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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

伝聞系か、断言か?更迭・田中聡氏の発言、報道各社を一覧化。

朝日新聞

http://www.asahi.com/politics/update/1129/SEB201111290006.html

評価書の提出時期を明言しない理由について、沖縄防衛局の田中聡局長が28日夜の報道各社との非公式の懇談で「これから犯す前に犯しますよと言いますか」などといった趣旨の発言をしていたことがわかった。複数の出席者が語った。(略) 懇談は28日夜、那覇市内の居酒屋で行われ、沖縄県内の報道機関約10社が参加。朝日新聞社は、発言時には同席していなかった。田中局長の発言は、沖縄の地元紙・琉球新報が29日付朝刊1面で報じた。

http://www.asahi.com/politics/update/1129/TKY201111290552.html

県内移設に向けたアセスの評価書の提出時期を野田政権が明言しない理由について、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」などと発言したと報じられた

読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111129-OYT1T00319.htm

環境影響評価書の県への提出時期を一川防衛相が明言していないことについて、女性を乱暴することに例え、「犯す前に『やらせろ』とは言わない」と発言した
 ただ、「許可なしにやれば犯罪となる」とも語り…(略)
懇親会には、読売新聞を含め記者約10人が出席。報道を前提としない非公式の発言……

産経新聞

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111129/plc11112920150021-n1.htm

田中氏は28日夜の記者団との酒席で、評価書の提出に関し、一川氏が時期を明言していない理由を問われると「(女性を)犯す前にこれから犯しますよと言うか」と答えた
 田中氏は同じ席で「政治家は分からないが(防衛省の)審議官級の間では、来年夏までに普天間の移設問題で具体的な進展がなければ(普天間の代替となる)辺野古移設はやめる話になっている。普天間は何もなかったかのようにそのまま残る」とも述べていた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111129/plc11112920150021-n1.htm
会合は那覇市内の居酒屋で、報道を前提としない非公式の形式で行われた。県内外の報道機関約10社が参加したが、産経新聞社は欠席した。地元紙、琉球新報が29日付朝刊で報じたことを受け、関係者に取材して発言内容を確認した。

毎日新聞

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111129k0000e010034000c.html

提出時期を一川保夫防衛相が明言していないことについて、「犯す前に犯しますよと言いますか」と発言していたことが分かった。(略)
29日付朝刊で発言を報じた琉球新報防衛省関係者によると、懇談会は防衛局側が呼びかけ、那覇市内の居酒屋で、地元報道機関など約10社が参加して開かれた。問題となった発言は、評価書の提出時期をめぐるやり取りの中で出たという。毎日新聞は懇談に参加していなかった

日経新聞

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819494E0EBE2E2E38DE0EBE3E3E0E2E3E39790E3E2E2E2
一川保夫防衛相が評価書の年内提出を明言していないことについて、女性への性的暴行に例えて「犯す前に犯しますよとは言わない」と述べた。・・・「やる前にやらせろとは言わない」とも述べた

http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819481E0EBE2E69B8DE0EBE3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C93819481E0EBE2E1868DE0EBE3E3E0E2E3E38297EAE2E2E2

年内に提出するかどうかを、女性への性的暴行にたとえて「犯す前に犯しますとはいわない」と発言した……日経新聞も含め9人の記者が参加した

琉球新報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111129-00000000-ryu-oki
一川氏の発言が明確でないことについて質問が出たとき、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と発言した
 懇談会終了後、沖縄防衛局は、琉球新報の取材に対し「発言の有無は否定せざるを得ない」と述べた。(略) 田中局長は非公式の懇談の席で発言したが、琉球新報社は発言内容を報じる公共性、公益性があると判断した。

共同通信中国新聞より)

 ・・・琉球新報など関係者によると、田中氏は28日夜の記者団との酒席でアセス提出時期について問われ「犯す前に、犯しますよと言いますか」と応じたという
 防衛省の聴取で田中氏は「『犯す』という言葉を使った記憶はないが、そのように解釈されかねない状況だったと思う。女性や沖縄の方を傷つけ、おわび申し上げたい」と述べた。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201111290156.html
……懇親会に参加したのは新聞、放送、通信の約10社。共同通信社は参加していなかった。出席者によると、那覇市内の居酒屋で、記者らに囲まれた田中氏は「今日は何でも聞いて。完オフ(完全オフレコ)だから」と発言し、酒を飲んで懇談した。 だが普久原氏は「評価書提出を強行しようとしている発想が透けて見えた」とし、今後も公益性があればオフレコ発言でも報じると強調する。

共同通信沖縄タイムスの紙面から

…報道陣との酒席で「犯す前に、犯しますよと言いますか」と発言していたことが29日、出席者への取材で分かった・・・

NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111130/t10014296481000.html?utm_source=feedburner&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+or%2FyBbv+%28NHK%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%29

28日、那覇市で行った記者団との非公式の懇談会で、普天間基地の名護市への移設計画に伴う環境影響評価書の提出時期を、一川防衛大臣が年内に提出すると明言しないのはなぜかと記者団から質問されたのに対し、「犯す前にこれから犯すとは言わない」と発言しました

テレビ東京

http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/news/post_11580/

…田中局長は、きのう、記者団との非公式な懇談で飛行場の移設に必要な環境影響評価書の提出時期について、「犯す前に、いつ犯すか言いますか」と、女性への乱暴に例えて発言したとされています

時事通信

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-111129X454.html?link_id=k_kanren_news_body

・・・年内提出を断言しないことに関して「(女性を)犯すときに『これから犯しますよ』と言うか」と発言した。(略) 田中局長の発言は、那覇市内の居酒屋でオフレコを前提に行われた懇談の席であった。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011112900467
おことわり=沖縄防衛局長発言について
 防衛省の田中聡沖縄防衛局長の28日夜の発言については、時事通信社の記者も懇談会に出席していました。基地問題の背景を説明するのを趣旨としたオフレコ前提の非公式懇談だったため、記事にするのは見合わせましたが、29日朝、一部報道機関が報じたことから、オフレコの意味はなくなったと判断。発言内容を報じることにしました。 (2011/11/29-13:12)

沖縄タイムス

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-11-30_26699/

・・・評価書の提出時期を明言しない理由について「犯す前に犯しますよと言いますか」などと発言していたことが29日、分かった(略)。 沖縄防衛局が28日夜に居酒屋で主催した懇談会には、本紙を含む県内外の記者約10人が出席し、完全オフレコで行われた。田中氏は酒を飲んでいた。発言時、本紙記者は離れたところにいて発言内容を確認できなかった。29日に複数の出席者に取材し、確認した。

並べたあとのまとめ

まず出席機関の整理。分からないところは書いて無いよ。(追記:あとから判明した社も追加)
出席確認・・・琉球新報日経新聞、読売新聞、時事通信沖縄タイムス
非出席確認…共同通信朝日新聞毎日新聞産経新聞



んで、あまり正確な一字一句が影響する、というものでもないと思うが…出席したところの読売、日経、琉球、時事がすべて「犯す」を断言の形式で書いていることがわかる。ただし、表現はかなりばらばら。
朝日新聞は伝聞調。毎日新聞は断言しつつも「関係者への取材」だな。共同通信は記事ごとに揺らぎ?がある。


で、一次情報(であろう)の側のほうが正確だと考えると、表現はバラバラながら田中聡氏本人が否定している「犯す」という発言は、やっぱり存在したんじゃねーの?というのが今のこちらの判断なのだが、どうだろう。

ただ、本人が公式の防衛省への説明の中で「言ってない」というときはどうするか。
結局証明できないことを「言った言わない」と表現するぐらいだから、けっこう第三者があとからこれを確認するのが難しいのも事実。これはノンフィクションを書く時に、どれだけ調べれば「Aはその時『XXXX』と言った」と記述していいか、という話に通じる。
「議事録には、Aはその時『XXXX』と言ったという記述がある」とか「Aは『そのときXXXXと言いました』とインタビューに答えた」という記述にとどめるべきだ、という主張の一方、いや確認がもてれば断言調でいい!という人もいてね。

昔、なにかのノンフィクションの評で・・・(ここからは記憶があいまいなので、一般化した寓話だと思ってください)「照明のない、何もかも真っ暗な道。たわわに実った麦畑をつっきる一本道をトラックは走っていった…」みたいな描写に
評者「なんで見えないのに、周辺がわかるんだよ」
筆者「後日その場所を日中訪れ、麦畑だと確認した」
評者「でもその時そうだったかはわかんねーだろ」
 

そうだ、今思いついた追記でもうひとつ。
この発言を確認できるのって、
8社とも10社とも言われる懇談会出席記者と、当事者だけだよね?
他社が「確認」するといっても、その人たちにしか聞けない。
おまけに沖縄タイムスの言葉を信じるなら、「遠くで聞けなかった」人たちもいるからさらに限られる。

ただ、琉球新報が一度「犯すと言った」という記事を書いたあと、さらにその後、後追いの記事を出席者が出したあとだと・・・
…実際には聞いていない他社が「ほんとに言ったの?」「表現はこれで正確なの?」とチェック(取材)しにきた時、客観的・中立的に「言った・言って無い」を判定できるのではなく、『確かに言ったよ』と言い張ることに利益を持つ一人の当事者となる。
そうすると客観的な判定が・・・・・・、と。
だから古来から「言った言わない」が水掛け論となるのだ。
放射能を付けるつけない云々も含めて。


ことほど左様に、伝聞から断定へ、は(厳密にたどっていくと)むつかしい。

今年は3回も、オフレコをめぐって大臣や行政官の地位が変わる騒動があったことになる。

思ったこと

これこそ「第三者委員会」を設置したほうがいいんとちゃうかね。