http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091025#p7
で紹介した記事がサイトに載りました。
http://book.asahi.com/review/TKY200910270154.html
増税が国を滅ぼす―保守派が語るアメリカ経済史 [著]A・B・ラッファー、S・ムーア、P・タナウス
[掲載]2009年10月25日 [評者]久保文明(東京大学教授・アメリカ政治)
■金融危機の「処方箋」としての減税
近年、小さな政府の思想は至る所で不人気である。本書はその立場からアメリカ経済の歴史を辿(たど)り、オバマ政権の経済政策を正面から批判したものだ。
著者の一人ラッファーは、減税をすると逆に税収が増える場合があることを示したいわゆる「ラッファー曲線」の考案者・・・(略)・・・ラッファーらが提唱した減税、通貨供給量縮小、そして規制緩和を実践したのがレーガン政権であった。因果関係の論証は困難であるが、アメリカ経済がその後好転したことは否定しがたい。著者らは減税がアメリカ経済にいかに貢献してきたかを力説している。
ちなみに、ラッファーはレーガンのブレーンであったが、驚くべきことに92年と96年の大統領選挙ではクリントンに投票していたことを本書で告白している。ブッシュ(父)の増税に憤慨し、クリントンの中道路線を評価したためである。
著者たちが提案する理想の税制は、フラット(単一税率)税である。具体的には08年のアメリカの場合、所得税、法人税とも12.1%で現行の税収を確保できるとする。所得が10倍の人は10倍の税金を払う。ほとんどの控除を廃止するので、特殊利益によるロビイングや会計士の出番はなくなる。現在東欧諸国を中心に24カ国がこの税制を採用している。
(略)・・・アメリカでは時流に抗しながら、このように思想の旗を立て続ける有力な集団がつねに存在することも示している。彼らの金融危機に対する処方箋(しょほうせん)は減税である。我々は現在、このような思想を一笑に付しがちだが、最近の経済成長率においてアメリカの方が日本や多くの西欧諸国より上であることも忘れてはならない。
そのついでに見つけたやつ
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