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平成の「栄光なき天才たち」小玉秀男…3Dプリンターの源流技術を開発した。しかし実用化した今は特許期限が切れた

朝日新聞2013年7月28日、「ザ・コラム」(有田哲文)より。

(ザ・コラム)成長戦略 「いいね!」の環境整えよう 有田哲文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130728-00000016-asahik-soci
朝日新聞デジタル 7月28日(日)16時0分配信 (有料記事)
 3次元(3D)プリンターは、いまをときめく新技術である。電子レンジのお化けのような機械で、軍事用偵察機の翼でも、子どものおもちゃでも、まるで印刷するように立体物をつくりだせる。米国の2社が世界でしのぎを削り、ものづくりに革命をもたらすと、オバマ政権も後押しする。
 しかし、源流となる技術が最初に生まれたのが日本であることは、あまり知られていない。
 33年前、名古屋市工業研究所の若手研究者だった小玉秀男さん(63)が、ふと思いついた。ヒントは、別々の展示会で見た二つの技術だった。
 一つは、図面を手で引くのではなく、コンピューターで立体的に設計する3次元設計。

続きは要約。
・図面を手で引かず、コンピューターで立体的に設計する3次元設計。/光をあてるとその部分だけ固まる「光硬化樹脂」。これがその2技術で「この二つを組み合わせたら、コンピューターで設計したものを自動的に試作品として作れる」と発案。

・特許を申請
・その後の実験も成功
・論文を学会発表。
・しかし反応なし。上司は「もっと成果の出そうな研究を」小玉さんは研究所を去って、弁理士に。
・その特許事務所に相談に来た商社。「米でおもしろいベンチャーがある。その特許と契約したい」
・契約を見てみると…小玉さん「ぼくのとほぼ同じだ!!」残念ながら、自分の特許はその時、期間がたちすぎて無効になっていた。
・米国の会社は現在1000の関連独鈷を保有する「3Dシステムズ」。小玉氏の発見より何年か後に会社が起こし、出資者を募って成長を続けた、という


発明に関しては、よくある話かもしれないし、まれな話かもしれない。
ホントウの「栄光なき天才たち」には2時間遅れで電話特許を出願し、ベルに敗れたエリシャ・グレイが登場するが、特許出願が「早すぎた」場合は…これもまた時間に敗れた、といえるのだろうか。

発明したときは需要がなかった、という。小玉さんも「自分が分かってもらう努力をすべきだった」こっちはあきらめたが、3Dシステムズはそれをやった、と言っている。
だが、…釣り落とした獲物の大きさに、「栄光なき天才」という称号を小玉氏に贈ることは許されるのではないか。