ブクマにて紹介したいリンクや画像を、そこに書くと字数がオーバーしちゃうので、ここをターミナルに。
戦艦大和が敵として登場する「PSO2」が「反日ゲーム」と非難され、公式が釈明するまで - 法華狼の日記 (id:hokke-ookami) http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20160303/1457029878
という記事がたいそう面白かった。
「菊の紋章」がある戦艦が、フィクションの中で破壊されるのはけしくりからん、と一部の人が反発しているという話だが、これに対してはひと言で言うと
「あなたが『神聖』だと考え保護したい対象が、別の人にとってもそうであるとは限らない。それは『尊重されることもある』が、『常に尊重されるのが当然』ではない」ということでまとめられるのではないか。
あちらでも「一言で切りすててもいいような難癖」としているが、似ているのが(というか、一部はほぼ同じ構造なのが)以下に示した類似話。
ソニーの「教会で銃撃戦ゲーム」問題、国会へ。ブレア首相が答弁
http://japanese.engadget.com/2007/06/13/sony-vs-anglican-church/
「英国国教会、ソニーの殺戮ゲームに激怒。法的措置も辞さず」の続報。マンチェスター大聖堂の内部がプレイステーション3用の銃撃戦ゲーム「レジスタンス」に使用され、ただでさえ若者の銃犯罪に神経を尖らせている教会側が激怒、対するソニー側はあくまで架空のゲームであり、射殺されるのは怪物(と人間)と反論していた問題ですが、英国ではついに国会で取りあげられるまでに発展したようです。
世界のSEGAにヒンドゥー教聖職者がブチ切れ! 3DS『真・女神転生IV』で神クリシュナを冒涜するとは何事だ!!:ユルクヤル、外国人から見た世界
http://yurukuyaru.com/archives/54106741.html
クリシュナはヒンドゥー教ではヴィシュヌ神の化身として崇高な存在なのだが、アトラス開発の『真・女神転生IV FINAL』では魔神として登場する。
『真・女神転生IV FINAL』魔神クリシュナにヒンドゥー教が怒りに関連した画像-02
「崇高なヒンドゥー教の神への冒涜だ」とZed氏。かぶっている帽子は「ギャングを想起させる」ものであり、さらにジャケットにスカーフ姿の出で立ち。肌の色も茶褐色と本来の青色とはまるで違うため「許容できない」と言う。
日本版「西遊記」に反発/中国、文化ギャップ鮮明
http://www.shikoku-np.co.jp/national/culture_entertainment/print.aspx?id=20061205000423
2006/12/05 19:30
【北京5日共同】日本の人気テレビドラマ「西遊記」(フジテレビ系)をめぐり、原作を生んだ中国で「キャラクターやストーリーが原作を逸脱している。中国文化への侮辱だ」と反発する声がメディアやインターネットで広まっている。
本来は男性の三蔵法師を女優の深津絵里さんが演じたことなどに対して「日本人による文化の改ざんを許さない」との批判が目立つ。SMAPの香取慎吾さんが孫悟空を演じて高視聴率を獲得したドラマだが、古典の脚色をめぐる文化的なギャップが表面化している。
ドラマが映画化されるとの情報が反発に拍車を掛け、中国で孫悟空役として知られる著名俳優が国内紙の取材に「民族が誇る古典が踏みにじられた」と嘆いた。
米女性漫画家、命狙われ姿隠す イスラム風刺で“死刑宣告”
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091701000360.html
【ロサンゼルス共同】言論の自由を主張してイスラム教預言者ムハンマドの風刺画投稿を呼び掛け、過激なイスラム指導者から“死刑宣告”を受けた米西部シアトルの女性漫画家モリー・ノリス氏が米連邦捜査局(FBI)の助言を受けて姿を隠していることが16日までに分かった。今後、名前や住所地を変えて生活するという。
同氏の漫画を掲載していた週刊紙シアトル・ウイークリーが明らかにした。
AP通信などによると、同氏は4月、クマの縫いぐるみを着たムハンマドを登場させたアニメ番組「サウスパーク」の制作者がイスラム系サイトで脅迫されたことを受け、インターネットで、自身の漫画を添えて5月20日を「みんなでムハンマドを描く日」にすることを提案した。
これに対し、昨年12月の米デルタ機爆破未遂事件で起訴された被告に犯行指示を出した疑いなどが持たれている米国出身のイスラム指導者アンワル・アウラキ師が同氏を「主要な標的」として、処刑を呼び掛けていた。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20100430
WAHAHA本舗
https://ja.wikipedia.org/wiki/WAHAHA%E6%9C%AC%E8%88%97
1994年、元日夜に放送された『北野武政界進出宣言!?ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ)の中で、梅垣義明を筆頭にメンバー9人が金粉を全身に塗り、コテカと半纏をまとい、腰を振って踊りながら「イヨマンテの夜」を歌った。その表現に対し、アイヌ民族の団体「レラの会」等が、差別的であるとして日本テレビ本社へ抗議に訪れた[1]。
上映禁止も!映画での侮辱に激怒!イランがハリウッドに謝罪求める
http://www.cinematoday.jp/page/N0017167
イランの高官が、ハリウッド映画の中にイランを侮辱する表現があるとして、アメリカに謝罪を求めている。ミッキー・ローク主演の『レスラー』では、イランの旗でミッキー・ローク演じるプロレスラーの首をしめようとする「ジ・アヤトラー(イスラム教シーア派の指導者の尊称)」というレスラーが登場することから、イラン国内では上映禁止となった。
金正恩氏暗殺の米映画、北朝鮮がオバマ氏に抗議書簡
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303768704580034841269981882
北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺を題材にした米コメディー映画「ザ・インタビュー(The Interview)」の公開を10月に控え、北朝鮮はどこまで無料の宣伝をしてあげるつもりだろうか。この映画に反発する北朝鮮のキャンペーンがエスカレートしている。米政府が運営する放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、北朝鮮は最近、オバマ大統領のオフィスに書簡を送って抗議したという。
世に「難癖」(?)はつきまじ……
ただまあ、「画数がよくない」でも「夢にお稲荷様が現れて、これの公開を中止させよと命じた」でもなんでも、抗議や批判(≒難癖)自体は、これまた禁止するわけにもいかぬ。あまりにばかばかしい批判はされたほうが無視したり、第三者がその批判をまた批判したりすることに期待する、ということでもあろう。
ただし「是非はともかく『議論』自体を避けたい」という理由によって、本来突き詰めていけば中止や撤回の必要がないものが消えていく、こともあったりしてこれが厄介だ。(リンク先の後半にあった「旭日旗」を出さない話は、素直に読めば、この「議論を避ける」、というものだと表明されているね。「繊細な議論を引き起こす意匠については排除する」。前半の「最終的に、ご意見をいただいた皆さんのお言葉を真摯に受け止め、ゲームをよりたくさんの方に楽しく遊んでいただくため…変更する」も、推測ではあるが、ある意味これっぽいな)
これらの問題を受け、た当方の過去の考察記事
「神聖な存在を、フィクションで冒涜してる!」の抗議文、テンプレ作ったので自由にどうぞ。次は「聖☆…」「ヘルシ…」「ヤマタ…」「孔雀…」??? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160207/p4
その他
「神聖」なものを全部(法的に)保護すれば平和は来るが、その方向性でいいすか? http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100922/p3
徳川家康を風刺、揶揄、批判するような表現は一切すべきでない(宗教的存在だから) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150112/p2
「ムハンマドの偶像禁止」は、豚食や飲酒と同様に「ムスリム内」で適用すべき禁忌じゃないの?非信者も従うべきなの? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150116/p2
ほかにも記憶を掘り起こせば関連記事はいろいろあるはずなんだが、長いことかいてるので、このテーマでどこに何を書いたかいまいち覚えきれてない(笑)
さて、そのドサクサ紛れに、傑作「ヤマタイカ」を紹介。だが……ちょっと「不都合な真実」も書くよ。
で、リンク先の法華狼さんはさらりと伝奇SF漫画「ヤマタイカ」を紹介している。
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自分もこの作品、何度も紹介しているんだけど、なにしろ発表された場所がややメジャー雑誌とは言いがたい、1990年代の「コミックトム」なので、まだまだそのクオリティに見合った読者数がいない、というふうに思っている。
便乗して、これを紹介しよう。
ちなみに先方のブログでは「ヤマタイカ」の中の、浮上したヤマトと自衛隊との戦いを紹介している。けど、実は自衛隊とも確かに戦ってるのだが、主敵となるのはむしろ米軍で、浮上したヤマトは沖縄の基地や戦艦ニュージャージーをぼこぼこにするんだ(笑)。
排外、攘夷的なナショナリズム(あるいは「反米意識」)や軍事趣味をこういう形でもエンターテインメントでも鼓舞しえるのか、と驚かされる、傑作のゆえんのひとつだ。
そして、その一方でナショナリズムも「縄文vs弥生」という、事実かどうかはわからない概念を敢えて持ち出すことによって現実的な意味でのナショナリズムとはやや離れた(無効化している、といってもいいかもしれない)構図を描き出し、また琉球もからめて…、最後はついに、ナショナリズムとはある意味正反対のところにあるかもしれないアナーキーな騒乱や熱狂までも、渾然一体のものとして描いている。こんな離れ業、星野之宣しかできない。
ただ……。この作品は、「ポリコレ」的にはひじょーにヤバいかもしれない、一場面がある。
これ、今まで黙ってたんだけど、今回言っちゃうね(笑)。
それは……
いまでも多くの人が祈りの対象としている宗教的存在、神聖な存在である…どこからどう見ても「東大寺」の「奈良の大仏」が、悪役の呪術で殺人マシーンと化す…という、なかなか宗教的、ポリコレ的にヤバイ場面があるんだわー。
自分はこれが市場から消えることを心配するあまり、2セット持っていたりする(笑)。
だがねえ、このポリティカルコレクトに大いに反するかもしれねー場面が、美的には、エンターテインメントとしては大変な名場面なんだ!!
みてみ!!!
こ…ことここに至っては、
最後の呪法
不動明王呪あるのみ!!大日如来が憤怒の変身を遂げた
教令輪身こそが
不動明王!!大火焔を背負う火の神!!
大空阿闍梨の憤怒もて いでよ不動明王!
仏敵に
今こそ
鉄槌を!!!
多くの人が今なお敬愛し、祈りの対象とする宗教的存在(歴史的存在)を、SFのセンス・オブ・ワンダーによって、悪役の武器と化す光景を描く。
それでも、いやそれゆえにか?、この場面はより美しく、血沸き肉踊るスペクタクルになっている、のではないだろうか。
これもしょっちゅう引用するが、この「ワールド・イズ・マイン」を「ヤマタイカ」と変えても、そのまま通用するだろう。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100322/p3
(「ザ・ワールド・イズ・マイン」は)ある意味けしからんマンガなわけですよ。そういうものをどう考えるかっていうときにね、ふつう言論の自由とか表現の自由なんて言うけど、俺ね、そういうバカなこと言いたくないから(笑)、いつもね俺、本居宣長のこういうのを引用するのね(笑)。
本居宣長の歌論、文化論ですね、うた論。
(歌の中には)
政のたすけとなる歌もあるべし、
身のいましめとなる歌もあるべし、
また国家の害ともなるべし、
身のわざわいともなるべし
って言ってるんだよね。で、そういうものがあっても人間の真実が描かれているものは芸術であり文化であるって、本居宣長が言ってるんだよね。
呉智英(談)
「大仏のシーン」が問題視される前に、「ヤマタイカ」は買って手元に置いとけ!!!!
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大仏が云々の前に、市場原理で消えてしまってないだろうな…??(2014年に新しい版が出ているようなので、当分は大丈夫っぽい)
まあ、どっちにしても、ここは不安を煽って、みなが購入するようにしよっと。
これもまた、このブログではおなじみのネタだが、「ヘルシング」や「ドリフターズ」も、「問題視される前に手元に置いとけ」というキャッチコピーでセールスできる気がする。
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