INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

森達也「下山事件(シモヤマ・ケース)捏造疑惑」に関し直接尋ねた資料

昨日、「森達也 捏造」で、googleから10件以上の検索がきました。

ここで何度か紹介したことありましたね。
■[時事][犯罪][歴史][読書][ブログ]森達也下山事件」に重大疑義?捏造?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061108#p4

■[時事][歴史][犯罪][読書][ブログ]『森達也下山事件」に重大疑義?捏造?』の続報。事実関係まとまる
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061130#p6


その二番目の、コメント欄に小生が書いた文章をまずご覧ください。

そういえば、年末12.16にあった森達也くらたまトークイベントに行って直接森氏にこのこと聞いてきましたよ。証明不能な「あくまでも記憶違い」の一点張りで、あまり収穫は無かったことと、自分がその後 忘年会になだれ込んで大いに飲んだりしたことでブログに書いてませんでしたが。
今日か明日にでも報告しておくかな』

今日か明日どころじゃなくほっぽっといたのだが、検索を見てまだやっていないことに気づいた。一応書いておきます。

このトークショーは録音が不許可だったので、記憶によって再現するのだが、逆にいうと今回の騒動で「メモをとってないので(単なる)記憶違いがあるかもしれない」という森氏のコメントに対し「いくら記憶の中だけだって、内容が正反対になるもんですかねえ?」という一つの例にもなるはずだ。

では開始。TVで放送された「ドキュメンタリーは嘘をつく」が上映されたあと、くらたま女史とのトークショーがあれやこれやあり、質問の受付に。俺が何番目かに指名される。

Gryphon(以下G)
「今までのお話にある『ドキュメンタリーの嘘』の多くは、視点をどこに置くかとか10のうち3程度だけ抜き出して、都合のいいところを放送するとかだが、完全に嘘というのは少ない。しかし、取材結果を正反対にするような「嘘」もある。
最近出た本だが、その本に対して別の本が出版され、その筆者が「私もその場にいたが話が全く正反対。。明らかな証言の捏造ではないか、と言っている。そして最初の本は文庫になったが、そこで付記されて『ミス』だったと。意図的ではないがミスだった、と。それが何かというと森さんの「シモヤマ・ケース」ですが。


事実を確認したいだけなんですが、記憶違いやミスはあると思います。でも、たとえば(ゲストの)くらたまさんだって漫画のときに誇張はするだろうけど全く正反対のことはえがききませんよね?
政治家はよく「記憶にございません」といいますが、普通それは「嘘を言ってるんだろ」と思いますよね。
森さんの本も、ここまで正反対だと単なる「記憶違い」というのはちょっと(疑わしい)。そのへんはどうですか。


森達也(以下M)
「ミスかどうか(※文脈から言って「ミスか意図的な捏造か」じゃなくて「ミスか真実か」の意味だろう)は、実は自分は分からない。ただ、一緒にいた人が(あとで本で)あれは嘘だと言うから、じゃあそうななのかな、と。TV番組にする構成案を作るときに見せて、彼は何も言ってなかったし、そういう記憶が固まっている。ただ本人がそういっているのだからたぶん違うのかな、ということで文庫の補記で書いた」



G「質問を何度もできればいいんですが、そういう場じゃ無いでしょうからあと一点。
森さんが、そういう第三者間のやり取りを客観的に見ていたとして、『記憶違いって言ってるんだから、記憶違いなんだろう』で済ませられますか?失礼かもしれないけど、捏造を疑いませんか?」


M「そこで捏造しても、あまりメリットがないから。あまり変わらないから。」


G「ああ、森さんの反論としては『意図的な捏造してもメリットはないから、記憶違いである』と」。


M「意図的でしょと聞かれたらそう答えますね。」


G「では最後に一点。この件に関して、公開の場で批判本の著者と議論するおつもりは?」


M「もし彼が望むなら。ただあの本を彼が書く前に、さんざん会ってやり取りしています。それで彼は、ああいう本を書くぞと僕に言って、僕はどうぞと。」


G「これは希望ですが、そのやり取りをぜひ記録に残してください。どんな主観的なものでもかまいませんので」

2006年12月16日、東京の丸善でのトークショーにて。
まあ、「記憶違いか意図的か」というのは内心、内面にかかることだから、ある程度以上は追及不可能。
だいたいはこんなところでしょう。メリット云々をもしさらに分析すると、あの発言が本の中(特に前半)でもたらす効果をどう評価するか、ってことになるが、それはだいぶ枝葉の話になるだろう。

それより、「批判本の著者(柴田哲孝氏)と公開で議論する用意がある」との言質を取れたことが幸いだった。
どこかにつながっていけばいいのだが・・・ってじゃあ早くアップすればよかったんだけどな。
締め切りがないブログ日記は、その日の現象に流されたりして怠惰に流れてしまう。

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

下山事件―最後の証言

下山事件―最後の証言