ポール・エルデシュ!!!
整数論と・グラフ理論において数々の金字塔を打ち立てたこの老ユダヤ人は、元はといえば東欧はハンガリー出身!!
戦乱と混沌の支配する激動の時代を生き抜いたエルディシュは、家も持たず家族も作らず、その類まれな頭脳を占めるのは、ただ数の謎を解くことのみ・・・!おんぼろ鞄の中にあるのは替えの下着とノートと鉛筆、税関ではパスポートと照らし合わせ「これだけ世界を回っているのに、荷物が少なすぎる」と尋問されたともいう。
靴の紐の結び方すら知らず。神様は「SF」、小さな子どもは「エプシロン」と勝手な造語を作って話しかけるこの男は、奇人ぞろいの数学者の中ですら異彩を放った!!生涯に書いた論文は1500!
そして彼とともに論文を執筆した学者は・・・485人!!
彼が同じハンガリーの数学者・レーニイと共にものした論文は「ネットワークはいかにして形成されるか?」という問題に、史上初めて挑んだもの。1959年に発表されたその論文は、現在のインターネット整備の基礎となった!!彼はなぜ、そんなに共著論文が多かったのか?
彼は知識・発見の独占や、一番乗りの名誉を競うことにはまったく興味がないタチで・・・賞金を奨学金にして学生に援助するなどし、若者とともに難問を解決していくことを無上の喜びとした。
深夜、数学者がドアのノック音に気づき扉を開けると、そこにいるのは世界の数学王・・・
その訪問者が「君の頭は、営業中かね?」と尋ねれば、ホストにとってこれほどの栄光はないわけで・・・かくしてこの客はあちこちの数学者宅を居候して渡り歩き、数々の難問を解決!
そして、その数倍にわたる新たな問題を提示して去っていった!!
彼と共同論文を書いた人は「エルディシュ番号」を与えられ、それは数学者の間ではフィールズ賞にも劣らない名誉だったという・・・
【参考文献】
古びたカバンには替えの下着とノートのみ。世界中を放浪しながら、一日19時間の数学三昧! 史上最高の頭脳をもつ宇宙一おかしな男の、抱腹絶倒の生涯をたどる。
- 作者: ポール・ホフマン,平石律子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: 文庫
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出版社からのコメント
『博士の愛した数式』のエキセントリックな博士のモデルにもなったエルデシュの評伝。 数学に没頭するあまりに日常生活に必要なことがほとんど出来なかったほどの奇人で生涯に渡ってお湯を沸かしたことがおそらく一度もないだろうと言われています【参考リンク】
http://www.shibataism.com/mt/archives/000158.html
http://www.soshisha.com/books/0950.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794209509/10000kmnokana-22/250-6244233-4971454
http://d.hatena.ne.jp/horai/20040824
http://ephemeris.bblog.jp/monthly/2004-06/
※この文章は、以下の2004年の記事の一部分ですが「科学者スーパースター列伝」レーベルとしてみることも出来るため抜粋して独立エントリにしました。、
イチローのシーズン安打記録挑戦に思う「数」の奇妙さ。 - 見えない道場本舗
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040907/p1