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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ようやく見てきました。「パシフィック・リム」雑感

・監督を含め自他共に認める話だけど、この作品は膨大な過去の怪獣・巨大ロボットにまつわるテレビ番組、映画、アニメ、漫画、小説などの…要は「集大成」である。つまり、新たな「おお!こんな発想はなかったわ!」的オリジナリティはそもそも目指していないと思う。だからこそ、集大成映画としてすばらしい。
 
・そこにやはり日本のメディア、カルチャーが影響を与えることができたのは、ナショナリズム?的に嬉しくはある。登場するモンスターは「KAIJU」と呼ばれ、ヒロインは日本人で、司令官(その養父)は日本語も多少使える(という設定)。それがらみで回想シーンに日本も登場するし、日本のロボット(イェーガー)もあるし。興行的要請もあろう。
 
・もっとも監督は「世界一丸で脅威に対処する、というところを描きたかった」と言ってて、だからパイロットも舞台も、香港だロシアだオーストラリアだと国際色は豊かになっている。これは世界の興行的にも必要と思われ、なんでも実際に「アメリカでは振るわなかったが中国で大ヒットし、続編が期待できる」てな噂も。イェーガー乗りの香港の兄弟だっけ、出てきたの。
あ、こんな感じだ。

■映画『パシフィック・リム』が中国で上映、なぜか技名が「ペガサス流星拳」に!→興行収入がまさかの米国超えで世界トップwwwwwwww

http://jin115.com/archives/51968805.html

続編ではたとえば韓国やイスラエル、ブラジルのイェーガーなども出てきておかしくはなかろう。興行面でのテコ入れを考えても。(もっとも数十年後の未来が舞台だと、韓国は地図一つ表示するにも、北朝鮮がどうなってるかの描写が難しいのだが・・・)
 
・日本発のアイデアや概念(※厳密じゃないよ、大体のイメージ)が、ハリウッドによって壮麗な映像となること、それを悔しがる人がいるかもしでない。だが、映画が猛烈な人手と資金を要するものである以上、それは実にしかたないことだと思う。そういうアイデア、概念が極東の島国から、エンターテインメントとして輸出、というか伝道できたことを喜ぶべきだろう(中国・香港のカンフーアクションがハリウッドにも伝わるように。今度また「武士道」がテーマの映画が日本公開されるように)。
 
・実際に実写映画で巨大ロボットが描かれたのを見ると(たぶんロボはCGだろけど)、ロボットを覆う金属の「軋み」「たわみ」の描写がうわー、ほんとらしいと感動させられた。これは日本のアニメロボットにも特撮ロボットにもあまりないからね。ダンボーですらたわみはない(笑)。
あ、キングジョーはたわむ、というか皺になっていたが(笑)。あんなに柔軟性にとんだ超金属ってねーよな。
 
・監督さんのインタビューで「軍事的なかっこよさも分かるけど、そっちのほうには行きたくなかった。冒険のかっこよさのほうを狙ったんだ。だからロボットのペイントも迷彩チックなやつじゃなく派手な色してる」という記述を読んだ。
あ、これじゃないけど、近い発言があった

http://eiga.com/movie/57692/interview/
美意識というのは時に政治的な意味やイデオロギーを帯びてしまうもので、クールなロボットは軍事力のコマーシャルのように映ってしまうけど、僕はそれを避けたかった。僕が見せたいのは“ロマンティック・クレイジー・アドベンチャー”さ(笑)。新しいオタク・ジェネレーションとして軍事的なメッセージではなくヒューマン・メッセージを伝えたかったんだ。

 
・だけれども、自分が「へー軍事組織っぽいなー」と思ったのは、ロボット出撃の際にわーっと基地の作業員が出てきて、あれこれと出撃準備をするところ。いやもちろん、監督が一番愛好するというパトレイバーは漫画版を含めて作業員がいい味だしまくってた作品だし、珍しいこってもない。「トップガン」的な絵でもあるだろうし。ガンダムでもむかし…なんだったかな…
「嵐が吹いても あなたは輝く 天使のように」みたいな歌が流れるOP映像で、そんな感じの、「巨大ロボットとたくさんの作業員」映像があったんだが。これだけシリーズが多いととてもわからん。
【補足】教えてもらった

白義すばる ‏@Rin_Subaru 18分
@gryphonjapan MS08小隊の「嵐の中で輝いて」ですね

ただ、やっぱり実写でやるとこの「巨大ロボット基地にたくさんの作業員」の迫力が違うんだわ。
 
・怪獣はやっぱり、そんなにキャラを立てるわけにはいかないな。ただ、突然出没して次々に現れる、という理屈付けが、ネタバレになるので言わないけど面白かった。
 
・ただ「そもそもなんでロボットで迎え撃つの?通常兵器は?」的な説明は、まあ…どんな天才でもなかなか難しいのだよな。中島梓氏が「わが心のフラッシュマン」で「そこに必然性を付与するのがプロだ!」と作り手を叱咤激励してたけど、やはり限界があるって(笑)!

【補足】twitterのリプライより
まさやんmk2 ‏@masayanmk2
@gryphonjapan こんにちは。貴ブログのパシフィック・リムの感想読みました。怪獣は最初から3体目までは核兵器で倒されており、それに伴う放射能汚染で居住不能地域が増えたことから、イェーガーが建造されたという記述が小説版にあるのです。一応ご紹介まで。

 
・ロボットをレバーでがちゃがちゃやったりボタンを押したりして操作するんじゃ複雑な操作に説得力がないので、「神経や脳に接続する」という設定はむしろリアリティがある。あと、「ロボットがダメージ受けると、本人も肉体的に苦しむ」は絵になるしね。パトレイバーグリフォンが、眼球(網膜)に何かの焦点をあててて「間脳電流コンタクトした!」とか言ってた。あれはぞくりとする印象的な描写だった。
ジャンボーグAが”元祖”かしら?こういうのの元祖ひとつだって調べるのは難しいのだ。そして2人の心が一致しないといろいろトラブルが起きる、も脚本家にとってはネタにしやすくてしやすくて…続編でも、いくらでもここに焦点が当てられるよね。
 
・そういえば、ハリウッドだけじゃないけど、欧米の映像でアジア人女性が登場するときのメイクって、実にどうにも美人じゃないようにわざわざメイクしてる、として思えないんだが、ハリウッドを中心に「あれが東洋的美である」とずーーーーーーーーーっと思われてるってことだよな。メイクのやり方なんか全然わかんないけど、とにかくヘンだなあとずっと思ってる。日本、韓国の現在のドラマだって作り手は見てるのだろうに、あのイメージは揺らがんのね。
 
・あ、この話、自分も見たときに感じたのだが、何しろこの感想文はだらだらと、大量に書いているので、執筆中に忘れてしまった(笑)

http://d.hatena.ne.jp/the-world-is-yours/20130810/p2
戦闘シーンの大半が、夜・雨・海中
 
1998年のハリウッド版『GODZILLA』でもそうだったのだが、CG の都合かなんか知らんが、イェーガーと怪獣のガチンコバトルシーンの大半が、夜か雨中か海中。舐め回すようにじっくり細部まで観察したいのに、よくわからん。

んだんだ。いや一場面で雨が降るのはすげーいいと思います。グッジョブだと思います。
でも戦闘中の天気なんて作り手がコントロールできるんだから、雨、晴れ、夜、昼、夕焼け朝焼けとか自由にできるじゃないですか。何度も同じ光景やるのは解せんな。
夕焼けの中の戦いはメトロン星人登場の「狙われた街」を参考にするように。ちゃぶ台もつかってよし。
 
・togetterから。 

 http://togetter.com/li/530680
①ギレルモ「1960~70年代、メキシコに日本のポップカルチャーが一気に入ってきたんだ。僕らの娯楽の5-6割は日本発のものだったと思うよ。なぜかは分からないが、たぶん映画やTVの権利料が安かったんじゃないかな。理由はさておき、こうして僕らはウルトラマンウルトラセブンウルトラQなどの円谷英二の特撮TVシリーズ、コメットさんやマグマ大使キャプテンウルトラなどの実写ファンタジー、そして鉄人28号藤子不二雄パーマン狼少年ケン、スカイヤーズ5、そして黄金バットといったアニメを見れたんだ」

だとすると、韓流ドラマについて韓国が方針とした「損は承知で、あるいは国がその損を補填して、海外にコンテンツをやすーく提供して席巻する。そうすると国への全体的なイメージも良好になり、その他もろもろの派生効果があるので、結果的にはペイする」というやり方の効果を証明する、傍証になるのではないか。
もちろんメキシコに「安く買われた」のだから企業にとっては損なのだが、相場との差を財団なり政府なりの補助金で補うというやり方なら丸く収まる。
 
・「進撃の巨人」の諌山創氏

http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/8020096.html

パシフィック・リム」はアイマックス吹き替えで観ました
開始十秒 あたり怪獣が見えた時点でもう五億点です

F22が何故か怪獣と接近して戦って現行兵器が通じないっていう
ダイナミックな映像のみの説明、そして
クソでかいロボットが!クソでかい怪獣と!どつき合う!
他に何かいりますか?(後略)

前紹介した、はてな内の感想

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20130811
…内容に関しては、もうあちこちで語りつくされてるのでぼくが付け加えるべきところはありません。面白かったか、と聞かれたら、100点満点で1億点だと答えればそれで充分でしょう

いってる方向性は同じだが、さすが超大型巨人、5倍になってる(笑)
 
・ぼくも作っている、
togetterの中の「パシフィック・リム」関連記事はリンク先の通り(ひとことだけ入っているものも多いので、タイトルから判断を)

最近のおすすめはイラストまとめか。
これもまた、日本ならではの応援となるなあ
http://togetter.com/li/549869