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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「田母神票」が可視化した層…これを何と呼ぶか?という議論

東京都知事選で、元航空自衛隊のジェネラル、田母神俊雄氏は約60万票を獲得した。
この「田母神票」をめぐり、古谷経衡氏の投票前後の評論が注目されている。
そのキモの部分を引用して見よう
投票日前

■田母神陣営の戦いから見る「ネット保守」のゆくえ ポリタス 「東京都知事選2014」を考える
http://politas.jp/articles/73
   
田母神氏の得票数がそのまま、日本の「ネット保守(≒否定的な文脈での“ネット右翼””ネトウヨ”)」やゼロ年代以降、新潮流として登場して来た保守勢力の「趨勢」をそのまま反映させる国勢調査的な意味合いを含んでいる、という事実からも、田母神陣営の戦いとその票数に注目したい。 
(略)
なぜ田母神氏の得票数がそのまま「新保守」の趨勢を意味するというのか。これまで、ゼロ年代以降に生まれた「ネット保守」などの「新保守」の人々の投票行動というのは、ほとんどすべてが自民党候補への投票であった。しかし、今回の田母神氏に対しては、なにより自民党から推薦を受けていない非自民の独自候補であり、いわゆる「ネット保守」層からの熱心な支持のみならず、保守派の文化人や知識人、及び非自民傘下の関連団体などから、幅広く強烈な支援を受けている……「新保守」の潮流の中で、史上初めて彼らが自民党などの既存政党に頼らない、独自の候補を擁立するに至った結果、登場してきたのが田母神俊雄氏なのである。だから田母神氏の得票数はそのまま「新保守」の趨勢とイコールであるのだ。

投票後

都知事選で見えた「ネット保守」人口=250万人
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyatsunehira/20140210-00032514/
 
「新保守」と「旧保守」の主張は似通っているものの、「旧保守」の文脈、つまり自民党の支持基盤や支持組織とは、原則的にまったく関係のない文脈でゼロ年代より急速に生まれてきた勢力……
(略)
分かりやすくざっと約250万人弱が日本全国の「新保守」の人口であることが推定される。

この250万人という「新保守」の人口は、たとえば2013年7月の参議院選挙で獲得した社民党の票数、約120万票の倍、同じく日本共産党の約515万票の半分程度という「勢力」……250万人の「新保守」は国会議員数にして2〜3議席の勢力になっていると言える。
(略)
「ネット保守」を否定的にとらえる文脈の中では…を過大に評価する嫌いがあったと言えるが、今回の選挙結果で、日本共産党の約半分の勢力に「過ぎない」ということ……肯定的にとらえる文脈の中では…「日本の世論(保守的な文脈において)の正常化」が叫ばれるが、それはかなり「願望」を含んだ水増し…

田母神票には「主張はよく分からんが、元自衛官なら災害に強いだろう」とか「石原慎太郎さんが推薦してるから(維新票)」「ふだんは自民支持だが、舛添は嫌い」とか「原発を再稼動しないのは無謀だ」とか、そんな票も含んでいるだろうから、かなりざっくりな計算であることは本人も認めているっぽい。
(こういう概数にどんな問題があるかは、政治学者・菅原琢氏の以下のツイートを )

SUGAWARA, Taku ‏@sugawarataku 12時間
RTした記事もそうだが、ネット周辺の現象と現実の票数を結びつける推論は誤謬を多く含む。いわゆる「ネットウヨク」が田母神候補に投票したことが正しかったとしても、60万票がそれで構成されていると考えるのは、「政治好き」を多く見積もりすぎ。これは左右関係ない。
 
SUGAWARA, Taku ‏@sugawarataku 12時間
RTした記事もそうだが、ネット周辺の現象と現実の票数を結びつける推論は誤謬を多く含む。いわゆる「ネットウヨク」が田母神候補に投票したことが正しかったとしても、60万票がそれで構成されていると考えるのは、「政治好き」を多く見積もりすぎ。これは左右関係ない。

が、とまれこの考察は新鮮な視点があるということで
id:finalbvent氏も注目した。

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2014/02/2014-55a9.html

蓋が開いて驚いたことの二点目は、田母神氏の得票である。610,865票もあった。私は20万票くらいではないかと思っていたので、かなり驚いた。一般的には右派の票がここに固まった、あるいは、石原元都知事の影響があったと見る向きが多い。それ自体は間違いではないだろう。
 この点について蓋が開いてからしみじみ考えさせられたのは、ポリタスに寄稿された古谷経衡氏の「田母神陣営の戦いから見る「ネット保守」のゆくえ」(参照)である。
(略)

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

結果は約60万票である。
 古屋氏の見方からすると、ざっと、日本に200万人ほど「新保守」がいることになる。
 おそらくこの推定は正しいだろうと思う。というか、この数値に私はけっこう衝撃を受けている。衝撃を受けているのは、古屋氏の理路が正しいと思うからだ。

さらには、おだじまんこと小田嶋隆氏も、昨日偶然聞いたTBSラジオのコラムで、この分析に乗っかって語っていた(彼独自の考察かもしれんけれども)。以下の2分25秒ぐらいから。

http://podcast.tbsradio.jp/tama954/files/20140210_oda.mp3
(1週間で削除されます)

と、けっこうな反響を呼んだわけです。
そして、政治学者・吉田徹氏がこう語る。ぼくとの対話形式で。

YOSHIDA Toru 吉田徹 ‏@yoshidatoru 16時間
田母神支持者層が「新保守層」と自称するのは紛らわしいので止めましょうよ。もっと端的で解りやすいネーミングがあるはず(自問中)。
 
 gryphonjapan ‏@gryphonjapan 16時間
ご自身で紹介された諸外国の「ナショナルポピュリズム運動」そのものとは性質にズレがあるとの見立てですか ?それとも単に日本語では分かりにくいという意味で?@yoshidatoru
 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 14時間
突然用語を出して、他の方は意味不明だったかもですが『@yoshidatoru 氏ご自身で紹介した「ナショナルポピュリズム運動」』とは

http://synodos.jp/politics/1745
…FNが掲げる価値に賛成するとする国民は、世論調査によれば60%以上にも上っている。
こうした主張をする極右政党を、もはや「極右」ではなく、「ナショナル・ポピュリズム政党」と呼ぶべきだとの主張もある

のこと。読み返してみると確かに田母神将軍の運動は「普遍性を看板に押し立て異文化を排除」とは少し違うか。
 
YOSHIDA Toru 吉田徹 ‏@yoshidatoru 15時間
性質上の違いもあるし、わかりにくさもあります。「新保守(neo conservatism)」は1980年代の潮流を一義的には指しますから@gryphonjapan ご自身で紹介された諸外国の「ナショナルポピュリズム運動」そのものとは性質にズレがあるとの見立てですか ?

 
ということで、これをどう「命名」するかは今はやいもんがち、うまいこといったもんがち…になりそうだと。
古谷氏の見立て、定義に沿って自分が力技で名称を考えたら
【新興非自民保守】
になったが、そのまんますぎるわおもしろくないわで。別に古谷氏の定義に沿う必要も無い…まあ、こういう新語づくりが面白い、ちゅう話。