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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

エジプトクーデター、軍高官と大統領のやり取りが生々しすぎる(2013,7/7朝日新聞)

エジプトの独立系紙「アルワタン」記事が元ネタだそうだ。二人のやり取りを抜粋。軍高官とは軍最高評議会議長(国防相)のシーシ氏。

シーシ「威厳を持って辞任しろ」
モルシ「これはクーデターだ。米国は黙っていないぞ」
シーシ「米国など関係ない。私たちはあなたや政府の幹部が国の治安を損なっていたという証拠を持っている。裁判にかけるぞ」
ムルシ「ムスリム同砲団が黙っていないとは思わないのか。彼らはすべてを火の海にするぞ」(※巨神兵かよ!)
シーシ「やらせてみればいい。軍がどう出るか思い知るだろう」「名誉を持って去るのなら歓迎だ。われわれは同胞団をふくめ、すべてのエジプト人を排除しない。同胞団は戦争をするのをあおらないで、おとなしく辞任しろ」
ムルシ「もし戦争になれば、どちらが勝利するか見てみよう」
シーシ「あなたは、これから拘束下にある」

非常にくわしいやり取りだが、このやりとりはなんどビデオ映像に撮られていて、それを元に再現したという。
犬養首相やレベロ氏(銀英伝)じゃないが、最高権力者が、法や制度を超えた「暴力」「実力」によって排除されるというとき、どのようなやり取りが交わされるかというのはちょっと興味深い。こういうときのふるまい「だけ」で政治家の器量や能力を測るのもまた間違いだと思うが。
このムルシの態度を「民主主義破壊の暴挙に屈さない不屈の闘志」を見て取るか「アメリカや同胞団の力をちらつかせて権力にしがみつくいやらしさ」を見て取るか。
シーシ国防相の態度も同様にとれる。
なんにせよ、めちゃくちゃ生々しかった。

関連して、この記事が面白かったので推奨したい

地政学的安定か、民主主義か、世俗的政権か
http://d.hatena.ne.jp/maukiti/20130707/1373142416
地政学的安定か、民主主義か、世俗的政権か。もちろん全てが達成されれば何の問題もない。しかし悲しいことにその望みはほとんど場合において、どれかを得ようとすればどれかを失わなければならなくなる。」