京大教授・森毅氏が亡くなったとき、自分はこういうブログを書いて、京大に伝わっているというある伝説を紹介した。
m-dojo.hatenadiary.com
その人から以前聞いた話。あんまり面白すぎるので、まァ伝説だろうと思うのだが・・・モリキ(※京大生はこう呼ぶらしいです)が出す試験は、問題が分からなくても、「カレーの作り方」とかを解答用紙に書くと一応単位をくれるんや。それがずっと長年の伝統だったんやけど、なぜか同じようにカレーの作り方を書いたのに、単位もらえへん学生がいたんや。
それもへんな話なんやけど、その学生は「納得でけへん」とモリキに文句言いにいったんや。
そしたら一刀齋先生な、ふだんと同じ口調で
「キミの答えには、ジャガイモが入っとらんかったからねぇ」
これは主にtwitterにて紹介されて、「それは自分も聞いた」「別の大学の別の教授の伝説として聞いている」「カレーにジャガイモは入れないほうが本道だ」などいろいろなつぶやきを賜った。
さて、この森伝説をわたしに教えてくれた人にこの夏、また会う機会があったので反響を伝えたところ、この伝説には続きがあると教えてくれた。
モリキ(※京大では森氏の名を音読みする)の、「カレーにジャガイモ」云々が伝説かどうかはまあ分からんけどな、カレーの作り方書くと合格点くれるのはホントや。これで本当に何人もの人間が助かったからな。俺?それはまあええわ。(笑)
総計で何人が、カレーの作り方書いたんやろなぁ。
そんでな、モリキが定年で京大辞めるとき・・・、その退官者は、教養部報に学生へのメッセージを書くのが恒例なんやけど、そこで「自分の教室はカレーの書き方でテストをクリアできると言われていた。それは本当だ」と認めた上で「では、ぼく流のカレーの作り方を紹介したい」とカレーのレシピを書いてあったんや(笑)。
ところが!そのレシピっちゅうのがものすごく丁寧で、細かい本格的なカレーでな…それを読んだ、これまで森教室から単位を貰っていたわしらは、自分が解答用紙に記した、モリキのレシピと比べるといかにもいい加減な「カレーの作り方」を思い出して、深く深く恥じた・・・ちゅうわけや。
うむむ。まるで中島敦「名人伝」のラストシーンのようではないか。
その後当分の間、邯鄲の都では、画家は絵筆を隠し、楽人は瑟(しつ)の絃を断ち、工匠は規矩(きく)を手にするのを恥じたということである。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/621_14498.html
ちなみに前回の補足でいうと、森先生が尊敬する哲学者にちなんで寝たまま講義をした、と書いたが、それは「デカルト」だったようです(と聞いたはずだが、ちょっと自信なし!メモとっておけばよかった)。
あと、教室を出てキャンパスの木陰の下で講義をしていた、というのも事実だそうです。
今回の続・森伝説は、教えてくれた人もあまりに面白すぎて疑われると思ったのか、ソースをあとで教えてくれた。
http://twitter.com/J_BILAT/status/19533469722
http://blogs.yahoo.co.jp/cherokee4517/36742000.html
余談ながら、この前某ライトノベルのタイトルを聞いて大笑いしたばかりなのに、早くもそれをパロディにしてすまんかった。(http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100610#p4)