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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

絶対どこかがやると思ってたよ!…NSA、ネット上の顔画像をすべて採集し「顔認証データベース」作り。これが拡大すると…

NSA、ネットの顔写真大量傍受 認証システム構築進める
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014060201001394.html

 【ニューヨーク共同】個人情報収集問題で批判を浴びた米国家安全保障局(NSA)が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を含め、ネット上にあふれる顔写真を大量に傍受し、顔認証システムの構築を進めていることが分かった。1日付のニューヨーク・タイムズ紙が内部文書を基に報じた。

 テロ容疑者の特定を目的とするが、傍受する画像の量は1日当たり数百万枚分に上り、顔認証に使える画像も5万5千枚程度含まれる。電子メールから抜き取ったり、ネットを使ったビデオ会議の映像を画像化したりしていた。

 外国政府が管轄する身分証明書の個人写真と組み合わせた活用も検討していた。

2014/06/02 09:59

【となりのビッグブラザー
いつかは、どこかで誰かがやるとは知っていた。
ついにそれが実現したか、という感慨しかない。

■何があっても、「顔認証」技術は進歩し、普及するだろう…それがどうなるかだ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140314/p3
 
■「都市の人ごみ、雑踏や店の来客の中から、一人を簡単に発見できる社会」とは
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090611/p5
 
■顔画像認識、訪問販売者の顔録画・・・、悪質商売は減少?(テツぼん、こち亀
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121003/p3

、自分は機械による顔認証技術についてはずーっと興味を持っていたので、上の記事は氷山の一角。まだリンクがあるので、興味あるひとは見といてください。
あ、というかこういうリストを作ってました

「情報技術データ管理の技術進歩が社会に及ぼす影響」を考えた過去記事リスト

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140407/p4


なぜこんなことをNSAがするのか。
以前の文章から

…だって、一種の「超能力」なんだよ。都会の雑踏から、駅の構内から、一人の人物を発見するなんて。
あれだよ、「十分に発達した科学は魔法と見分けがつかない」のまさに実践なんだ。(だから自分は興味あるんだけどね)
 
そしてそれは…「この人ごみの中だ、誰にも俺のことはわかるまい」という…「都市の空気は自由にする」と言われた時代から、1000年だか続いた「社会の前提」をぶち壊すことにつながるのだ。いい面でも悪い面でも。


そして厄介なのはさ、これがなんだかんだと自由で民主的な社会だから、NSAは抗議を受けてこの計画を中止することもありえるだろう。しかし、国名を挙げるのはブログでは自粛するが、某大国や某大国が将来においては、これをやらないことはありえないと思うぞ。その場合は、何の抗議も異論も訴訟も通じまい。
顔画像をネット上から手当たり次第に保存蓄積し、顔認証機能でそれをデータとして整理するというのは、間違いなくひとつのパワーになり得る。もし政府が(批判を浴びて)やらないなら、民間企業がやるだろう。民間企業がやらないなら、一個人がやり始めるだろう。

とりあえずNSAに情報公開を求めると

こういう秘密報告書が出てくるだろうな。
「顔画像で追跡した、ジャパンの引退AV女優の、その後に関するレポート」
「顔画像で追跡した、コスプレイヤーの、普段の職場に関するレポート」


んな馬鹿な、な話ですが、実際にこんなアレがあったり。

「顔画像をもとに似た顔の人が出ている AV を検索するツールを公開しました」
http://parosky.net/wordpress/?p=1341
上の技術の危険性を警告する記事
http://d.hatena.ne.jp/next49/20121127/p3
 
  
あと3、4年で、コミケでコスプレしてる人たちとかは、顔写真検索で特定できるようになるんじゃないの?…というSF。
http://t.co/vWZGVcrQAb

しかし「顔認証をためらい無く使えば、徘徊高齢者の発見に役立つのに…」との声もある。この技術、天使か悪魔か…

読むには要登録

坂村健の目:「ミエコシステム」 毎日新聞 2014年05月22日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20140522ddm013070037000c.html
 
 認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間およそ1万人に上っているというテレビの特集番組を見た。高齢化に従い確実に増加する認知症の方々の−−いわゆる徘徊(はいかい)問題について、社会としての体制が未整備だという。特に認知症による行方不明者を捜すシステムに問題があるという。

 その番組で取り上げられた女性は7年間も不明だったのが、放映後すぐ通報があり家族と再会できた。番組の解説によると問題は照会システム。……ネーム「ミエコ」を「エミコ」とミス入力していたのが問題だったという。しかし入力ミスゼロは非現実的だし、不幸にして名前から不明というケースも多い(略)
 行方不明者を捜すための社会システムという意味では、1980年代半ばに開始された米国における子供の顔写真が印刷された牛乳パックが有名だ。……牛乳パックは日々更新されながら食卓に一定期間残り、目に触れ続けるので効果が高い。
(略)
日々の食卓の悲しい写真は、誘拐の多さとそれを探す大変さに国民の意識を高める効果もあり、米連邦捜査局FBI)のデータベース整備が進み、さらに「アダム・ウォルシュ児童保護安全法」や、誘拐された子供を保護するための情報をネットワークで市民に緊急拡散する「アンバーアラート」システムの構築につながった。ちなみにアダムやアンバーは不幸にあった子供たちの名前。90年には62%だった子供の行方不明の発見率が、システム整備により今では97%になっているという米国の専門組織の報告もある
(略)
 技術進歩という意味で今一番有力なのは、顔認識システムだろう。米国でのテロ以降、世界各国で街頭の監視カメラに対するプライバシー忌避は弱まり、自然な光景になってきている。行方不明者の顔写真を登録すれば、即座にどこで見かけたかを検索するシステムも構築されている

 顔認識技術のネットでの無制限の利用については、プライバシーに敏感な欧州を中心に反発が強い。また、成人の行方不明については、本人が捜されたくないというケースも考えられる。しかし我が国の徘徊行方不明者のようなケースでは、収容した施設側も家族側も捜したくて顔写真を出すのに否はない。問題はマッチングのシステム整備だけだ

 日本での高齢者問題に対応する社会システム構築は待ったなし。米国での児童誘拐への社会的対応は大きな参考になる。「アンバーアラート」ならぬ「ミエコシステム」が整備されることを切に願う。


たしかに、監視カメラをネットワーク化し、顔認証システムと組み合わせれば、徘徊高齢者を危険な状態になる前に発見する確率は大幅に高まるだろう……。
 
それはすでにできるように、技術はなっている。
あとはそれをするか、しないかだ。

そして、例えばプライバシーを重んじてこういう仕組みを構築しない―という決断は、「それができれば救えた徘徊者を見捨てるのもやむをえない」ということでもあったりするんだぜ。いや、そういって非難するのは本来的にはおかいいと思うが、論理を突き詰めていくとそうなるっちゃそうなる。

魔法でいえば
「この魔法は封印されていて、世に放てば大混乱となるだろう。しかし目の前の子どもの命を救うためには、その封印を解かねば…」的シチュエーション。
こういうパターンって最終回とかであるね(笑)


まずは、この本を推薦しつつ。そういえば、この本の感想まだ書いてないや…

 

追記 今市事件の容疑者逮捕は「防犯カメラの画像解析技術が進んで、同じ映像から車を特定できるようになったから」

それが理由の一つと、テレビ朝日のニュースが4日朝、新聞を引用する形で伝えていました(どの新聞か不明)

その後あった記事

http://www.j-cast.com/tv/2014/06/04206614.html?p=all
「(略)…2台だけが詳しいことがわかりませんでした。今回、そのうちの1台のナンバープレートが解析でき、勝又容疑者がかつて所有していて、犯行現場と遺棄現場の間にある防犯カメラに写っていました」
司会の羽鳥慎一「防犯カメラの映像分析は、それほど難しいものですか」
神奈川県警元刑事の小川泰平氏(犯罪ジャーナリスト)はこう説明する。「肉眼による分析は難しいものでも、1年半ほど前に新たな分析装置が導入され、肉眼では判別不能な人相・風体や車のナンバーも識別できるようになりました」

事件に関連した防犯カメラ映像で「公開捜査」を行う手法が始まる。

http://news.livedoor.com/article/detail/8898304/
 警視庁はこのほど、「公開捜査」情報を発信するTwitterアカウントを開設した。強盗や振り込め詐欺などの事件で防犯カメラに映った容疑者の画像や動画を掲載し、捜査の進展につながる情報を募るのが目的だ。
(略)
 都内で起こった詐欺事件や強制わいせつ事件の容疑者に関する画像や動画を投稿し、一般からの情報提供を募っている。顔がよく分かる形で防犯カメラにはっきり映った映像もあり、多いものは数百RTされている……という。