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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

年収「自分は5万ドル、他人は2万5千ドル」と「自分は10万ドル、他人は20万ドル」どっちがいい?という実験

朝日新聞の…日付は記事を切り抜いたので不明。

〈ザ・コラム〉政権交代時代の作法 いじわる合戦の果て. ■根本清樹(編集委員
http://digital.asahi.com/20120205/pages/shasetsu.html

読むには有料です。

とにかく、タイトルに記したように

A:「自分は5万ドル、他の人は2万5千ドル」
B:「自分は10万ドル、他人は20万ドル」

の選択肢のうち、どっちがいい?というアンケート実験が「実験社会科学」の一環として、行われているらしい。大阪大の西條辰義氏による。

自分の実入りを考えるならBの一択。
だが米国の某大学では6割がA。日本の某大学では7割強がAだったとのこと。
西條氏は、これらを「いじわる」行動として研究、発展系として
「2人でお金を出し合い、道路や橋を作る公共財建設ゲーム」をやらせるという試みをしているそうな。このゲームの肝は「2人が共にお金を出し合えばいい橋や道路ができる。だが、完成品は安っぽくなるものの、相手にだけ出させてちゃっかり『ただ乗り』するというのもアリ」だということ(これって本当に典型的なゲーム理論囚人のジレンマだよね??)。

さて、このへんはゲーム理論だから聞きなれた話ではある。
だが、西條氏の研究結果によると、上記の「ただ乗り」行動は
中国人、アメリカ人、日本人・・・・の中で、日本人が一番多いんだそうだ。
ただし。
このゲームを繰り返すと、ただ乗りされた相手は、同じくただ乗りし返す「報復」も可能。その報復合戦を経て、「もうこんな不毛なことはやめましょう。お互い一度は出し抜いても、あとが怖い」となったときに、日本人は米国人より妥協的・協調的になるのだという。

さて、西條さんの資料を探そう。
http://www.iser.osaka-u.ac.jp/faculty/saijo.html

西條 辰義(さいじょうたつよし)
香川大学経済学部卒、Ph.D.ミネソタ大学(米国))
[近年の研究テーマ]
(1)「日本人は「いじわる」がお好き?!」プロジェクト、(2) 温暖化対策の制度設計
(3) ニューロソーシャルサイエンスの手法を用いた行動実験
私の研究テーマは「制度のデザイン」です。経済学では、<理論>→<実証>→<理論の改訂>という手法を用いているものの、理論と実証の間に溝があり、この手法が機能していません。とりわけ、新たな制度を設計にする際に、現実的な選択を提供できないのです。これを克服するために、社会科学という狭い範囲にこだわることなく、新たな数理モデルの構築と共に(脳を解析することを含む)被験者実験を用い、使用に耐える制度設計の手法(デザイン・サイエンス)という新たな領域を提案しています

日本人はいじわるがお好き?!
京都議定書などの国際条約への参加ゲームの実験結果です. 不参加は小さい投資数がゼロになります. 2カ国のうち,相手が不参加なら,自己の利得が一番高くなるのは11の投資数を選ぶときですが,南カルフォルニア大学(USC)の被験者のかなりの人々が11を選ぶのに対し,筑波大学の被験者は7を選ぶのです.7だと公共財が少な目にしか供給されません.そのため,参加せずに公共財の便益にただ乗りしようとする相手にダメージをあたえるのです.

■実験社会科学
http://www.iser.osaka-u.ac.jp/expss21/


で、このコラムは、そこから今の与野党攻防につながり、要は「むかし自民党民主党にやられた攻撃を、攻守をかえて同じようにやっていてはいけない」というテーマとなるのだが、そんなのはどーでもいいんで、西條氏の研究のほうがひたすらにおもしろかった。


「民族性」「国民性」の認定は不毛だったりステレオタイプだったり、というか証明不能なものだという声はしばしば聞くけど、こういう形でそれなりに「実験」をして、それを国民や民族ごとに比較し、有意な差があったらそれは「○○人は○○がお好き」としていいんだろうか。