INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「幸福の科学」教祖と妻の民事訴訟は、お互いどんな言い分があるのか(「霊言」をだれが裁くのか)?〜訴状から

えーと、幸福の科学といえば、最近映画が大ヒットしましたよね。

神秘の法
http://shinpi2012.com/

そして霊減収、いや霊言集も話題作がめじろおし。
http://www.irhpress.co.jp/products/list.php?category_id=53
うひゃい。


それを記念して・・・・でもなんでもないです、正直言うと、メモしたノートが最近みつかったというだけです。だいぶ古い・・・というか、ほぼ1年前ですよ、これを”取材”したのは。
しかし、法務局でこの記録を調べたとき、一緒にこっちも調べて、先に記事にしてね・・・

■「1試合4千万円」の時代〜藤田和之vsWVRの民事訴訟、詳細を調べました。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111125/p1

これが好評だったんで、なんか満足し・・・まああとでもうひとつのほうはやろうか、と思いながら怠惰にやっているうちに、ノートが蔵書などにまぎれてしまってたわけ。
この裁判、ひょっとしたら既に決着してたりするかもしれません。2011年秋・・・というか訴訟が始まったときの双方の言い分はこうだった、ということです。

どんな訴訟だったか?

まず前提として。

幸福の科学大川総裁を妻が提訴 「宗教行為で名誉棄損」
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022401000898.html
宗教法人「幸福の科学」(東京)の大川隆法総裁による信者向けの発言で名誉を傷付けられたとして、妻きょう子氏が24日、大川総裁と教団に計1億円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

 きょう子氏は既に、東京家裁に離婚を申し立てている。

 きょう子氏の代理人弁護士によると、教団は昨年秋以降、大川総裁が「霊言」と呼ばれる宗教行為を通じてきょう子氏を誹謗中傷した内容が含まれるDVDの映像をセミナーなどで信者らに見せた、などとしている。

 幸福の科学広報局は「神聖な宗教行為への言い掛かり、虚偽の風説の流布であり、反訴を準備している」とコメントしている。

■ついに大川きょう子氏が、夫と幸福の科学を提訴=東京地裁
http://dailycult.blogspot.jp/2011/02/blog-post_25.html

幸福の科学大川隆法総裁と教団を訴えると週刊文春・新潮両誌上で予告していた妻のきょう子氏が2月24日、ついに提訴に踏み切りました。いよいよ史上初(?)の霊言裁判の始まりです。・・・


これの訴状というか、裁判が本格的に始まる前に双方がやり取りした資料を法務局で読んで、これから紹介するわけです
ただし、重要ですが法務局はいまだに資料は閲覧と手書きの筆写のみOKで撮影もコピーもNGです。時間も限られる中思いっきり走り書き、要点筆記をする(そしてその字が我ながら読みにくい)ので正確さはその点で損なわれている部分も多い、と明言しておきます。
正確に知りたい方は東京の法務局に直接出向いて、同様に閲覧いただきたい。
訴訟番号は民事の 
17部23ワ 6077 です
(「23」は平成23年、の意味)

それではいよいよ内容
大川きょう子氏の弁護士は原田某
幸福の科学は糠谷某?(メモよく分からない)

きょう子氏のほうの言い分(1)

大川の夫婦関係は同被告がこどものベビーシッターとなった女性を過去世の妻として遇し、H19年から亀裂、同年10月、一夫多妻・・。H20年、この人がXX(読めない)、きょう子の役職はゼロ、別居強制
H22年3月、「大川の妻としてふさわしくない」 H22年、離婚を決意「悪霊がついた」 H22年11月9日、離婚調停 H23年1月不調

H22年10.15
「していない発言をしている」という問題。
大川隆法氏に霊が降臨し、
大川きょう子の過去、前世、守護霊は文殊菩薩だと。ここから重要。

文殊菩薩たる原告が、被告大川の口をして過去の体験事案(文字不明瞭)や価値観、意見を発言、表明しているかを示す「霊言」を行ったが、その実質は、大川自信が霊言の名のもと誹謗中傷するもの」

大川隆法より自分が偉い ・結婚を迫った ・フライデー(の批判記事)は自分の主導
など、偏狭な人格に描かれている

「信者が『霊言』は本人と一致すると信者が信じていることを利用して、間接的に中傷している」

H22,11,26、 一部信者にメールでお知らせ
そして「アフロディーテの霊言」「ナイチンゲールの霊言」が出る
このやり方を、原告はこう批判する

(この本は)「原告になりかわってその守護霊を目前に出して・・・上記霊言は一見、降臨する対話者との宗教観に関する論争の体裁を装っており、その当否に宗教上の判断を要するとの主張もありえるところであるが、実際には原告に関してねつ造した具体的事案をおり込み、一般社会にも受容する共通の普遍的価値基準のもとでは原告について否定的な印象を当てて、社会的に相当な範囲を逸脱している不当なものだから不法行為

これについて被告側、幸福の科学が反論する

これは法律上の訴訟に該当しない。
糠谷弁護士のおhか、もうひとり弁護士がつく。

(1)霊言は『現代の奇跡』。演技やつくりごとではなく、真実のものであることは争いがない事実。原告も「「霊言」は存在するが、その(今回の)霊は違う、と主張している。霊言を前提にしつつも、その霊は自分らの守護霊ではないとして名誉を毀損と言っている。
   ↓
しかし、霊言という宗教的秘儀は、それを真実と信じないものには無意味な話で、原告が被告の教義を信じているから内容を問題にしている。教義を信じず、霊人の実在や「霊言」の真実性を信じないものにとっては意味をなさないから名誉を毀損しようがない。これは「自動車がしゃべってこう言った」「机がしゃべってこう言った」が名誉毀損にならないのと同じ。つまり原告の主張は、教団内部で議論すべきもの
 
(2)これは教団内部で限定公開したもの。(略)教義に深く関わるのものだから、その是非は教団内部で(※このへん、走り書きの字が非常に読みづらく、分からない部分多数・・・)
 
(3)そもそも教団には表現の自由、信教の自由がある。もちろん加持祈祷で死にいたるとかはダメ。しかし「霊言」という言葉による表現を、公権力が適否を判断することになれば、内心の自由も妨げる。こういう言葉に対して表現の限界とか言うのはいかん。
 
(4)そもそも、文殊菩薩に対して言っているのです。XXXX(判読不能。権力?)を追い求めてから、文殊菩薩は次男だった(?教義か、メモちがいか)。ナイチンゲールアフロディーテと×


それに、霊言は「あるけど(私のは)勘違いだ」か?それとも「ウソ」か?原告と弁護人の主張が違っている。


霊言は教団内部の話で、一般のXXX(読み取れず)はない。霊言の真実を信じるもののみに意味があるのだから、一般読者の普通のXXXXは無意味です。宗教者として内部では低下するが、社会一般ではない。

原告の反論

仮に霊言としても、法的には大川隆法氏の発言である。
・フライデーのことは具体的に事実。
・これは一般社会の規律に照らし違法性がある。
かかる立場の科学主義に立脚する現代社会と相容れない・・・(判読不能)・・・大川は「霊言」に対し法的責任がある。また、公開しているではないか。「ユダの霊言」とか(あるの?)
信仰心が無くても「霊言」は・・・できる(傍点部読めないが、「名誉を毀損できる」みたなことが描いてあるようだ)

被告の再反論

一般的には理解できないものであり、一般読者の・・・・・と読み方を基準として解説したら、法的には問題とならない。

原告

「ならばなんで非公開なのか」

========================
以上が、自分がおおざっぱに記録した部分。
ここから裁判は進行しているはずであり、ひょっとしたら和解などに至っているかもしれない。


自分がこの裁判に興味があるのは、いわゆるこのブログで何度か語っている「宗教における『見なしの自由』」に関係があるっちゃあるからだ。
いや、さすがにここまで来ると別物と扱うのが妥当かもしれない。・・・たとえばヤクザが「わたしゃこの前、へんな夢を見ましてね・・・お宅のご長女、部活動でいつも7時ごろに帰宅するんですってね。その途中の山道で、飛び出した車がお嬢さんを自転車ごとはねる湯夢をね・・・」
というと、これは脅迫その他に該当することもある、というのはすでに確立した判例。だが「夢の内容を語ってはならない」「表現の自由言論の自由」という話とはまた別物になりますわな。さすがに「XXXの霊言」はそれに該当するかもしれない。
 

しかし「『霊言』ってあるから、信者以外は丸ごと内容を信じないから意味がない」「霊の正しさ、あるいは間違いなんて裁判とはまた別に判断してくれ」という話・・・自分が別に語ってきたことばを使えば「証明不可能・相互無視」という話に沿った判断が出てくるかもしれない。



専門家とかは、どう見ているのだろうか・・・というか、内容的には宗教ゴシップ的にも、法律的にも興味深いと思うので、これは今後、結果だけをぽんと知れば足りるということではなくではなく、途中途中の公判内容を知りたいところです。


はなはだ不完全ながら、自分にできるのはこの程度の、冒頭部分の紹介だけ。
あとは「やや日刊カルト新聞」http://dailycult.blogspot.jp/なりなんなりにお任せします。

(完)