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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

問責決議案を根拠に、首相らを院で答弁させないのは憲法違反という説(再録)

不信任案否決を受けて、自民党参院議員には「ならば参院で問責決議だ!」と息巻く人もいると聞くが・・・

2008年、まだ福田康夫内閣の時にも参院での首相問責の可能性が言われた、そのときの文章の一部抜粋。
■首相問責決議には、憲法問題がある?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080429#p5

ご存知でしょうが、再確認すると問責決議というのは何の法的拘束力も無い。
しかし、「決議が通れば首相なら解散必至。閣僚だったら辞職は免れない」と今までなってきたのはなぜか。
整理してみましょうね。

参院で問責決議が成立

■これは「国民の代表たる議会が、その大臣を不適当と認定した」ことになる

■国会答弁で大臣出席

■議会は既に不適当と認めたのに、出席とはけしからん

■野党(参院でが多数派)が審議拒否

■国会空転、打開のために大臣辞任or国会解散or内閣総辞職


こういう流れです。つまり「慣習」(問責決議なんて今まで殆ど無かったから慣習ってほどでもないが)や「・・・とみなす」という部分が間にいくつか挟まるのね。


ところが、今年二月、日経のブログに載ったコラムで既にこういう指摘がされている。

http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/20080215neb2f000_15.html

憲法63条では、首相は「何時でも議案について発言するため、(両)議院に出席することができる」と定める。何ら法的効力のない問責決議によって福田を参院に「登院停止」にするのは憲法違反とも読める民主党が「解散に追い込む」決め手のように位置づけてきた「問責カード」は憲法上は蟷螂の斧(とうろうのおの)でしかなさそうだ。

慣習その他を無視するなら、不信任案は何度でも出せるんとちゃう?

ただ、今までの「議会の慣習」とかを無視する、ということならば・・・「一事不再議」も無視しようと思えばできるんとちがうかね。
ウィキペ

「内閣不信任」決議
慣例として認められる一事不再議原則により同一会期中に1度しか提出できな

「一事不再議」
大日本帝国憲法第39条は「両議院ノ一ニ於テ否決シタル法律案ハ同会期中ニ於テ再ヒ提出スルコトヲ得ス」として、帝国議会における一事不再議の原則を採用していた。現在の日本国憲法及び国会法には国会や議院における一事不再議を定める規定はない。しかし、会期制が採用されていることから考えて合理的見地から、一事不再議の原則が導き出されると考えられている。

さすがにそこまで何でもアリにはならないか。