INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

なんでこの「埼玉県に行くのよ。」というコマの少年の表情から、我々は絶望、驚愕、放心…を読み取れるのだろう。

【創作系譜論】
もう自虐的ユーモアに、公的機関が関わっている、ということ自体を珍しがる時代は過ぎ、そこでのクオリティが個々に論じられる時代ですが…
そういう視点でも「埼玉県のひみつ」は評判がいいようですね

自治体初 学研“ひみつシリーズ”に「埼玉」が登場! 県の魅力満載『埼玉県のひみつ』発刊 http://www.pref.saitama.lg.jp/a0301/sainokuni-news/sn2015012901.html

その火つけ役が
https://twitter.com/ks_sato/status/578835424572915712
のツイートでした。

SATO Keisuke ‏@ks_sato 3月20日
『埼玉県のひみつ』第1章より。父親の仕事の都合で埼玉県に引っ越すことになった主人公シンジの一言「埼玉県ってなに!?そんなとこ知らない!」。いきなり自虐ネタ飛ばしてて最高だ、埼玉県。 pic.twitter.com/gh9KFsktJy [はてなブックマークで表示]
11,206件のリツイート 5,224件のお気に入り
 
SATO Keisuke
‏@ks_sato
ちなみに、一つ前のコマ。ここだけ切り取ると、こっちのほうが絶望感に満ちた破壊力あるかもしれない。

うむ、たしかに「絶望した!!埼玉県への引越しに絶望した!」という声が聞こえてくるような迫力の一こまだ。

だが、
おや、
しかし。

しょせん絵である。しかもいわゆる、80年代のことばでいえば「アニメ絵」だ。
そして、次のコマでは台詞で、埼玉に行くという理不尽な宿命(おいおい)への怒りや絶望を表明はしている。でもこれでは、何の台詞もこの子は発していない。

でも、なぜにこれが「絶望」と皆がみな思うのだろうか。

これは、絵の「記号性」の話でもあると同時に「科学」でもあると思う。

アニメ絵というのは記号性がかなーり進化したものであるらしい。だがたとえば「(冷や)汗をかく」のを水滴のような記号で表現すると、異文化的には「この子は今あせってる、困ってる」とは分からないこともあるらしいのよ。
とくにアニメであえてこういう漫画表現をそのまま使い、それが海外で放送されると「?」となるとか。

なぜ「汗」の記号は「焦り」の強烈な印象を持つのか? #oshietegoo http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6823756.html @oshiete_gooさんから
汗マーク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%97%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF
漫画では、実際の発汗の仕組みからはあり得ない箇所(髪や着衣の上など)やふきだしの中の文章中の約物としてに描かれるなど、独特の使用法が多い。そのためこの慣用表現は、マンガやアニメになじみの薄い読者にとっては混乱のもとになることがある。

ま、上の文章には「要出典」の注がついている。
しかし枝葉だ、本題にいこう。

そういう記号表現とはまた別に、「笑顔は世界共通語」とはよくいったもので、やはり顔の表情、喜び、悲しみは顔の形状として表れ、おそらくは生物学的な何かによって「あ、喜んでいる=快感なのだな」「これは不快だな」と思う機能がついているのではないでしょうか。
そうでないと、赤ん坊はコミュニケーションを成人と取れない。
それに、目玉や口があればとりあえず人の顔と認識する…心霊写真の原因となる…シュ、シュなんとか…

http://blogs.yahoo.co.jp/kawakatu_1205/54318096.html
シュミラクラ現象
「人は他人や動物に出会った場合、敵味方を判断したり、相手の行動、感情などを予測したりする目的で本能的にまず、相手の目を見る習性がある。人や動物の目と口は逆三角形に配置されていることから、点や線などが三角形に配置されたものを見ると、脳は顔と判断してしまう」ようにプログラムされている。
このプログラムをhttp://search.yahoo.co.jp/search?b=1&n=10&ei=UTF-8&fr=ie8sc&p=%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%9B%AE%E3%81%AF%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%A1%94%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%81%99%E3%80%80%E7%8B%A9%E7%8C%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB現象と呼ぶ。

つまり人間はどのような環境でも顔を探す生き物なので、あらゆる逆三角形状の三点を自然界に見つけるとそれを「顔」と認識してしまう癖があるのだ。

で、あろう。基本的には
(´∀`)(・∀・)は笑顔と、けっこう世界的に認識されているはずだ。

逆に(・へ・)(・A・)は、ごきげんよろしからず…と皆思うよね。
このへんって記号性なのか?生物学的本能なのか?日本人は漫画に慣れすぎてわからなくなってるかもしれない。

日本の顔文字は英語圏にも通じる? #oshietegoo http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3104364.html @oshiete_gooさんから


だから、たぶん、「埼玉県に行くのよ。」の絶望感は、基本的に口が、三角形だっつうことと、眉のさがりぐあいが大きいのだろう。


やはり、口の三角の度合いが大きいのではないかな。

しかし!!!それだけではない!!!
感情表現、それも漫画的感情表現となると「目のハイライト問題」というのがあるのだ。

自分は、この「目のハイライト」を読者としては、理論として、意識的に見るようなことはまったくなく・・・実作者(ラクガキだろ)としても、目というのは黒くクリクリと色を塗ればそれで終わりだと思っていた。一筆入魂。


ところが、夏目房之介氏が指摘した文章を読んで「えっ!!目の中に白いものを入れることで感情や表情が変わるの??」と驚いたもんだった。
この目のハイライトがアトムの「自意識」をあらわしてる・・・とかなんとか。

そこから伊藤剛氏も発展させている…のは間違いないが、ちょっと今文章を提示できない。2年前に、まさにそういう話のイベントをやっていたらしいのだけどね。

http://peatix.com/event/14619
今回は、まさに「目」の図像を中心に論を展開しようと目論みます。
多様に、豊かに描かれ、図像をキャラ図像たらしめる「目」。
たとえば「瞳孔」と「ハイライト」を手掛かりに、夏目房之介の「目の光」をめぐる議論を踏まえ、キャラ図像の「目」の持つ意味に迫りつつ、「コマ構造」と「絵柄」の関係にまで踏み込むことができれば……と考えています。


とすると、今度はこれが「記号」なのか「本当にそういうふうに生物学的に見える」のか、も気になる。
さらに気になるのは「XXXXの目は輝いている」という言葉だ。
これはしょっちゅう「根拠が無いが褒めるとき」に使われる言葉でもある。何しろ主観的にそう見えた、といえばいいし、本当に輝きを数値で説明せよ、とは言われないし(笑)。文革時代の中国や、北朝鮮や、阪神大震災の被災地の子供たちまで「目が輝く」と言ってしまえばそれでしまいだ。
ただ、熱狂も、高揚も、充実感が感じ取れる表情は確かにある…
今度誰か、目だけ切り取って「輝いている」か「輝いていない」かのテストをやってみない(笑)??

また某所から連絡が来るかな?しかし批評せねば
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1028821355
1.コートの中には 魔物がすむの
頼れるなかまは みんな目が死んでる
バレーにかけた青春 でもみんな目が死んでる