もうすでに事件は広く知られるところですが、適当にニュースを引用しましょう。
http://www.asahi.com/articles/ASH4Q5PYHH4QULZU00C.html
いつ、誰が、何のために飛ばしたのか。国の中枢である首相官邸の屋上で22日、小型無人飛行機(ドローン)が見つかった。鳥のような視点で、人が立ち入れない災害現場や観光地を自由に撮影できる便利さ、新鮮さもあり、ドローンは人気が急上昇。政府は飛行ルールなどの規制を検討している。
ドローンは、首相官邸の屋上にあるヘリポート近くで見つかった。22日午前11時半ごろ、官邸3階のエントランスには、記者やカメラマンが慌ただしく出入りし始め、半透明のガラス天井越しには、警視庁の捜査員らが動く影が透けて見えた。上空では報道各社のヘリが旋回。捜査員がブルーシートでドローンを覆った。「確認中としか答えられない」。官邸事務所のスタッフは正午前、朝日新聞の電話取材にこう答えた。政府高官は記者団にテロの可能性を問われ、「まだ分かりません」と答えた。
という事件があったところで、取り留めなく…
「首相官邸に飛ぶなんて想定外」?こんなの、開発された時から俺だって真っ先に想像してたぞ!!!!
「想定してなかった」っていうけどさ…俺、ドローンというものがメディアに登場してから、というかその前のラジコンヘリの時代から、重要施設や要人の上を飛んでいくドローン、ラジコンヘリというのを想像しまくっていたけどなあ。本当に本職の危機管理の専門家たちが、想像もしてなかったのかい?
んなことは、ないのだろうね……。
でも本当に、ずっとみんな、これを想像していたとおもうけどなあ…
あ、テレビでは何人かが「以前から恐れていたことが、ついに起こった」と言っていたけど、たぶんそれは事実だろうね。
というか、このブログだって、ずっとドローンのことをいろいろ考えていたから、そのままいろいろ書けるのだ。
「法的に、ドローンを取り締まるすべはない」「首相官邸周辺でいま、ドローンを動かしても、職務質問をするだけ」(TVから)
らしいよ。テレビでそう言っててね…
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150422/k10010057191000.html
今回のような無人機について、警視庁は仮に官邸付近で飛んでいるのを発見した場合は、飛行経路を確認したり、操縦者を発見した場合は職務質問したりすることにしていたということですが、上空から無人機が官邸内に入り込んだ場合の具体的な対処方法は決まっていなかったということです。
今回のドローンの落下を受けて、警視庁は無人機への対処方法について警察庁などと協議して検討を進めることにしています。
まあ、先回りしてドローン規制をしていたら、それがいいことだったとも思えない。こういう派手な事件があった以上、規制されざるを得ないだろうが、数年間、自由で無法な時代があった、それは悪くないことだったろう。
自分は、こういう光景を想像していた……
ぼくは「もうひとつの日本の中心地」の上空をドローンが編隊飛行する光景を想像していた……のだった。
この事件を受けて、個人的に受けたネタなんだが
HMA-04 @HMA04 2015-04-22 13:57:45
https://twitter.com/HMA04/status/590741255379931136
でもこの流れ「ドローン、それは産業用に開発された小型飛行物体の総称である。情報、農業の分野に広く普及したが、ドローンによる犯罪も急増、 警視庁は、特科車両二課パトロールドローン中隊を新設、これに対抗した」以下略としか言いようのない展開だよね
しかりしかりで、このネタは後半にもひっぱりたいのだが、ゆうきまさみ版「機動警察パトレイバー」には、あまり語られない、しかし極めて重要なひとコマがある。パトレイバーは間もなく実写版の映画も公開されるが、そこでも描かれているように、なんというかクーデターや大規模テロの東京での発生を、どうリアリティと想像力のバランスを取って描写するかというテーマがある。
そしてそれは押井守、伊藤和典、ゆうきまさみがそれぞれ協力して、あるいは競合して、それぞれのリアリティを書いているんだが…
ゆうきまさみ版の語られざる衝撃的なひとこま。
「千代田区の中心部に対する攻撃をほのめかす!!!」
ま、作中では別にここに実際の攻撃をされたわけでなく、あくまでも偽情報による陽動、かく乱なんですが、上の画像の左上にあるように、そんな情報が流れたら警視庁もリソースのかなり多くをそこの警備に振り向けねばいけないだろう。
結果的にかく乱、陽動としては最善の一手なわけで。
えー…これ以上、このテーマは掘り返さないようにしよう(笑)。
しかし、ドローンが「飛んだ」「着陸した」それ自体を騒ぎ、インパクトにするには千代田区の格好の候補なのではないか?という懸念は払拭された気は全然しない。
「まあ、それをやったら反発が首相官邸なんぞとは比較にはならない」「いくらなんでもシャレにならない」という”徳のカーテン”がかなり有効に機能しているかもしれないけど、たとえば異文化の人たちが「緑も花もあってとっても綺麗なあのパレスを、上から撮影してミタイデース」という、素朴にして善良な動機でやることだって当方は想像している。
それに対して警察は「職務質問をする」…しか想定していない、のだよね??2015年4月23日現在は。
ひとさわがせで、しかも犯罪でないなら…「野外セレモニーに出席した要人の上にドローンをとばし、水を噴霧する」、とかさ。
これ、小説仕立てで書いたほうがインパクトがあったかな。てか俺、どんだけ脳内でドローンを使ったあれこれをシミュレーションしていたんだよ(笑)。
つまり、どこかの建物の中でドローンを飛ばして、なんてのはあまり現実的じゃないあろうけど、国道開通とか橋の新設とか、野外のレセプションは山ほどある。そこに来たしかるべき要人の渡り初めとか記念撮影のときに、ブーンと不気味な音を出して飛来するドローン。そしてプシュー…と、気味の悪い何かを噴霧する。
おやおや、それは実は、「六甲の美味しい水」だったではありませんか。
キラキラと光る虹・・・
後日「ドローン友の会」が”声明”を発表する。
「日本の治安、危機管理上の問題点を指摘するため、あくまで合法的な範囲内でパフォーマンスをさせていただいた」
いや
「首相閣下を歓迎するため、サプライズで虹を作らせていただいた」のほうが言い訳がきくかな(笑)??
…まあ、「空から水を霧にして噴霧した罪」なんてないし、報道で既出のように高度に気をつければドローンを飛ばしたことが犯罪になるわけでもない。
というか、自分は善良な市民として全く実行には移さないけど「人騒がせで、しかも追及していくと『犯罪』では全然無いので当局もぐぬぬ」というネタについては、以前からいろいろ考察したり例を集めたりしていたのですよ。
その中には「ドローンの活用」も当然入る。
「赤羽UFOおじさん」の話…人に害を与えない「人騒がせ」って、やっちゃだめかな? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131019/p4
ケンタッキーで無人機「ドロゥーン」に骸骨とフードを取り付け、飛ばして人を驚かせる人がいた……http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140108/p6
怪奇スポットで「恐怖に逃げ出す人」を演じれば、周りを怖がらせることができる(ソレミテ)
主人公グループは「何かを見て、怖がって一目散に逃げるところを演じましょう!」と衆議一決、「とっても楽しく」、「うわっ出たー」「助けてーーーー!!」と逃げだし、目論見どおり編集スタッフはびびりまくったそうな。ソレミテ 1巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)
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「ドローンを道具にした、犯罪ではないが人騒がせなアイデア募集!」とやれば、まださまざまなことが出来ただろうに、今回の一件でたぶん規制されることになるでしょう、残念です。
しかし、前述したように…はっきり言ってドローンがこのまま、みんながマナー良く使って、何もトラブルが起きず、まったくみんなが自由自在に規制無く使える社会…、これはあまりにもユートピア的で想像しづらい。今回は、来るべきものが来ただけだろうし、その「来た」こと自体は悪いこととは言いづらいだろう。
何しろ既に欧米では、ドローンは「パパラッチの御用達」だったのだ
無人航空機で密かに取材する「ドローン・ジャーナリズム」の気味悪さと可能性
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130625/1095807/?rt=nocnt
瀧口 範子=ジャーナリスト
先立ってフランス・パリで開かれたジャーナリズムとテクノロジーの会議、グローバル・エディターズ・ネットワーク(GEN)に参加…「ドローン(drone)」とは、今、世界で注目されている無人航空機のことだ。注目とともに、問題視もされている……航空機愛好家が個人的に無人航空機を飛ばして人々のプライバシーを侵害したりする問題……早い人々は既に次のジャーナリズムのツールとしてドローンを捉えている……どれもスーツケースに入れて持ち運べるほどの小型軽量のものである。iPhoneなどのモバイル機器から操縦でき、数10分は飛行を持続できる電池も搭載されている。重要なのは、高性能カメラが搭載されていることだ…
…セレブがプライベートビーチでくつろいでいるところを、ドローンで撮影したりするわけだ。今はパパラッチたちが苦労して垣根からビーチをのぞいたりしているのだろうが、ドローンがあれば簡単だ
同じ趣旨の別の記事。
厳重警備も楽々突破!釤空飛ぶカメラ釤の登場でもうセレブに逃げ場はない
シュピーゲル(ドイツ)より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36998
、「ドローン・パパラッチ」と呼ばれる、カメラを搭載した超小型の無人飛行機……入場制限されたイベントにも上空から入り込むことができるうえ、飛行音が静かなので標的のセレブや警備員に気づかれにくい。……主催側は周囲に大きな幕をかけるなどしてマスコミ対策をとっていたが、まさか空から撮影されるとは思っていなかったようだ。ドイツではドローンを使った撮影に許可が必要だが、スイスをはじめ多くの国ではまだ規制が緩い。
でも規制が掛かる前、おもいっきり各種のドローンが入り乱れた「空中戦」をどこかでやってほしかったな…
テレビ局なら、ローカル局でもテレビ東京でも、制作費がそんなに掛かるとは思えない。アメリカ製、中国製、ドイツ製、日本製、イスラエル製・・・みたいな国別対抗戦でもいい。
健全なナショナリズムが刺激されるだろうから。
そして、そのドローン同士に…レーザーかなんかでもつけるかね?
ちょっとそのルールは詳しい人にお任せするが、ドローン自身も映像は撮影できる。この空中戦って、十分な番組になったと思うんだけどねぇ。
「こち亀」がドローンを扱うとすごく面白かった。
gryphonjapan @gryphonjapan · 4時間 4時間前
ドローンがこんな形で話題になったので、昨年末に「こち亀」で描かれたドローンの回を探してみた。秋本治って、こういう新しいおもちゃ、テクノロジー、ガジェットは本当に好きなんだろうな。こういうのを描く時は、全盛期のノリが瞬間的に蘇る。
ここでは、ドローンをつかって宝石ドロボウをする、という展開だったっけ。
そして、こち亀はラジコンヘリの時代から「サバイバルゲームでヘリに携帯をつけて、上空からのカメラで有利に戦う」というストーリーを書いている。
書き切れないのでのこりは続編で!!!
ドローンによる警備
熱気球
軍事利用
「上から見る」優位性
進撃の巨人
オウム
などなど。
※これが続編。2016年5月現在、まだ完結してない。
空を制した者たちよ…ドローン規制法を契機に、再度考える【ドローン論(中)】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160318/p2