INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

バーチャルに、テロ「のようなもの」をする…ドローン事件は一種の「擬似イベント」だった

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150424/k10010060171000.html
22日、総理大臣官邸の屋上で小型の無人機の「ドローン」が見つかった事件で、24日午後8時ごろ、福井県在住の40代の男が、「自分が官邸にドローンを飛ばした」と言って福井県内の警察署に出頭したことが分かりました。警視庁は捜査員を派遣し、男が事件に関わっているかどうか確認を進めています。

この前の感想記事

空を制する者たちよ!!〜ドローン事件を機に書く断片的随想(上) - ) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150423/p1

にも書いたが…えーと今、この福井県の人に威力業務妨害での逮捕状が出た、という速報を目にしたが……
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150425/k10010060511000.html
だけどまあ、全然微罪だよね。

警察の会見のようす

【官邸ドローン事件】「飛ばしたのは俺だ」…迷彩服姿で容疑者出頭 「福島の砂」「コントローラー」も持参 警視庁公安部会見 - 産経ニュース http://www.sankei.com/affairs/news/150425/afr1504250024-n1.html @Sankei_newsさんから

やはりジャンルとしては、これが仮にテロの範疇に入るといっても、テロというよりはむしろ

「赤羽UFOおじさん」の話…人に害を与えない「人騒がせ」って、やっちゃだめかな? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131019/p4
  
ケンタッキーで無人機「ドロゥーン」に骸骨とフードを取り付け、飛ばして人を驚かせる人がいた……http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140108/p6

のような、「人騒がせ」のジャンルな気がするんだよね。
また、彼のブログとされているものがまたね…

官邸ドローンとの関係は…実行者が書いたとされる「ゲリラブログ参」を見た人の感想など - Togetterまとめ http://togetter.com/li/812523

これまとめたのは俺。
タグに押井守伊藤和典ゆうきまさみ の3人を入れてしまった(笑)。当人にとってはとんだとばっちりだが、私もアカウントの名前的にちょっととばっちりを受けているのでお許しいただきたい(笑)



で、彼の「参考図書」リストが出ているが、そこにある映画「機動警察パトレイバー2」で、擬似クーデターをしかけた側の、物理的な「武器」は
『東京上空を巨大な飛行船が複数徘徊し、墜落したひとつの中には着色したガスが。それは無害だったのだが「もし別の飛行船の中にあるのが有害なら…」という懸念で、当局に手を出せなくさせる』
だったですよね。

27:44 車中、後藤、荒川
ただのガス?
虫も死なん程度のほぼ完全に無害な着色ガスだそうだが、効果は絶大だ。あれが本物だったとしたら
ブラフじゃないの
船内からは本物のボンベも発見された。実際に使う気があるかどうかは分からんが、少なくとも上の連中にそれを試す度胸はないさ
何の知恵もなくあんなでかいものを浮かべとく訳はないと思ってたけど、10万単位で人質をとるのと一石二鳥とはね。考えたもんだ。膠着状態だな

また、そもそものベイブリッジ爆破も、本来の予定は「軍事的茶番劇」で、ブリッジにロックオンして脅威を演出しようとしたら、陰謀で実弾が発射されて…という展開でした。

拡大の一途を辿るアジアの軍拡競争の流れの中で、一向に軍備の増強を図ろうとしない日本に対して、彼等は根強い危機感を持っていた。そして、平和惚けの日本の政治状況を一挙に覆すべく、彼等は軍事的茶番劇を思いついた。憶えてますかね? 26年前、日本の防空体制と国防意識を揺さぶったミグ25の亡命騒ぎ。あれの再来ですよ。低空で首都の玄関先に侵攻し、その真白なドアにロックオンのサインを刻んで帰ってくる

※台詞はいずれも
機動警察パトレイバー2 the Movie/全台詞
http://homepage1.nifty.com/~yu/p/p2.html
から引用。


で、なぜ自分が今回のドローン事件に興味があったかというと、原発やテロとは別に
「厳重なシステムをかいくぐり」
「そういう点では、すごいことをしたけど」
「直接的な効果も実害も(結果的には)ない」

という事件が、自分は個人的に好きだったんだな、と分かった。

そういう類似が、過去の記事にあったよ

お調子者列伝〜システムをかいくぐり、一瞬のパフォーマンスにかけた人々 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040902/p1
 
五輪入場式、インド行進に「謎の女性」…。思い出す、超大物「クロードX」伝。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120730/p3
 

いいも悪いもこのレベルの話であり、格とミッションの困難さでは、デンマーク皇太子結婚式からフランス戦勝50周年式典にまで生身で”出席”した偉大なるクロード・Xのほうが絶対に上だ。
あと最近では、躍動感がハンパないといわれたこちらの女性のほうが、どう考えてもランキング上位に位置する(笑)

華麗すぎる乱入! 欧州中央銀行の会見中に美女が机に飛び乗り金色の紙吹雪を浴びせる - Togetterまとめ http://togetter.com/li/809271


ただまぁ、結果的なドローン規制の是非とか、「やろうと思えばこういうテロが出来た」という警備問題の話とは別に、事件自体はこういう人と同じカテゴリーの話ではあったですな。

そういうことだと自分で納得し、いいぐあいに心の中で着陸した一件でした。

この”お調子者”に影響を与えた押井守の「パトレイバー」実写版が5月1日に公開