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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ストリートビュー批判の新聞記事、識者談話は「ストビューは報道機関とは違う」と。

http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20080905.html#p01
朝日新聞2008年9月2日朝刊社会面の記事が転載されている。
私はストリートビューに関して「となりのビッグブラザー」という言い方でぽちぽち短文を書き、それが最後にまとめられればいいなあと思っているのだが、ひとつの中心的な興味は、「ひろく『特定の被写体には無断で、公共の場所で撮影し・公開する』という行為を統一的に、矛盾無く是非を判断できる枠組みは無いか?」という点です。逆にストリートビューを例外扱いできる方法があればそれはそれでいい。

で、上の新聞では「情報セキュリティーに詳しい牧野二郎弁護士」の見解として

社会的な利益にかなうとある程度認められている報道機関と違い


とある。それで区切るという寸法か。どの程度「スジのいい」議論かはちょっと分からない。
前書いた文章を、再録させてください。

[時事][映画][法哲学][読書][ブログ]Googleストリートビューがダメなら、ドキュメンタリー映画の一部(例:「靖国」)もダメなんじゃね?と今思いついた。


本当は、この前書きかけの「となりのブックブラザー」論(http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080810#p5)を展開、完成させてその一部として盛り込むべき話なんだけど、いまふとピン!と思いついたので、まずは独立エントリーとして書いておく。

グーグルストリートビューと、作品中に周辺風景を映したドキュメンタリー(一例:李纓監督「靖国」)の共通点

■カメラで街や、ある施設周辺の風景を撮影します。
■そのとき、そこにいる人や車の映像もまあ写り込むかもしれないネ。
■その素材を編集し、不特定多数の人に公開します(商業的に)。
■大多数の人には問題ないけど、見る人が見た時には「えっ、XXXさんってあんな場所に行ってたの?」「わー、俺があの日あそこを歩いてたことは知られるとやばいのに!」と、その個人の特定が問題になるかもしれないネ。

どうっすか。

たとえば森達也氏はこの「靖国」で一時、出演者の一人が意図と違うと述べたらしい、とか靖国神社から「許可なしで撮影した」とクレームが来た・・・というような問題に対し

被写体を撮る時は街や雑踏が背景に映ります。(略)一瞬だけ映りこんだ人だって事情は同じです。映りこんだ現実すべてから了解を撮らなければいけないのなら、もう街中でカメラを回せません。スタジオのセットと職業俳優しか撮れなくなる。報道も含めて、映像メディア全般の問題です
それがドキュメンタリーというものです。(後略)


※この本の59Pより

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)

とやや逆ギレっぽい(笑)主張をしているが、これ、引用した最後の部分の「ドキュメンタリー」を「ストリートビュー」に代えたらどうなるだろうか。ねえ。

これも単なるケンカじゃなくて、どっちが正しいかでさまざまなメディアは大きく揺らぐ。

http://www.j-cast.com/2008/08/26025743.html

堀江さんは、東京・六本木ヒルズの自宅近くで行われた麻布十番納涼まつりに参加したとき、裏通りでいきなり写真週刊誌「FLASH」の専属カメラマンに撮られたと告白した。日記では、その撮影方法について、怒りをぶちまけている。

「リラックスして近所の祭りを楽しんでいるのに無粋なやつめ。撮るのやめろっていってもやめないし」

そして、カメラマンは、こんな言い訳をしたというのだ。「あなたを撮っているのではなく、風景をとっていたら、あなたが勝手に写っていた」。堀江さんは、この言い訳を意味が分からないとして、なんと「キモ」と捨て台詞まで吐いてみせた。

これに対し、個人ブログを開設していたカメラマンが、23日付日記ですかさず反応した。よほど驚いたらしく、「ホリエモンブログに登場しました!」とタイトルにある。日記で、カメラマンは、いつも黙って撮らせるのに、その日は堀江さんが絡んできたと指摘。風景を撮っていたと言ったことを認め、絡まれたら、「あなた誰?」と答えて、自意識過剰の堀江さんらの面目を確実に潰すともしている。

さらに、「撮られたくないなら変装したり、人に見つかりやすい場所には出ない方がいい」「スカート中など、普通に見えないもの以外で撮ってはいけないものなどない」とも述べている。