漫画版「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」も順調に連載されている昨今…別冊宝島のプロレス暴露本に、漫画が収録されるのもすっかりおなじみになったが…
プロレス「地獄変」 (別冊宝島 1630 ノンフィクション)
- 作者: 原田久仁信
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2009/05/23
- メディア: 大型本
- 購入: 5人 クリック: 137回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
- 作者: 原田久仁信
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/11/12
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
元々の元祖「プロレススーパースター列伝」は、肖像権だなんだといった野暮な話がまだまだ語られること少なかった時代であり、しかも原作者は格闘技・プロレス界に関しては”カオが効く”コワモテの存在……。「登場した俺たちに、何も権利はないよかよ」的な議論なんてのは、どこにも持っていきようがなかったと推測される。
だが…21世紀もゼロ年代、テン年代に入って発行された、別冊宝島の「原田久仁信実話漫画」、あれって……たとえば谷川貞治氏、ターザン山本氏、ミスター高橋氏、渕正信、マイティ井上・・・などはインタビューに答えて、それに基づいて漫画を描いているのだから許可は得ているだろう。
だが、それを通じてアンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、アントニオ猪木などが描かれるとき…許可は、あるのか?というか、要るのか? アンドレvsハンセンに関しては、試合展開までごく一部とはいえ漫画に再現されている。
プロレスラーも人気商売だから、財産権としての肖像権とか、パブリシティ権とか関係してくるのかな。
しかし、もしそういうのに許可がいるとしたら批判的に描写されたり、秘密を暴露する系統の話って、そういう人たちが許可しなかったらそれで描けない、となってしまう。
宝島版の原田久仁信漫画もそうだけど、本宮ひろ志が江川卓を描いた「実録たかされ」だって、巨人フロントなどがOKが出ませんでした、で頓挫したかもしれない。
- 作者: 本宮ひろ志
- 出版社/メーカー: サード・ライン
- 発売日: 2012/10/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 本宮ひろ志
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- メディア: コミック
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
たぶん、そこまでがんじがらめにはならないだろう。
では逆に、取材した事実に基づいてドキュメンタリー・コミックを描いているだけだ!ということなら「ジャニーズ事務所タレント物語」や「まんがAKB48」を無許可で描いていいのか?ただの「アイドル漫画」なら許可が必要、報道として批判的なことも含めて描くと許可なしでもいい、とかね。そんなこともないか。
芸能人だと、似顔絵などがプロレスラーより厳しく肖像権、パブリシティ権と関係するとみなされるのかな。
そして多くの(新興)実話系雑誌でも売りになっている短編の実話漫画・・・ただこれはけっこう仮名で逃げたりとかしてるか。
何にしても本宮ひろ志「実録たかされ」や原田久仁信「プロレス地獄変」がOKなことそれ自体が、「事実(取材結果)を報道、ノンフィクションとして漫画化できる範囲」を広げてくれるし「有名人が、漫画化されるのを『俺は自分のことが漫画に描かれるのを許可していない』といって断る権利」を狭めている・・・・ような、気がするのだが。
ここで本来は肖像権なりに関しての法律的な議論、調査も必要なんだろうけど、わからないので投げっぱなしにしておく。
ウィキペディアの「肖像権」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%96%E5%83%8F%E6%A8%A9