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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「あんな殺人者が神か?」「政治家が拝みに行くな!」…「おい、だれの話?」中国で靖国のふりした毛沢東Dis「指桑罵槐」がほんとに発動(笑)

指桑罵槐
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%A1%91%E7%BD%B5%E6%A7%90
指桑罵槐(しそうばかい)は、中国の兵法書「三十六計」の計略の一つである。三十六計中の二十六計にあたり、味方に対して行う計略だとされている。書き下して「桑を指して槐(エンジュ)を罵る」ともいう。
(略)
…すなわち本当に注意したい相手を直接名指して注意するのではなく、別の相手を批判することで、間接的に…


ふるまいよしこ中国風見鶏便り

「拝鬼?」
http://www.newsweekjapan.jp/column/furumai/2014/01/post-779.php
年末の安倍首相の靖国参拝を第一報で「拝鬼」と伝えたのは新華社だったという。前述したように「鬼」はなにはともあれオドロオドロしい、暗い意味を持つネガティブな俗語だから、ニュースのタイトルとして相応しいとは言えない。が、まぁ、新華社はお国の、というか共産党の「舌」だからまともに取り合っていてはどうしようもないが、その舌が「鬼を拝むやつ」と書いたことで、化け物を拝むなんてまともな人がやることではない、という強烈なイメージを読む者(=国民)に植え付けることを狙ったのは間違いない。
(略)
 ニュースタイトルの「安倍拝鬼」……この文字だけで安倍首相に陰湿さ、腹黒さを感じてしまうという相乗効果は、伝えたい側にとって一石二鳥。だからこそ、第一報の数十分後には、さまざまなメディアが「拝鬼」をタイトルに並べて安倍首相の靖国訪問を伝えた。

 だが、新華社は当初はきっと想像もしていなかったはずだ、この「拝鬼」の論調が少しずつ違ってくるとは。

「政客の靖国神社参拝に激しく抗議する」

「政客の拝鬼は、心のなかに鬼がいるからだ。もし本当に心から拝鬼するのであれば、拝まれた鬼も慰められるだろう......国を強大化したいと思うなら、決して『鬼』の力に頼ってはならない。最終的に陽気を吸い取られ、身を滅ぼすだけだ

「無数の中国人が集団で毛主席の復活を呼びかけている時、小日本の首相、安倍晋三が騒ぎに便乗して靖国神社を参拝した。これは中国の指導者への風刺だ、中国最高トップたちへの挑戦だ。すべての拝鬼行為に対して、厳しく抗議する

「中国人の気持ちを顧みず、歴史の正義を顧みず、虐殺の真相を埋もれさせ、拝鬼して自信のなさをごまかすのか。しかし、数千万の国民が殺され、餓死し、家を失い家族を亡くした悲劇をそんなに簡単に消し去ることができると思うのか? そんなことはありえない!」

 微博で著名ユーザーたちが次々に声をあげたのだ。

 この日は朝早くから、習近平中国共産党指導部のトップ7人が揃って天安門広場にある毛沢東記念堂を訪れたことがニュースで流れていた。この日が毛沢東の生誕120周年にあたり、また習近平自身が毛沢東の生誕について口にしていたので十分予想されていた出来事だ。特に前日から天安門広場へ一般観光客の出入りができなくなっていたそうで、人々はこのニュースを「やっぱりねー」と淡々と眺めていたところだった。

 だが、安倍首相の靖国訪問のニュースで事態は一変。「拝鬼」記事に並んだ政客、参拝、指導者、最高トップ、中国人の気持ち、歴史の正義、虐殺の真相、悲劇、死......という、中国人の脳裏に「靖国神社」とともに刷り込まれた言葉が、人々の視野に別の歴史の光景を思い起こさせた。それは戦争の思い出よりももっと今に近い、まだ多くの人たちの角膜にしっかりと焼き付き、あるいは身近な親から祖父母からなんども聞かされ、自分の血のつながりのある人たちが過ごした反右派闘争や文化大革命の情景だった

 前掲の書き込みの言葉一つ一つはまるで中国のお決まりの愛国主義発言のように思えるだろう。が、書き込み主たちはすべて、日頃中国政府に批判的な人たちなのである。

彼らは表面的には政府が流す主張に合わせて「拝鬼」に抗議しているように見せかけ、そこに毛沢東という「鬼」を祀った政府トップへの批判の暗号を埋め込んだ。微博を読み慣れている人たちならすぐにピンとくる。ネットでは政府トップに対する批判はすぐに消されてしまうから、こうして目の前の「話題」を借りて自分たちの怒りを込めるやり方は中国のネットで生き残るための常套手段なのだ。


一応補足しておくと、この筆者は安倍応援団でも何でもなく、首相の靖国参拝に批判的な人である。
参拝当日のツイートから

https://twitter.com/furumai_yoshiko
ふるまいよしこ ‏@furumai_yoshiko 12月26日
これでまた、旧正月の中国からの観光客が激減。
 
ふるまいよしこ ‏@furumai_yoshiko 12月26日
わし、仕事する。安倍さんのお遊びには付き合っておれん。
 
ふるまいよしこ ‏@furumai_yoshiko 12月26日
なんでネトウヨは、わざわざ毛沢東の誕生日を選んで靖国をお参りした安倍さんを、「そんなに中国が気になるなら、中国人になればいいのに」と言わないのだろう?
 
ふるまいよしこ ‏@furumai_yoshiko 12月26日
いやー日本国民が毛沢東の誕生日とか覚えていなくても、日本政府にはちゃんと外務省もあってチャイナスクールもいて、外交もやっているつもりなんだから、「知ってるわけないでしょ」じゃ済まされないってこと、わかんない人も多いね。政府の意味、わかってんの?

その人をして「いや、靖国参拝批判のフリをして彼らは毛沢東批判をしてる」とうならせる、したたかさ。



いやー…
自分はね、参拝の翌日にこう書いた。

■首相靖国神社参拝、同神社放火未遂者有罪、毛沢東生誕120年……3つが同じ日とは
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131227/p4

結果的に歴史認識は国によりけり、という皮肉にはなった。

しかしこれは「よっぽど分かる人が分かって、内心でにやりとする皮肉」であって、ほぼ外から読み取れるような、あからさまな形で語られ、流行るなんてのは想像の外だった。

これは中国の知識階級…いや、関川夏央命名を借りれば「知識的大衆」の反骨と機知、勇気を示すものであり、基本的にそこまでの危険を感じない日本のネット利用者としては敬意を禁じ得ない。
また、中国が何だかんだと、少しずつゆり戻しもありながら「自由の風」が吹き抜けている証だろう。


てか、こういうアネクドート実際にあったよ!!

スターリン時代のソ連。街頭で男が叫ぶ。
「いま俺たちが苦しんでいるのは、たった一人の男のせいだ!たった一人の男のせいだぞ!」
大慌てで駆けつける、秘密警察KGB
「この反乱分子め!!!シベリアに送ってやる!!」
「何をいうか、事実じゃないか!俺たちを、ヒトラーというたった一人の男が苦しめている!」
「ヒ、ヒトラー…? なんだ、人騒がせなやつだな。それなら問題ない、もう帰っていいぞ」
「ところで、おたくらは誰だと思ったんだい?」