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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で)

自分で記事を書いていても、何が注目を浴びるかはやはり予想しがたい。
少し前に書いたこの記事、

日本中に散らばる「漫画が描ける中間層」が、自分の得意分野の啓蒙を漫画でしまくって知が集積し過ぎる。こういうののアンソロジーをつくれ。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160704/p1

が、ありがたいことにブクマ、閲覧数的にも人気を得ました。

記事の骨格―膨大な「漫画が描ける中間層が現場の知や研究室の知恵を漫画にしてくれる」という話はずっと考えていたとはいえ、文字にしたのはその日の朝にクロマツ漫画を読んでの即興だったから、こんなに反響があるとは思わなかった。ありがとうございます。

そして……この記事の最後につけたしのように加えた、「こういう啓蒙漫画の巨人が内山安二だ」という個所にも、大きな共感を得たようだ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/gryphon/20160704/p1


これも長年あたためていて、いつか書こう書こうと思っていたのだけど、このふってわいた幸運を逃す気はない。
以前の文章も引っ張り出しつつ、内山安二のことを語ろう。

コロ助の科学質問箱 (学研まんがひみつシリーズ)

コロ助の科学質問箱 (学研まんがひみつシリーズ)

科学物知り百科 (学研まんが ひみつシリーズ)

科学物知り百科 (学研まんが ひみつシリーズ)

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

偉人・英雄世界史事典 2 (学研まんが事典シリーズ 11)

偉人・英雄世界史事典 2 (学研まんが事典シリーズ 11)

世界の国ぐにびっくり旅行 (学研まんがひみつシリーズ 23)

世界の国ぐにびっくり旅行 (学研まんがひみつシリーズ 23)

NHKクイズ面白ゼミナールうそほんと 続 (学研まんがひみつシリーズ 51)

NHKクイズ面白ゼミナールうそほんと 続 (学研まんがひみつシリーズ 51)

過去の内山氏紹介文をリバイバル

過去の「内山安二」記事を再紹介

昔、まだ内山さんが存命のころに書いた文章をちょっと丸ごと引用する。
上と重複するところはお許しください。

人生に必要なこと(と、不必要なこと)はすべて「学研まんが」で学んだ。


少し昔のことであるが、ワタクシ小・中学校時代は非常に成績がよかったんですね。その後馬齢を重ねて今はその影もないですが(笑)。実は当時うちで教科書やノートを開いたことなんてゼンゼンありませんでした。それなのになぜ学校の勉強ができたかというと、これは間違いなく「学研漫画ひみつシリーズ」のおかげなのです。これは掛け値なしの事実。


だってな、例えば藤木輝美の「からだのひみつ」というのを見てみよう。
なんか、その辺のあやしげな雑誌にアリそうなやな題名(笑)だが、いたって内容は健全、―どころか非常に高度な内容を分かりやすく説明するのだ。血液を構成している赤血球、血漿、白血球、血小板をそれぞれ擬人化して、それぞれの性質をうまく職業化している。
 その血液君たちを体内に抱えた子は、ガキ大将とケンカすることになり、酸素を補給する赤血球(赤君)や栄養を運ぶ血漿(水君)が大忙し。しかし白血球(白君)や血小板(チビ君)は何もすることがなく待機するばかり。赤君たちはそんな彼らをバカにするが、ケンカのあとその子はヒザをすりむき、出血する、すると血小板のチビ君は身を捨てて傷口で凝固し、出血を食い止めるのだ。そしてそこから侵入してきたバイキンたちには、白血球が一人一殺の特攻作戦!赤君も水君も彼らを軽んじていたことを悔やみ、戦死した彼らに涙を注ぐ…というなぜか愛国的展開になったりする(笑)。のだが、ここで赤血球の酸素運搬機能、白血球の殺菌免疫作用、血小板の止血作用などの根本をしっかり教えているのである。
これを小学校にも上がっていないガキがすべて覚えてしまっているのだから「小学校?ぬるいわ!」となるのも当然なわけである。


この作品とは別だが、学研まんがのエースとして不動の位置を占めている人物が内山安二先生である。といっても名前じゃ分からんか。絵とおなじみのキャラクターをみればすぐわかると思う、これ。

(ここにカットが入ってた。)



コロ助の科学質問箱」「できる・できないのひみつ」「世界の国々びっくり旅行」など、数々の名作を残しているが、そのバラエティと大きな問題を徹底的に分かりやすく咀嚼する力は、他の著者の作品と一段も二段も格が違っている。


驚くべきは彼が「○年の科学」という学習雑誌にも連載を持って、そこでアップ・トゥ・デートな科学トピックスを扱っていたことだ。例えば私が小学生のとき、このマンガで初めて「針のいらないレコード」---つまり「CD」の存在を知ったのだ。従来のレコードが“溝”だったのに対し、ミクロ単位の凸凹にレーザー光線を反射させ、その信号を元に音を再生する、そのため音が劣化しない、クリアである……という説明は今考えてもきちんとポイントを押さえていたと思う。


また「未来史閲覧」という産経新聞が総力を挙げたともいえる企画に、記事で「超高層ビルの限界は」というテーマがあったがこれも「できる・できないの秘密」でもう20年近くも前に内山氏は論じきっているのである。物理的な限界はいくらでも克服できそうだが、日照権などの問題や「高いビルほどエレベーターの必要数が増え、それでビルの使用可能なスペースが逆に減る」(笑)といったソフトの問題を解決しなければならない、というある意味逆説的な、人間と技術の関係を内山氏は完全に消化しきって、子供むけ読み物にしているのだ。


このほかにも絶対零度という概念による低温の限界、摩擦という力が宇宙に与える影響、化石からどのように恐竜の生態を推理するか・・・などなどを、当代一流の学者から実現性のあやぶまれる怪しげな研究をしているマッドサイエンティスト(水中で呼吸できる「人工エラ」なんて、今でも実現してないじゃん)までに取材したこれらの作品、まさに「情報=インテリジェンス」の宝庫としかいいようがないのである。


「フツウの漫画家とちがうのは、ワタシの場合足でかく」との彼の言葉は謙遜でもあり、また自負なのだろう。


そして、彼らの後継者であるということを自他ともに認めた人が、「宇宙家族カールビンソン」「ワッハマン」などで知られるあさりよしとお氏だ。ふつうの商業マンガでも活躍した彼が、一見地味ともみえる情報・学習マンガに挑戦した理由は余人は知らず、少なくとも私はわかるような気がする。そこには面白さと難しさ、そして未来の科学者を生み出す力があるのだから。
もっともこの人だから、学習マンガの「お約束」をセルフパロディすることもわすれちゃいない(笑)。

…前から自分は、この種の教養番組を含めた「子供や一般の人々に、知識を分かりやすく啓蒙して伝えるもの」の存在を高く、重く評価し考えてきたし、そういう文章を書いている。
というのは自分の雑多にしてムダな知識の多くが、その種の啓蒙漫画(おもに「学研まんがひみつシリーズ」)によるものだったり、それを最初のきっかけにしたものだからね。
だから私が手塚治虫藤子・F・不二雄に負けずとも劣らず崇拝する漫画家は故・内山安二先生だ。

この前、「本屋にはないマンガ」という本が出たそうで、宗教PRや原発PRのマンガなどを集めているという。
この本の中では内山安二先生にも一章を割かれているんだそうで。
それじゃあ読まないとね。

本屋にはないマンガ

本屋にはないマンガ

内山氏の最高傑作は学研まんがひみつシリーズ「できる・できないのひみつ」か「コロ助の科学質問箱」か、悩むところであるが、どちらにしても非常に練り上げられた面白さだ。
彼は現場取材も何度も行っていて「私の場合は、マンガは手でなく足でかく」とひそやかに誇っている。

緊急地震速報始まる。内山安二の夢が実現。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20071001/p2

本日から、緊急地震速報が始まります。
何の運命か、本日未明に箱根で震度5地震があったようだが、現在の報道では被害は軽微だそうで何より。
いや、実はこの話は前から書いておきたかったんだが、開始日になってしまった。
というのは、この技術の原理、発想というのは本当にずっと前から出ていた。
原理はご存知ですよね?
つまり地震にはP波という、小さな初期微動を起こす地震波と、S波という本格的な揺れを起こすS波があり、P波はS波より早く到着する。だからp波の段階で準備をすれば、直下型地震はともかく、大きな揺れまでのタイムラグを有効に使える・・・

実はこれ、私に多大な教養・知識の基盤を与えてくれた啓蒙家・故内山安ニさんの傑作
「できる・できないのひみつ」で既に取り上げられていた考え方なのだ。
こういう本。
http://arch-type.net/Himitsu/review/rev019.html

できる?できない?
やっ太、デキッコナイス、けつろんおしょう達が、「日本に百階建てのビルを 建てられるか?」「新幹線より速くてそう音の出ない列車はできるか?」などの 様々なテーマについて、話し合ったり試行錯誤したり殴り合ったりながら 考察・実験する。


この中で「地震は予知できるか?」というコーナーがあって「いろいろあって難しいけど」…という結論になったのだが、実現可能性という点で、このP−Sの時間差を利用した十数秒の”予知”技術を紹介していた。


同書の旧版は1976年3月10日に発行されたという。
31年たって、やっとここまで実現したということか。
栄光なき天才たち」で、最初に宇宙ロケットを構想したツィオコルフスキーを、ソ連科学アカデミーが十数年たって迎えにあがった時のあのせりふを、天国の内山さんに贈りたい。
人類は、ようやくあなたに追い付きました。」

栄光なき天才たち 宇宙を夢みた人々 (講談社漫画文庫)

栄光なき天才たち 宇宙を夢みた人々 (講談社漫画文庫)

内山科学漫画のすごさはこれまでにも折に触れて紹介していたが、今回この期間にあらためて書いてみた。

AAであるエピソードを紹介しているスレッドも紹介しよう。
http://monadowa.s14.xrea.com/dowa5/dekiru-dekinai.htm

名前:TM 投稿日:2001/05/27(日) 22:50
   r- 、 r-、        ∩ ∩  _∧⌒∧_ <デギッコナイス>
   〈  V_ 〉       し' し'、 ε゚Д゚ 3ヽ なにかというとすぐに
   ノ   ノ         \\\__ri__i `_ノ ”できっこないす”というへんな外人
 (Y´ハ`ヽノ           ゝ_   ヽソ
 (´∀` )               ̄ ̄
  し' し'                    ∧ ∧
<やっ太>                   (・∀・ ) <にゃん太>
なんでもやってみないと           ⊃ _∩⊂
気がすまない                 (´o_o`)
                         i'|/l| ''' |lヽ 物知りの
  」'´ハ`ヽ  <アララちゃん>     ( 5ノh==イ、 <けつろんおしょう>
 ‘イ ・∀・j、  やっ太の           く  ,、  〉
 ⊂ノ ゚='゚ 'ヽっガールフレンド        {ヨ' `{ヨ,
   7   K'           ∧_∧
   '`ヽ^ヽ`ー0         (´(。。)` ) <ブウドン>
     \_0´        ⊂     つ
                  ゝ    ソ`つ
                   `し' ̄`ー


175 名前:TM 投稿日:2001/05/27(日) 22:51
 日 本 に 百 階 建 て の
 ビ ル を 建 て ら れ る か ?

「自由・平等・”博愛”」というフランスの理念の”誤訳”、どこまで生き残ってるの?【日曜民俗学】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20151122/p2


ぼくはこの「自由、平等、博愛」という和訳スローガンを、内山安二先生の「世界の国ぐに びっくり旅行」で知りました。
”博愛”の象徴として、ブタが子ブタに、焼き芋をわけてあげる絵がついていたはず(笑)

世界の国ぐにびっくり旅行 (学研まんがひみつシリーズ 23)

世界の国ぐにびっくり旅行 (学研まんがひみつシリーズ 23)

リニア路線決まる、の報に「できる・できないのひみつ」を思い出す。あるいは”知の巨人”内山安二序説。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130919/p3

ぼくはリニアモーターカーに、平均の日本国民以上にすごく詳しい。
なぜ詳しいかというと、この本を
かつて読んだからだ。

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

日本に百階建てのビルは建てられるか? 天気を変えることができるか? 地震は予知できるか? など、様々な「できる・できない」について考えます。また、ライト兄弟リンドバーグ白瀬矗など、限界に挑戦した人々も紹介します。

ここに、リニアモーターカーの…、おっと、このブログを引用しよう。

http://d.hatena.ne.jp/TakahashiMasaki/20090508/1242300707
できる?できない?
やっ太、デキッコナイス、けつろんおしょう達が、「日本に百階建てのビルを 建てられるか?」「新幹線より速くてそう音の出ない列車はできるか?」などの 様々なテーマについて、話し合ったり試行錯誤したり殴り合ったりながら(ww) 考察・実験する。

やっ太。
デキッコナイス。
けつろんおしょう。

ついでにぶたとねことねずみ。
書くだけで、なつかしさに涙こぼるる。
結構、きれいにオチをつけることも忘れていなかった。(というか、オチはかなり上手い)

なんで「じしゃくで九州へいけた」のか…

…「ブクらもやっ太の手伝いをしよう。」「まず、じしゃく集めだ。」 「ブワッ?」
(背負っていた磁石がトラックにくっついてしまうブウドン)
(九州行きのトラックにくっついたまま運ばれてしまうブウドン)
「わあい、ブウドンがじしゃくで九州に行っちゃったあ。」(にゃん太)
「えっ! もう、リニア・モーターカーができたのかい。」(おしょう)


しかし、内山氏のツボを抑えた解説漫画によって、そのへんの大衆どもに(えらそう)、リニアモーターカーはなんで前にすすんで、それがどのように有利だったり不利だったりするかはひとくさりほど今でもレクチャーできる。


自分はいつか書きたいと思って資料もそれなりに集めているんだけど、「 内山安二 」という男は、まさに掛け値なし、煽りなしに戦後の「知の巨人」の一人であり、彼が切り開いた道、そして導いた子供たちの数は…
本来なら
「評伝・内山安二
内山安二記念館」
内山安二・科学漫画賞」(第1回受賞者・あさりよしとお)【…とかいたけど、後述するように本格的な第1回受賞作は別作品。あさりさんは「第0回」受賞で(笑)】
などが、既に存在していて当然なのであったが、なぜか現実のほうが間違っていて、この巨人に正当な賞賛が与えられていない。

この件はもう少し、詳しく、準備してから書きたいと思っていたが…、リニアモーターカーの路線決定というニュースに接して、生煮えながら第一弾として走り書きさせてもらった。

ちなみに「できる・できないのひみつ」後半の英雄列伝にでてくるハイエルダール=コンチキ号の航海記、

まもなく(※2013年当時)映画になって日本公開されますな。
 http://kontiki.blog.fc2.com/


ああ、けっこう以前にかいていたのを集めたら、言いたいことはほぼ言い尽くせた(笑)。
今回は画像を加えるのと、あとはちょっと貴重なこの資料を紹介しよう……


「コミックGON」第二号に、貴重な内山先生自身の『学研ひみつシリーズのひみつ』という回想漫画があったのだ。

知られている人には知られている名作だ。

かなり多めに画像貼るぜ。
例によって、画像が不鮮明と感じる人は一度クリックして「オリジナルサイズを表示」で見てください。

「足で描く」「命がけで描いてる」「取材で日本中を回った」とさらっと断言できるすごさ…

「まず勉強して描いてる」「足でかいてる」「命がけ」なんて、ブログでも文章でも漫画でもおよそ何かを創作している人の、、言えたらカッコイイ台詞のそのままベスト3だ。もちろん、神経をすり減らして、消耗して(ついでに睡眠時間を削って)、という意味の”命がけ”なら多くの漫画家が体験しているのだろうが「北海道の原野で、牛がしょっちゅう行方不明になる自然の底なし沼『谷地眼』に落ちる恐怖を味わった」という意味の命がけとはまた種類が違うだろうよ(笑)。
それに〆切りの恐怖のほうも、内山先生はたっぷり体験している。


ちなみに谷地まなこの脅威は、「釣りキチ三平 イトウの原野」でも語られている。



「山でぶたを放し飼い」というこの予言?が、いまのベストセラー「銀の匙」にもつながる。


モグラ牧場」のオチも秀逸だが、その前の「ぶたを放牧すると、雑木雑草が生い茂る山を歩き回って綺麗に食べつくしてくれる。この豚がまた格別おいしい」という記事を読んで「へーそうなんだー、食べてみたいなー」と思い、記憶のフォルダにほおり込んだら…ある意味で内山漫画のDNAも取り込んでいるんじゃないか?と思わせる荒川弘の農業高校漫画「百姓貴族」で、「豚の山中放牧」が登場し、感慨深かったわけです。


日本で猟師になる人は多いのに「遊牧民になる」人はいないね(当たり前だ) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150619/p3

ただ、もぐら牧場って今でも続いているのかね(笑)。実のところ、内山漫画には「まもなくXXXXが実用化、普及するはずだ!!」と煽っておきながら、そうならなかったものもたくさんある。CDを「針の要らないレコード」といち早く紹介したあとは首尾よく普及したが
「セラミックエンジン」
「海中から直接酸素を取り込む水中エラ」
は、残念ながら実用化の壁をこえられませんでしたな(笑)



内山先生も「スターシステム」を採用している(のか?)

 
懐かしい面々…「やっ太」と「コロ助」は、あれほどの好奇心と行動力と積極性があったのだから、間違いなく起業しているだろうね。そして億万長者になるか、破産するかは運しだいだが…


作品集から、魅惑の名場面


社会学的問題にも目配りするすごさ!!!
 
  
このへんって、中学・高校の知識じゃん。小学校のガキ(俺)が、先回りしてこれを知っちゃって、理科の時間にトクトクとしゃべっちゃうんだよね(笑)。
あれ、オトナになって思うと、けっこうな授業妨害でしたね、すいません(笑)。
そして「絶対零度の壁は論理的に破れない」と思いきや…またもや人類は、内山安二に追いついた???

【速報】 ドイツが 「絶対零度以下の物質」 生成に成功! - まとめたニュース http://matometanews.com/archives/1597566.html

その解説

絶対零度」よりさらに低温を作れる…って、知ってましたかみなさん。それを「負の温度」といふ。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160709/p3



この前拡張工事が終わったパナマ運河。こういう仕組みであること、社会人の皆さんはご存知であったか。


内山安二先生のライフヒストリーと作品、広大なネットでもあまり情報は多くない。

wikipedia:内山安二]の経歴は、新知識も多いが、ちょっと物足りないな、という気もする。コミックゴンの記述も参考に書き足すか……
作品リストも、詳しいようでくわしくない。ぼくが「CD」を知ったあの作品はなんだったんだろう??

というか、ウィキペディアより詳しいのは
http://www25.atpages.jp/takeforce179/himituseries/himitutop.html

http://www25.atpages.jp/takeforce179/himituseries/utiyamayasuji.html

だ。なんとも懐かしいつくりの「ホームページ」だが、内容は実に充実。僕が読んだことない作品も多数紹介されている。


内山安二先生の著作は、単行本になってないものが多数のはず。どうにかして世にでないものか。

コロ助」「できるできない」「びっくり旅行」などの作品は、単行本として長く読まれ、いまでも刊行されている?ようだけど、私の知る限り「〇年の学習」「〇年の科学」にも毎号連載していた。
上に挙げたように「セラミックエンジン」や「針の要らないレコード=CD」の登場前夜に紹介記事をかいていたので、そういう時事的な漫画もいまは同時代の資料としてすごく貴重だ。しかしその一方で「穴あき算」をドラマ仕立てで子供たちにやらせる…つまり算数のような、何十年でもその作品を、新しい世代に読ませて一向に問題ないような作品も多数あるのだ。
あれが「眠って」いるのは、本当に解せない
アマゾンkindle、honto、マンガ図書館Z…、Kobo復刊ドットコム……どこでもいいので、電子書籍なり復刊なりを仕掛けている会社は、なぜに内山安二の啓蒙漫画を発掘しないんだ、と思い続けている。



そして第一回「内山安二啓蒙マンガ賞」が決定!! 蛇蔵作「決してマネしないでください」が受賞!!!(俺の心のなかで)

ぱち
ぱち
ぱち。

この話も何度も、過去の記事で描いたが、マンガのすべてではないが、確実に重要な一部を占める「分かりやすく、知識や情報を伝える」という部分…(「啓蒙マンガ」という言い方は決して十分なものではないと自覚しているが、そこはちょっと目をつぶってください。)そのジャンルにおいて「内山安二賞」というのは、あるべきではないかと思ってきた。
しかし思っているだけでも、一歩もリアル社会では実現しない。
そこでバーチャルに、俺の心の中で「内山安二啓蒙マンガ賞」を創設したのであります。もちろん遺族にも出版社にもだれの許可もとっていない(爆笑)、僭称だ。
しかし「うちが本当にその賞をやるから、その僭称をやめろ!!!」といわれない限り、退く気もあまりない(本当に法的に怒られたら降伏するしかないが)。



そして、内山安二作品のように取材、勉強、ユーモア、ストーリーテリング……を兼ね備えた「啓蒙マンガ」で、栄えある第一回受賞作は…
蛇蔵「決してマネしないでください」(全三巻)に決定しました。

日本人の知らない日本語』の蛇蔵による、週刊コミック誌「モーニング」連載の「大人が読める学習マンガ」!! 理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる。例えば、「スタントマンが燃えても平気な理由を検証する」「切れた蛍光灯をともす」「フライドチキンで骨格標本を作る」「2月が28日しかない理由を調べる」などなど。描き下ろし盛りだくさんの第1巻!!

日本人の知らない日本語』の蛇蔵による、週刊コミック誌「モーニング」連載の「大人が読める学習マンガ」!! 理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる。例えば、「ハードディスクのデータを完全に消去する」「安いワインを○○○○で高級風にする」「『1メートルの長さ』がどうやって決まったのか調べる」などなど。描き下ろし盛りだくさんの第2巻!!
 日本人の知らない日本語』の蛇蔵による、週刊コミック誌「モーニング」連載の「大人が読める学習マンガ」!! 理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる。例えば、「身近なもので指紋を採取する」「ねじ山がつぶれたねじを簡単に回す」などなど。ノーベル賞受賞で話題の「加速器」や「ニュートリノ」も易しく解説。描き下ろし盛りだくさんで堂々完結の第3巻!!

当ブログでは、

今年は「消毒の父」ゼンメルワイス没150年。大発見が報われなかった悲劇の医師に花束を。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150331/p1

のときに、ちょっと詳しく紹介させていただきました。


百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

【フルカラー特装版】超訳百人一首 うた恋い。

【フルカラー特装版】超訳百人一首 うた恋い。

はたらく細胞(1) (シリウスKC)

はたらく細胞(1) (シリウスKC)

などの候補作もあったのですが、それらのなかから選ばれました。
(※バーチャルだからどんな大物作家も勝手に候補にして、勝手に落選させられる。おそれおおいがたのしーなー)


おめでとうございます。
怒られない限り、来年もまた、内山安二賞を選考していきたいと思います。




学習漫画の裏話(「うおりゃー!大橋」さんのツイート)

漫画家の「うおりゃー!大橋」先生による「学習漫画」の「原作と作画の分担」に関する話 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/698447

というtogetterを、メモ代わりに。