数号前のニューズウィーク記事。ネット上にもあった。
ベネズエラ最大の「輸出品」は人材
Venezuela’s Brain Drain
2009年07月06日(月)17時01分
マック・マーゴリス(リオデジャネイロ支局)
[2009年7月 8日号掲載]
98年に初めてウゴ・チャベスを大統領に選んだとき、ベネズエラ国民は救世主になってほしいと期待した。だがチャベスは「専制君主」として企業や農園を接収。労働組合や政敵をつぶしにかかった。
あれから10年余り。チャベスに幻滅した多くの優秀な人材がベネズエラを後にしている。中南米経済システムの調査によれば、ベネズエラからOECD加盟国に流出した高度熟練労働者の数は、90〜07年の間に216%増えている。
(中略)科学者たちの境遇も似たようなものだ。チャベスは大統領になると、それまで大学に支給していた研究費を、自分の影響力を行使しやすい公的プロジェクトに移した。同国の研究者が国際的な専門誌に発表する論文の数は最近3年間で15%も減少した。
チャベスの「仲間たち」が率いる他の国も同じようなありさまだ。ボリビア、エクアドルとニカラグアでも、指導者たちは憲法改定やメディア弾圧に力を注いでいる。
(略)
これらの国々は世界経済フォーラムが発表する国際競争力ランキングで順位が下落。格付け会社フィッチは最近、ベネズエラ、ボリビアとエクアドルの債券をジャンク債並みに格下げした。こうした国々には、天然資源は豊富にあるかもしれない。だが彼らの最大の輸出品は今や鉱物や石油ではない。国内にとどめるべき人材だ。
中南米で、貧民を基盤層にポピュリズム政治を展開すると、あちらの知識層は当然、上流階級に属していないとなれないから、そことも対立する、という状況はあるだろう。
貧困の救済、底上げに対するやむを得ざる犠牲か、それとも最終的には「金の卵を産むガチョウを、ディナーのご馳走として食べてしまった」ような結果になるのか。ちょっと統計的な結果を見ないとわからない。
しかしニューズウィークはやや民主党よりな心情左派の部分があるんだが、この記事だけではなくて最近、「ホンジュラスの大統領解任は当然だ。彼は独裁者だった」的な記事も載っていてびっくりした。(ネットには無い様子)アメリカも一応、批判し、まだ国際的な承認はクーデター後の大統領は得ていないが、あの記事はアメリカの世論をどう反映しているのか。アメリカ政府の動きはどうなるか。