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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ユタ州「一夫多妻の権利」裁判、合法判決出たらしい…で、これが駄目な根拠ってどう構築するのよ、まじで。

自分がこれを知ったのは、裁判そのものじゃなくて「裁判への反響」を解説したこの記事。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2013/12/post-3137.php

…16日にCNNキャスターのジェイク・タッパーはユタ州で一夫多妻を合法としたユタ連邦裁判所の最近の判決について7分にわたって嘆かわしい議論を披露した。ゲストとして、一夫多妻のカルトから逃げた反一夫多妻活動家ローリー・アレンを招いたのは申し分ない。ただもう1人のゲストは「家族研究協会」会長トニー・パーキンズだった。
(略)
……パーキンズは、一夫多妻は同姓婚合法化の当然の産物だといういつもの(間違った)議論に話を向けた。「もし裁判官が男女で行うという結婚の定義を恣意的に変えれば、結婚の数も簡単に変わってしまう。連邦最高裁判決『ローレンス等対テキサス州(同性愛者同士の性行為を禁じたテキサス州法を違憲とする決定)』を手始めに、次は一夫多妻を認めることになるだろう」

 先週の一夫多妻制判決への常識的な批判もありえたが、パーキンズは何も挙げなかった。代わりに、彼は反同性愛扇動家にふさわしい論法を持ち出したのだ。

 なぜCNNは彼を招いて生放送でこんな口から出まかせをしゃべらせ続けるのか。あくどい日和見主義だ。

引用以外の前後を読めば、このパーキンズなる人物が奇矯な、反同性愛の扇動家という根拠は確かにいろいろあるらしい。(※一方の情報であるが、まあほかに判断材料が無いので)

だがね、個人の権利や他者危害の原則・・・その他もろもろを考えるに、
同性結婚も個人の権利。それと同様のロジックで、一夫多妻の結婚も個人の権利」といわれたら、やっぱり、反論は難しいと思うわあ。だから引用した部分に限っては、特にロジックの破綻は見出せないと思うのだが、どうだろう。ユタ州で一夫多妻をしたいという人がしても、わたしにとって何かの問題があるのかというと、多分無い。
ニューズウィークも、結局「ありえた常識的な批判」を一字も書いてないし。だからこそ逆に、文章が攻撃的になったのかもしれない。
「その狂気」「扇動家にふさわしい論法」「口から出まかせ」「間抜けな詭弁」「不快なキャラ」が、パーキンズの人物論全体にかかるなら、くちを挟む必要も無い。
だが、くりかえしだが
同性結婚が法的に認められるなら、同じロジックで(モルモン教イスラム教などで認められている)一夫多妻結婚を法的に認めてもおかしくない」
というロジックをそう罵るのなら、書いたマーク・ジョセフ・スターンは、そのゆえんをもっと詳しく論じ、「常識的な批判」の見本を見せるべきだと思うしだいだ。

というか、このユタ州「一夫多妻裁判」の日本語報道がねえ!!

無いんだよ、ほんとに!日本語でグーグル検索した限りでは!!
英語で検索!?英語力的にできないねん!!


それでも過去の資料はちゃんと保存しているからえらいよ、当道場本舗は。

同性婚も個人の自由である。同様に一夫多妻も個人の自由である」と訴訟を起こされたら(ユタ州)。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110730/p7

そこからのリンクで概要が分かる。

そして今回、検索してもう一本、コラムがあった。内容はほぼかぶるけど。

一夫多妻を巡る違憲訴訟
http://blog.livedoor.jp/goredsox/archives/1626761.html

「一夫多妻」を実践するコーディー・ブラウン一家を主人公としたリアリティTV「シスター・ワイブズ」(略)…「一夫多妻を犯罪とするユタ州の法律は憲法違反」と、訴訟を起こした。


ブラウン一家は、「判断能力の備わった成人同士が、合意の下に、一夫多妻の生活を営んでいるのであって、誰にも迷惑や危害を及ぼしていない。一夫多妻を犯罪とするのは言論の自由・プライバシーの権利・法の下での平等を定めた憲法に違反する」と主張するのだが、この論理、「一夫多妻」という言葉を「同性婚」に置き換えると、「同性婚禁止は違憲」と主張する論理とそっくり同じとなることがおわかりいただけるだろうか。

以前に本コラムでも紹介したように、米国では、「同性婚合法化」が、最近、世論の支持を集め、多数派となりつつある。同性婚合法化」と同じ論理を展開するブラウン一家の訴えに裁判所がどういった判断を下すかが注目される所以である(ちなみに、いまのところ、「犯罪として処罰するのを止めろ」と主張しているだけであって、同性婚の場合のように一夫多妻を「正規の婚姻形態として認めろ」と主張しているわけではない)。

というわけで、「一夫多妻」を巡って法廷の憲法判断が求められる事態となっているのだ・・・(略)


ちなみに、カソリックのリヨン枢機卿も同様の趣旨を言ってたりするし、彼に至っては一歩踏み込んで近親間結婚のことも語っている。
この枢機卿も「狂気」「扇動家」「出まかせ」「間抜け」「詭弁」「不快なキャラ」ってことでいいのかね。

カソリック枢機卿のこの問いに、何と答える?&宮台真司はこう考える(同性婚問題)http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121124/p3

 リヨン市大司教バルバラ枢機卿は、「『愛し合っているから』という理由だけで同性間の結婚が認められるならば、多重結婚、近親相姦も可能ということになりかねない」という過激な意見を述べ、大きな反響を巻き起こした。


その他、過去のリンク集。太字にした記事が、私の考えとしては一番まとまった形でかいたものだ。

■これをどう近代の法理論(他者危害原則)で裁けるのか
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080410#p3
法哲学的にどう「近親相姦」を否とできるかの理路が分からん。つーか訴えたら違憲判決出たりして
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100428/p5
■「同性婚も個人の自由である。同様に一夫多妻も個人の自由である」と訴訟を起こされたら(ユタ州)。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110730/p7
憲法記念日特集で、リレー形式のシミュレーション小説を書こう。この結末は??
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120503/p5
同性婚(結婚)制試論…愛と家族と「私」と、法と制度と「公」。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120512/p4
■日本の辞書における「結婚」の定義・・・いつ、どの辞書が「男女」の限定をはずすんだろうね。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121102/p2