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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「植草被告の逮捕は国策捜査だ」というのは”セカンドレイプ”になるのかならないのか

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/223491/

 車内で女子高生に痴漢行為をしたとして、東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた元早稲田大学大学院教授、植草一秀被告(48)=1、2審実刑判決、上告中=が毎日新聞社発行の週刊誌「サンデー毎日」の記事で名誉を傷付けられたとして、同社側に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、東京高裁であった。山本博裁判長は33万円の支払いを命じた1審東京地裁判決を取り消し、植草被告側の逆転敗訴とした。

てなこと、これは本件とは離れた、派生的な民事裁判であるが。
それはそれとして、疑問はタイトルで言い尽くした通り。
前も書いたけど「有罪だ、いや無罪だ」と双方で主張をぶつけ合い、被告側は「合理的な疑い」を示せば無罪となるという、近代的な裁判の枠組みにおいては、そこに性犯罪を当てはめたとき、近代的な裁判制度それ自体が”セカンドレイプ”を、ある状況では必然的に生むんじゃないか?
という疑問が出てくるんですよね。
今も一定の割合で「植草氏は時の権力にとって都合が悪い言論をしていたから、国が陰謀で彼の痴漢容疑をでっち上げたのだ」という主張があり、朝日ニュースター愛川欽也パックインジャーナル」でも堂々と流れているが、もしこの容疑がその通りだったら被害女性は「国家権力の手先になって憂国の賢者を陥れた大悪党」という目で見られているわけで、これがセカンドレイプになるのかならないのか。
その一方で、これも前に書いたが痴漢冤罪も(国策捜査はともかく)一定の割合で存在し、多くは「被告は実際に被害にあったが加害者を勘違いしている」という主張ではあるが、少ないながら「被害を訴えた女性は悪意がある」というような認定がされたものもある。
このときに容疑者やその友人が「冤罪だ、不当逮捕だ。被害者はうそをついている」と声を挙げなかったらそのままだったということもある。
やっかいだ。
それも、避けられないほど、構造的にやっかいだ。
くしくも、話題になった別の集団順強姦容疑で、容疑者だった人たちが起訴猶予処分になったことが発表された。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090623ddm041040065000c.html