりにつもると朝、昼、夜の感覚にまで影響を及ぼすから、気分の問題でそれを入れている」と理解しているのだが…実はこの理解は浅く、それを挿入しないと、もっと深刻な、科学的・技術的問題が発生するかもしれない、と疑う。

それが無ければ「コンピューターの設定調整が余計なコスト。だからうるう秒、以後廃止」…は世界的な合理性をもって、実現可能だと思う。
実際どうでしょうか?

きのうに続き「人力検索はてな」とも連動して聞いてみよう。
はい聞いたー。

『「うるう秒」なんて廃止すれば、各種システムの管理・調整コストが節約できる』という意見、どう思いますか… - 人力検索はてな http://q.hatena.ne.jp/1478629693

コメント欄記録

とおりすがり

まず正確な1秒の長さが必要な業界(電波を使う人たちなど、正しい周波数を作るのに必要)があるので実用上の要請から1秒の長さが定義されます。
一方で、国立天文台天文学など天体の動きを基準にする業界では、カウントと観測がずれたら修正すればいいという立場を取ります。
前者と後者のすり合わせがうるう年やうるう秒となるわけです。

また、他方では同期さえ取れればよいという業界(金融システムなど)もあって、うるう秒が問題になるのはおおよそこの界隈ですね。
うるう秒の処理が異なるシステムが混在すると同期がずれて問題になる可能性が出てくるわけです。

つまり、うるう秒の問題とは根本的にはその業界内での合意のなさという政治的な問題であると言えるでしょう。
実際、天文学ではうるう秒の処理について合意があるので何も混乱は起きませんよね。

なので、技術的な解決方法がいろいろと言われますが、統一さえできればなんでもいいんじゃね、って感じですね。
うるう秒を採用しないならしないでその業界内では上手くいくと思います。

ただし、うるう秒を使わない場合、また別の問題が発生します。
うるう秒を採用してる所(最も身近には日常の時計)と採用していない所で、数十秒の時刻差があるように見えてしまうという点です。
この絶妙な秒差のために、見間違えを始めうっかり時刻を修正したつもりで狂わせたりといったヒューマンエラーだらけになるでしょう。

結局はこの時刻表記だけあれば万事OKというのがなく業界ごとの必要性から乱立しているので、統一は不可能なわけです。
でもまぁ、こうやって混乱してるおかげで雇用が作られてるとも言えるので、その点は良いんじゃないでしょうか。(というオチ)

3年前 Add Stardelete
とおりすがり

蛇足で…
年ごとの十二支も元々は木星の公転周期(12年よりちょい短い)によるものだったのでずれるたびに修正してたけど、
あるとき(2000年くらい前)からずれても修正しなくなって木星の観測とは無関係な単なるカウントになってますね。

そういうもんだ、という合意さえ取れてしまえば元の現象と無関係なカウントになっても問題ないという実例の1つとして挙げてみました。

3年前 Add Star
とおりすがり

はてなIDないからこっちに

>江戸時代の太陰暦はうるう月とかあるほどズレていました。
旧暦は月の満ち欠けする期間が1ヶ月、冬至は必ず11月、うるう月の入れ方も規則的に決められてます。
それらは太陽と月の観測によって決まるので、天文現象からは決してずれない暦なのです。
さらに、旧暦使用当時は今でいう正確な1秒というのは存在しなかったので、秒数カウントと日付のずれも存在しません。
(まぁ、旧暦は旧暦で2033年問題とかがありますが)

1ヶ月といいながら月の満ち欠けと無関係になっている現行暦の方がずれている、という見方もまた成り立ちます。
結局は何を基準にどう決めるかという話で、どの暦も見方によってある部分は正しくある部分は間違っているのです。