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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「力」!「自衛」!「武装」!…ふたつの、はてブで話題のことばから

トランプ氏、仏民間人が銃持っていれば「事態は違っていたかも」 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News http://www.afpbb.com/articles/-/3066723 @afpbbcomさんから
  
【11月15日 AFP】2016年米大統領選挙の共和党の候補者指名を争うドナルド・トランプDonald Trump)氏(69)は……(略)仏パリでの事件の犠牲者に黙とうをささげた後、「パリの場合、世界で最も厳しい銃規制が課せられており、悪人を除いては誰も銃を所持していない」と述べた。

 護身のために時折、銃を携帯すると認めているトランプ氏は、「(被害者ら民間人は)誰も銃を所持していなかった。容疑者たちは被害者たちの一人ずつに向けて発砲…(略)警官隊が…(略)最後にはテロリストたちを射殺した」と話した。

 さらに同氏は「私は言いたい。言いたいことを言っていいんだ。もし人々(=被害者ら市民)が銃を所持していれば、銃の所持が認められていたならば、事態は全く違っていただろう」と述べた。

 トランプ氏はまた、米シカゴ(Chicago)のように、厳格な銃規制を課している米国の都市では、結果として犯罪率が高いとの見解を示した。

国広系攻撃手まみみ @m_akasya
https://twitter.com/m_akasya/status/123385314050969600

「学校を出るときに適当な石を拾っておきなさい。何事もなく家についたら捨てればいいんだから」#教師に言われた衝撃的な言葉 高校の周囲で痴漢被害が続発したときの担任(ベテラン女性)のお言葉。「自分より弱い存在を狙う者に容赦はいりません」先生、貴女の教えは今も心に残ってます。

ふたつをまとめて紹介したのは、同一のカテゴリーに属する言葉だからです。
それに賛同するも反対するもいろいろあろうが、
これ、明々白々。
反対する人などどこにもいない。
はてなブックマークが生んだ、偶然の知、偶然の妙というべきか。


力、自衛、武装への信奉をうたった、イデオロギーとして、2人のような立場があることはメモしておいたほうがいい。

その妙に感じ入るだけで、本来は充分だし、文章としても粋なのだが、そこはいつもごてごてと資料を埋め込む当方の悪い癖だ。ここから連想するもろもろを追加しよう。

「サミュエル・コルト(拳銃「コルト」の産みの親)のための墓碑銘」

今回、上のふたつの言葉を聞いて、まっさきに思い出したのはこれだ。

短い記事だから、いっそ全部転載するわ。

「武器によって、強者と弱者(例えば男女)は平等になる」という、とある信念 - 見えない道場本舗 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131109/p4

戦いに関する名言・格言・発言 ‏@Meigen_in_Fight
神は男を作りました。更に神は女を作りました。そしてサミュエル・コルトは彼らを平等にしました。- 不詳:サミュエル・コルトはリボルバー拳銃を普及させたことでよく知られている
https://twitter.com/Meigen_in_Fight/status/394936237527543808

「武器は、(物理的な)弱者にもたらされた抵抗の手段でもある」という逆説的視点は、自分は小松左京の…なんだったけかな、宇宙人が母星に地球の歴史をレポートする、という形式のSFで読んだのだった。原始時代、それまではずっと支配階級だった「でかくて強い男」がはじめて、石器のナイフか握られた石か何かで「ひょろい小男」に殺され、それが世界最初の”革命”だったという・・・

そして司馬遼太郎ベトナム戦争を観察した「人間の集団について」で、戦後の半植民地闘争を「支配されていた民族が第二次世界大戦を見て『武器の前の平等』(近代兵器で攻撃されれば白人だろうとやられる)に目覚めたから」と語っていた。

人間の集団について―ベトナムから考える (中公文庫)

人間の集団について―ベトナムから考える (中公文庫)

コメント欄より

Poet 2013/11/09 09:12
武器が人間を平等化するという概念は、アメリカの西部開拓時代では普通の考え方だったみたいで、拳銃のことを俗語で"equalizer(平等化するもの)"と呼びますよね。
 
gryphon 2013/11/09 09:28
商品名「ピースメーカー」というのもありますね。さらにこの前、3Dプリンターで作れる銃の設計図を公開したリバタリアンは、まさにその銃を「リベレーター(解放者)」とつけていたかな?そんな思想のことも盛り込んだ考察をあとで書きたいです。

まことに残念なことに、自分がこの言葉を採集した「戦いに関する名言bot」は現在終了しているみたいだ。
https://twitter.com/Meigen_in_Fight/
自分がtwitterをそのまま反映させるはてな機能に気付かず、コピー形式で保存していたから残ったんだな…こういうことがあるから、反映機能には頼らないようにしよう。
閑話休題
こうやって転載すると…そのまんまだな(笑)これもまた、同一のカテゴリーだ。


3Dプリンターで誰でも作れる銃」の設計者を思い出そう!!

「3Dプリンター銃」、本当に怖いのは、実物以上に(アメリカの)開発者の”思想”だ…昨年の記事を再掲載。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140509/p2
テキサス大学院生のコーディ・ウィルソンさん(25)。国家が武力を規制することに強い疑問を持つといい、今回の銃製造を「抜本的な平等を得るための手段」と話す。



「政府が作ってほしくない物を作れることの証明だ。情報が自由に流通できるかが問われている」
「人は人を傷つけるが、それは社会の残酷な現実。それが他者の権利を奪う理由にはならない」
「そういう(反対論の)議論をする人々は、権利(武装権)を乱用して人に危害を加える可能性は、誰にでもあるという事実と向き合いたくないだけだ。危害を及ぼす可能性の有無にかかわらず、与えられている権利は守られるべきだというのが、我々の立場だ。さらに言えば、危害を受ける可能性があるからこそ、権利は保障されるべきだと思う」
(「世界で最も危険な15人」に選ばれたことについて)「買いかぶりすぎだと思うが、ほめ言葉として素直に受け止めたい」。

実はアメリカ内のニュース(FOXだよな…)は「銃があったので正当防衛できました」という話題を好んで流していて、トランプ的な主張も流通している、らしい。

アメリカ在住で、米国保守思想に共鳴してその情報や話題を日本語で紹介している「苺畑」ブログがある。
ここでのトピックは、日本に住んで、日本語の情報を読んでいると「そもそも入ってこない」トピックが多いので貴重なのだが、以前からトランプ的な意見のニュース、主張などを紹介していた。
ブログ内に「アメリカの銃規制」というカテゴリーを作ってくれているので、そこを遡ってみるといい。

http://biglizards.net/strawberryblog/archives/cat-266/

そのうちのいくつかは、統計的な議論も含んでいるので、正直にわかに信じがたいのだが、反論するにはそのためのデータも必要になってやっかいだ。
というか実際に、これは偽相関とか因果関係の逆転(たとえば「犯罪が多いので銃規制が実現した地域」と「銃規制が実現しても犯罪が多い地域」の混同)などが絡んでくるし、アメリカでは最高にホットトピックなのえ、実際に「ヤバい経済学」系列のさまざまな研究があったと思うが…

上のURLから、統計的な記事の表題をピックアップする。

April 17, 2007
銃が多いと犯罪が減る! ええほんとお〜?
April 19, 2007
銃が多いと犯罪が減る! その2
December 1, 2012
不思議!バージニア州、銃の売れ行きがあがるにつれ下がる銃犯罪
December 21, 2012
ナッシュ均衡を使ってアメリカの銃廃止の困難さを説明
銃を廃止すると犯罪が増える、事実を認められないCNNアンカー
December 28, 2012
シカゴ今年の500件目の殺人、厳しい銃規制があるのに何故?
January 10, 2013
全米ライフル協会、小学校乱射事件以来10万人の新会員加入
銃規制以来銃犯罪が急増している英国
March 16, 2014
フロリダ自衛法で一番守られているのは低所得黒人層
April 5, 2014
イリノイ州、市民の銃合法携帯で犯罪が激減!
October 3, 2015
またまた銃所持禁止地区で起きた乱射大量殺人事件、銃規制法が守れなかった9人の命
October 6, 2015
オーストラリアの銃取締法は効果があったのか?


でだ、興味深いのは、こういう統計的、政策的な議論のほかに、アメリカのローカル系のニュース、もしくはおそらくFOX系?のニュースでは「善良な市民が、銃によって悪人の犯罪行為に対抗することができました」というニュースがピックアップされているのだ。
これはイデオロギーとか政策の問題じゃなくて、そういう事例はそもそも「小さな事件」になるので、日本で報じられる意味がないから伝わってこない。
しかし「苺畑より」では奇特にもそういうトピックを翻訳して記録してくれている。駆け足で写す(URLは同じところ)

テキサス陸軍基地射殺事件、ガンマンに一人で立ち向かった婦人警官
イラク帰還兵、泥棒を拳銃で威嚇し駆けつけた警官に引き渡す
お手柄、66歳女性自宅に侵入した強盗を射殺!
銃による正当防衛二件、18歳の子持ち未亡人と二人の少年
71歳のご隠居さんインターネットカフェ強盗に発砲! 銃犯罪を語るなら銃での正当防衛も語るべき
宝石店女性店長65歳、武装した五人の強盗に発砲して店を守る!
アラバマ州、自分と娘二人を守って強盗に発砲した若い母親
とおりがかりの銃携帯者、殺人を食い止める
92歳の第二次世界大戦軍人、自宅に押し入った強盗を射殺
63歳の癌患者男性、ショットガンで強盗を取り押さえる
元消防士、自宅に侵入した強盗を射殺
留守番中の12歳の少女、強盗に発砲
ナイフを持った強盗、家主の .40口径小銃に遭遇
お母さんお手柄、強盗に発砲して双子の娘達の命を守る
若いお父さん、拳銃で赤ちゃんを守る
家畜用スタンガンでコンビニを襲った強盗、店員に発砲され遁走
15歳の少年、セミオートライフルで自分と妹の命を守る
薬剤師、強盗と撃ち合い、自分と母親の命を守る
オクラホマ州の主婦、ピストルで強盗を牽制
オクラホマとテキサス、この週末銃による正当防衛で阻止された犯罪四件
家主、家宅侵入武装四人組と撃ち合い、二人を射殺残る二人も指名手配
ウィークエンド正当防衛リポート
ウィークエンド正当防衛リポート
女性自宅に侵入した強盗に発砲、一部始終の会話を紹介

 
ずらっと並べると正直「なんちゅう国だよ」という印象のほうが先に立つな(笑)。
しかし、あれだけ銃がいきわたっている社会なら、確かに「銃によって正当防衛できました」という事例が一件も生まれない、ということは考えにくい。
ただ、やはりこれは差し引きの問題であって、どれだけ正当防衛が成立し、どれだけ犯罪が増えたのか、それが銃規制されていたらどう増えて、どう減ったのか……という議論をしなきゃいけない。
さらには、ちょっと冒頭の二つの言葉で、やや無理にでも違いを見るとしたら、「銃は流れ弾や兆弾、それ弾によって狙ったもの以外を用意に殺傷してしまいやすい」という武器の特性の問題もある。

それにそもそも……「悪人も銃を持つ。悪人が狙う善良な市民も銃を持っている。だから抑止力で犯罪が起きないか、或いは両方持ってないのと同じ程度の犯罪率」という社会モデルが仮に成立したとしても、そんな社会は個人的にイヤだよ、おれ(笑)。 ストレスがたまる社会になってまう。
そういう点では自分は国家主義であり、国家による個人、市民の統制を信じている、ともいえるだろう。
「自由より、幸福がいい」というやつだ。


コルトの話を逆の立場から。「強力な武器を禁ずれば、肉体的な強者がそのまま強者でいられる」⇒騎士道、武士道誕生(ボウガン、銃は卑怯)??

この話、こんど「銃とマンガ」で特集をしたいと思ってたんだけどね…ま、そのときはそのまま再論しよう。

百年戦争を舞台に、傭兵の活躍を描く「ホークウッド」5巻に印象的なシーンがある。



読めますかな?画像不鮮明で読めないひとのために、台詞を一部抜粋。
「騎士であることは特権である」
「支配階級である騎士たちは自らの特権を守るため 戦いの決まりごとを自分たちに都合の良いように定め 従わせた」
「かつて騎士たちは 弩を”あまりに無慈悲な武器”であるとして 教皇に訴え 禁止令を出させた」
「弩は(略)平民であっても騎士の命を奪うことができるということ…禁止令を出させたのは(略)真に怖れていたことの証左…」


ボウガンですら、こうなのだから、さらに時代が下り、「銃」が生まれたら…

と、やはり「銃は卑怯」となる。(この漫画「乙女戦争」の舞台はチェコ、「フス戦争」の時代)
このテーマを語っているとき、また自然に「ドリフターズ」のこのコマを貼ってしまって、ちょうどいいリンク集になっているのだけど(この画像をクリックすると、下が過去記事のリンクになる)


自分は、前近代社会の福祉政策や人道政策を見比べるのが好きで、すでに投石器の時代から「この武器は危険すぎる、やめようよ」…と自主規制した、という話も好きだった(投石器の自粛の話は小松左京「明日泥棒」で知った)。
ここでも「葵丘の盟」とかを紹介したよね。
孫引き

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150204/p1
当時の中国で紀元前651年夏に「葵丘の盟」という盟約が結ばれたそうだ。そこではいくつかの決め事をしたそうなのだが、その中に『防を曲げる無し』つまり堤防を破壊工作で決壊させないこと、というのがあるそうだ。
どんなに小さくて力のない国でも、相手の国の堤防を決壊させれば、相手の国を水浸しにして勝つことができる。しかし当然多くの人の命が失われる。作者はこれを現代の核兵器と同じだったと言っている。

そこから生まれた武士道、騎士道は、またさらに国際人道法、戦争の法にもつながっていったと思っている。

人類の叡智としての「戦争法」(dragoner) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/dragoner/20151027-00048183/

だけれども、この「ホークウッド」にあったように「最新兵器を使われると困る旧軍事勢力が、その兵器を『卑怯!』『非人道!』と言い立て、道徳的、宗教的に規制し、その軍事的優位を維持しようとした」という見立てはあっと盲点を衝かれるものであったと同時に、実際にそうであったのだろうなあ、と思わざるを得ない。

これまた全面的に認めていいものかは分からないが、ナポレオン戦争で、スペインによって展開された「ゲリラ戦」、スペイン人から見れば防衛戦であり、しかも「地上最強の大陸軍」を躓かせた効果的な戦法であったが、当時のフランス軍人たちがいかに「卑怯」「残虐非道」と罵ったことか。(実際残虐行為も多数あったらしいが)



女子学生も、かばんに拾った石を入れて持ち歩くなんて「物騒だ、剣呑だ、武器に頼る思想だ、品が無い、淑女のすることではない」etc…で”武装解除”されると(一般的に)筋力や体格で上回るであろう、悪意や邪な欲望を持つかもしれない異性が優位に立つ、というわけだ。
しかし、ならば石より刃物が、スタンガンが、銃がいいのではないか……?…いやいやいや……



しかし、こんなごたごたした議論を一発で収束させるコマ。

男子高校生の日常」5巻のおまけ漫画?が、格闘技論的にすばらしい。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120115/p2

しかしほんとに「石」をかばんに入れて大丈夫か?もっと効果的で、合法的なものはないのか?

という過去記事。

『最強論議』に結論⇒「社会的に携行可能な武器の使い手が最強」。〜では、今の日本では? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150617/p1
 
最近のとある報道で「催涙スプレー」の持ち歩きは合法らしい、と知った。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150830/p1

えーっと…。
書きたいこと、それも以前から温めていたことを、突然読んだトピックに絡めて話したもんだから、構成的には満足のいくものにならなかった。
簡単にいえば、「とりとめがなくなった」状態だ(笑)。



でも、けっこう時間と体力を費やしたので、そこは調整せずに、今回はここで筆をおく。とりとめのないところは、とりとめのないままでいいや。


(了)



本日は格闘技、プロレスなどで語るべきことも多かったのだが、予想外の展開になってしまった。