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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

瀬戸内寂聴氏の、石原氏に続く「厚化粧の女」発言を聞いて「女王のフィンガーボウル」を思い出した

ストーンフィールド(石原)の発言

売国奴」「厚化粧」 石原元知事、都知事選候補を批判:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJ7V5VTKJ7VUTFK015.html

…石原氏は、鳥越氏がかつて尖閣問題について発言したとする内容を読み上げ、「売国奴だ。東京を、日本人を代表しておこがましいことができるか」などと非難。小池氏についても「今度の知事選で、私が彼女に選挙に出ろと(言ったと小池氏が言っている)」と主張。「まったくそんな覚えは無い。あの人はうそつきだ」などとこきおろした。

 また、自民党支持層が増田氏と小池氏に割れていることを踏まえ、会場にいた息子の石原伸晃自民党都連会長に目をやりながら、「そこに私の息子もいて苦労している」と言及。「厚化粧の女にまかせるわけにはいかない」とも語った。

ぼくのブクマ
http://b.hatena.ne.jp/entry/295748450/comment/gryphon


ロンリーヒヤー(寂聴)の発言

「厚化粧の人に都知事になって欲しくない」 鳥越氏に寂聴氏からメッセージ/芸能/デイリースポーツ online http://www.daily.co.jp/gossip/2016/07/29/0009331879.shtml
 
…ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が28日、三軒茶屋駅前で街頭演説を行い、駆けつけた作家の澤地久枝氏(85)が、京都在住の作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏(94)から預かったメッセージを読み上げた。
 澤地氏は「寂聴さんは『あの厚化粧の人に都知事になんかなって欲しくない。自民党公認の人、公認を受けていない女の人は絶対に反対』と言った」と代読。ライバルの小池氏、増田氏にNOを突きつける内容に聴衆から歓声が上がっていた。

ぼくのブクマ
http://b.hatena.ne.jp/entry/296085339/comment/gryphon



お二人の発言をきいて、この話を思い出したん。自分も学校の「道徳」の副読本で読んだなりよ。

……19世紀のイギリスの女王・ヴィクトリア女王の有名な逸話を知っているでしょうか? フィンガーボウル(手を使って食べる料理が出される際に、食べる前後で指を洗うための水の入った器)が使用された食事会に出席をしていた彼女。
 
招かれていたある国の貴族がフィンガーボウルの使い道を知らず、誤って中の水を飲んでしまったそうです。もしあなたが彼女だった場合どうしますか? 礼儀のない人だなあと、自らその間違いを指摘し、王子を笑い者にするでしょうか?
 
彼女は、来客に恥をかかせないために、それが指を洗う物であることを知りながらも、中の水を飲みました。もちろんそれは、とんでもないマナー違反だったでしょう。でも彼女の行動によって、王子はもちろん、その場の空気も和み、気持ちよい食事会を終えることできたわけです。

余談
だが…

http://hosokawa18.exblog.jp/10334049/

……小学生の道徳の教科書の話ですが、やたらと感動したのを覚えてます。
(略)
ところがこの話。実は 「荒木陸軍大将」 の逸話がモチーフになってる・・・。
ってコトを最近聞いたのです。wikiにも載ってます。
「帝国ホテル厨房物語」っていう本によると…、
(略)
たしかに話の内容は全く同じですけど、
「可憐な王女様」 と 「荒木陸軍大将」 ではイメージにギャップがありすぎ。
荒木大将はキライじゃないですけど、むしろ好人物だとは思いますけど、
それでも 「せ、青春を返せーっ」 って叫びたくなりましたよ。

で。ちょっと調べてみましたら、
この 「フィンガーボール」 の話って、似たような逸話がゴロゴロしてますね。

吾輩は猫である」 にも主人公のセリフの中で、
「イギリスの連隊長と下士官の話」 として、似たような内容のエピソードが紹介されているし、

ヴィクトリア女王がペルシア国王を招いた晩餐会でのエピソードだとか、
エドワード8世が太子時代に、アラブの首長たちを招いた晩餐会でのエピソードだとか、
けっこうみんなグイグイとフィンガーボールの水を飲んじゃってます。

そもそも石原慎太郎瀬戸内寂聴さんは、政治的立場を超えて仲良し。

政治的な立ち位置、見解はまったく異なっているが、
それを超えた場所ではお互いに認め合い、仲良くしている。

本来的には民主主義のお手本といっていい、美しくうるわしい話なのだが……(笑)

永年にわたる文学の友であり、また仏門と政治という別々の道を歩んだ二人の作家が、人生への想いを託して交わした往復随筆。涙について、運命について、幽霊、老い、記憶…。人生の光背を想い、転機を語り、不可知なるものを畏れる感性と情熱が、温かく、時に激しく交差する。これは、二人の「永い友情の記念碑」である。

「90こえたら、神のうち。」

村山富市翁、お大事にあれ。九十すぎたら神のうち…ちょうど「回顧録」読んでいました - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150904/p3

で提起した命題なのだが、これでいうと
村山翁をはじめ
野中広務
中曽根康弘
奥野誠亮
李登輝
カーター
父ブッシュ
・・・・・・・・などは、まぁ、「神発言」ということでいいのではないかと。
おんとし94歳の瀬戸内寂聴氏は仏門だから「仏発言」か。

石原慎太郎氏はまだ83歳だからダメ(笑)



吉川英治は「XXXや けさの女の 薄化粧」という句を使いまわしていたという(編集手帳

孫引き。

吉川英治(小説家で宮本武蔵などを書いた小説家)
旅先で宿の女将から色紙を出された時によく用いた句は
「×××××  けさの女の 薄化粧」   吉川英冶 

「×××××」のところに、「初雪や」、「梅一輪」など適当に入れるとのこと。
例えば、「初しぐれ けさの女の 薄化粧」
確かにいける! となれば「初霜や」、「木枯らしや」、「初日の出」など何を入れても使えそうである。

ちなみに

口紅でも、クリームでも、化粧品のセールスはたいへんだそうですね。何年か前のサラリーマン川柳に、なるほどと思わせる一句がありました。

 売る人の顔見てやめた化粧品