クラシック音楽「ボレロ」の著作権が5月1日に消滅 今後、使用料は発生せず #ldnews http://news.livedoor.com/article/detail/11476144/
これにまつわる特殊事情は
ラヴェルのボレロと戦時加算 http://d.hatena.ne.jp/kamezo/20160502/1462162663
で解説されていて、実に興味深い。
で、ぼくはなぜか「ボレロはクラシックとして扱われているけど、作者はけっこう近代の人なので著作権が続いている」というのを知ってました。
なぜ知っているかというと…
ここでちょっと寄り道をしましょう。
#銀英伝OVAの魅力を後世に伝える まとめ - Togetterまとめ http://togetter.com/li/969741
あたくしはアニメそのものにはいつもながら知識が欠けているが、そこのコメント欄にこう書いた。
昔からのファンは逆に読み逃してるかもですが、原作が創元SF文庫に収録時、6巻の解説がこのアニメ化を手掛けたプロデューサーの「銀英伝アニメ創作秘話」だったんです。http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080219/p3 にて、あまりに面白かったのでちょっと要約を書きました。
「銀河英雄伝説」文庫6巻解説で、プロデューサーが「銀英伝をアニメ化することの苦労」を語る。 - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080219/p3
- 作者: 田中芳樹,星野之宣
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/12/23
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
このなかで紹介されている騒動のひとつが
作品世界に合っているし、著作権料を節約する目論見もあって、クラシックを多用した。だが、ある戦争シーンで使用した「ボレロ」が当時は?著作権が存続していることが分かって慌てた。使用はやめようかとも思ったが、もうそのリズムとテンポで作画しちゃってたので、費用を何とかひねり出した。
というものなんです。プロでもこういうことってあるんですね。
そしてそもそも、クラシック音楽の使用は「製作費(著作権料)の節約目的だった」という……(笑)
しかし、いまや逆に、「銀英伝アニメでクラシックが好きになった」という人もたくさんいるそうで、クラシック業界は足を向けて寝られませんな。
しかし、本当に創元SF文庫6巻解説の「銀英伝アニメ創作秘話」は面白い裏話ばっかり。
というか自分は、これを読むまで「原作があれば、それをふつーにアニメにすればいいんでしょ。変えるのは趣味かなんかでしょ」ぐらいに思っていたので、アニメにするというのはこういう苦労があるのかあ、というのを具体的に知って目から鱗でしたね。
「卿(けい)なんて、音だと意味わからないんじゃないか?どうする?」
「オーベルシュタインの謀略って動きがない!オリキャラで忍者的な実行部隊の部下を…」
「制服の黒をどう表現する?」
これは原作への「追加」だが
「グリーンヒルはなぜ叛乱を起こしたか?を書くべし。そのまんまじゃ騙されただけの馬鹿に見える」
「ラインハルトが、ヴェスターラント虐殺(貴族軍の自領地叛乱への核攻撃)を見殺しにした場面、そのままじゃちょっとイメージ悪すぎるからフォロー入れてほしい」
などのところを「正史」を変えずに、補足するというミッションに乗り出し…
まあ、そのへんの詳細は上の過去記事をお読みください。
今回、ボレロに関連して、これをちゃんと原文に忠実に引用しようと思ったのですが、自分の本棚にあったのは「徳間文庫」版でした(笑)