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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「公約原理主義」問題。公約は状況によって変えていいのか悪いのか

http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110101000333.html

・・・鳩山内閣の支持率は61・8%と9月中旬の発足直後の前回調査に比べ10・2ポイント下落した。経済・財政運営への不安、米軍普天間飛行場移設をめぐる発言の迷走、官僚OBを充てた日本郵政社長人事などが影響したとみられるが、依然として高水準を保っている。不支持率は22・9%。
 赤字国債発行を抑制するために民主党衆院選で掲げたマニフェスト政権公約)実現の先送りや一部修正を「してもよい」とする容認派が68・0%に上った・・・

今回は世論調査も、どんな項目をつくるかの「質問力」がためされるなー。各社の項目と数字に注目。

「選挙の公約はどんな反対や問題点があってもすべからく実現すべし。理由は公約したからだ」という考え方、公約原理主義というものがある。典型的な例が青島幸男の都市博覧会中止だ・・・という話は書いたデスね。

ああそうか、「ブログ市長」の話題のときに書いたんだっけ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090613#p5


最近、当時のことを書いた文章を読む機会があった。

私は青島知事が都市博中止を貫徹し公約を守ったことについては敬意を表したいと思っている。たしかに行政の連続性という点でも、国際信義の点でも問題はあった。
しかし、民主主義の根幹は「最終決定権は国民にある」ということだ。だからこそ政治家は公約を守らねばならない。政治家の公約を見て選挙民は投票するのだから。一度当選しておいて公約を撤回するのは国民に対する裏切り行為である。
ところが最近の日本は、この点についてのモラルが著しく低下していた。政治家は公約を守らないし、守られなくても国民は平気だ、という最悪の状態だった。青島氏が「愚直に」公約を守ったことは、その意味で頂門の一針となった。

これかいたの誰か?というと実は井沢元彦氏である。彼の「逆説の日本史」も考えてみれば超長期連載で、これが収録された4巻はその時代、1995-1996の文章なのだ。
彼は政治的には保守派ということになるのだろうし、実際この文章も「・・・の点では青島氏を支持するが」という前提で青島氏の単純な非武装中立的発想を批判するものだが、とまれ上のように「公約は実現するべし、なぜなら公約だから(それを掲げて当選したから)だ」・・・この論理と倫理は強い。

逆説の日本史4 中世鳴動編(小学館文庫): ケガレ思想と差別の謎

逆説の日本史4 中世鳴動編(小学館文庫): ケガレ思想と差別の謎


ただし、今回の政権交代に関しては「公約・マニフェストにうたってても見直し、変更をしてもいい。つーかしろ。君子豹変だ」という論者や論説が圧倒的に多かった。
最初は「あっ、朝日新聞が社説で」「北岡伸一も変更容認派か」「へえ・・・も」と一人一人カウントしてたけど、多すぎて放り出しちゃったよ(笑)。じゃあ「いい公約変更」と「悪い公約変更」は何がどうなのか。
「俺のときはだいぶたたかれたよ!」と消費税(売上税)導入をもくろんだ中曽根康弘と、40兆円以下に赤字国債を収められなかった小泉純一郎がいいたくなるかもしれないが(笑)、態度とかそういうことなんだろうかね。「たいしたことではない」と開き直るとやっぱり日本では受け入れられないようだ。

「連立」は「公約破り」の一手段になる、ということ。

つまり・・・たとえば選挙に「昼食はカツ丼」党と、「昼食は天丼」党が出たと。その結果カツ丼党が300議席を超えて圧勝、天丼党は一ケタ、しかも議席を減らしたと。
しかし・・・ここで連立協議を行い、協議のすえ連立方針は「天丼で」となったら・・・カツ丼党は「わが党だけの単独政権ではなく連立政権ですから。わたしたちはカツ丼だと思うんですけどねー、政党間で協議して決めるとなったらそうも自分の主張だけはいえませんよ」と逃げてしまえると(笑)
これは極端な例だけど、かつて複雑な連立政権が通常だったイタリアでは、これに類する事例が続出し、結局選挙結果よりその後の連立の政党間駆け引きで政治が動いた。 小選挙区の得票率と議席数の格差を問題とし、民意の数字をほぼ反映した比例代表制をよしとする議論もときたまあるが、こういう問題が出てくる、ということ。だれかの論議(名前を失念)だったがメモ。