INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

1995年の朝日新聞社説の一節「大人の合憲、違憲論争を」が興味深かった。

青島幸男氏が東京都知事時代「自衛隊違憲」「だが災害時は出動要請を行う」というような答弁を都議会でした…という話を探していたら、これに当たった、
日本財団が、新聞社説を許可を得て?転載しているらしい。
1995年、朝日新聞
自衛隊を国土防衛隊に縮小する』
『国連平和維持活動(PKO)への参加や人道的救援、災害救助のために「平和支援隊」を創設』
と提言。その反響を受けて書かれた社説のようだ。


1995/05/22 朝日新聞朝刊
やはり非軍事が潮流だ 再論「国際協力と憲法」(社説)
という社説の一部、最後の部分を引用する。

https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/01252/contents/073.htm

大人の合、違憲論争を

 最後に、「許される自衛力の限度があいまいで、自衛隊の合憲、違憲の境界が不明確だ」という批判にも触れておきたい。
 合憲か、違憲かという論争は、もともと自衛隊問題に限らず、一つの政治的主張の表明であって、その境界はふつう、だれにとっても一義的に明確なものではない
 無論、最高裁が合憲、違憲の基準を示して明確な判断を示せば、それが一応の結論となるが、その後でも、判断を変えよと主張することは可能だし、意味もある。つまり、国民の間に憲法論争があり、それが裁判所の判断や政策形成に反映されていくこと自体に価値があるのだ。
 さらに、わが国では、合憲、違憲の問題がとかく「認める」「認めない」といった不毛な対立にすりかえられる傾向がある。自衛隊に関して「合憲」といわないのは非現実的だ、といわんばかりの言説もはびこっている。政府の解釈に立ったところで、「必要最小限度」の「自衛力」を超えれば違憲になるはずなのに、である。
 つい最近、東京都議会で「自衛隊違憲だと考える」と答弁した青島幸男新知事が、自民、新進の議員らに「違憲といいながら、災害の時は助けてくれでは、虫のいい話じゃないか」と追及された。
 現実の行政や社会の仕組みは個々の法律で動いていることを無視した、おとなげない議論である。国の道しるべである憲法をめぐる議会の論争が、いやがらせのレベルにとどまっているのは何とも情けない。
 上滑りを避け、現実を見据えた憲法論争を。今回の社説特集で私たちはそう考え、国際協力に生かす方策を探った。今後も折にふれ、検討を重ねるつもりである。