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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ビキニ」という言葉はそもそも核実験由来だという話(呉智英の本から)

この前、ちょっと海にいって泳いできました。かなり日に焼けて背中がいてえ。
東京方面で電車に乗っていくなら、本格的な海水浴場として一番いいのは逗子ですかね。駅から歩いて6分ほどで、湘南新宿ラインによって池袋や新宿から約1時間でいくことが出来る。
ところで、そういう海水浴場で目に付くのがビキニの水着です。
いや、偶然目に入るんですよ、自然に(笑)。

さて、この「ビキニ」ですが、なんでビキニというのか。グーグルさんにお尋ねする。
「ビキニ 語源」で検索

・・・・・・とまあ、こういうことなんでし。
これは私の発見ということではなく、おなじみ呉智英が…昔はどの本に何が書いてあるかすべてわかっていたんだがなあ。
たぶん「危険な思想家」に収録した一文で指摘している。
たしか、反戦団体が同じように原爆、水爆を「衝撃的だ、すごい破壊力だ」という意味で比喩として使った何かのCMに対して批判、撤回させたという話から、これを紹介したんだよな。
呉智英はこういうお話が大好きで、おりに触れ発見しては喜んでいる(笑)。

危険な思想家 (双葉文庫)

危険な思想家 (双葉文庫)

さて、それをなぜ紹介したかというと
「まるでAはB(非常に悪い事例、用語)のようだ」
という批判に対し
「Bというのは非常に重い事例であり用語。一緒くたに比喩として使うのが逆に失礼で冒涜的だ」
という反批判がある・・・・・・・という話題に、新たに参入したかったからだ(笑)。


「麻生太郎 ナチス」で検索


はてな村で今ホットな問題は、多方面に広がりすぎてるからキーワードを使おう。
ホロコースト
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%db%a5%ed%a5%b3%a1%bc%a5%b9%a5%c8
デスマーチ
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C1

ここ一ヶ月で、これに触れているエントリの多くは、比喩の問題について触れたものが多いようだ。
あと、今さっき読んでこの問題(が広がっていること)を知ったきっかけになったので
http://d.hatena.ne.jp/sk-44/20080821
を紹介しておく。



で、なんで同じような悲惨な歴史を持ちながら、扱いが違うのか。
結論としては
「なんか問題視される前に広まっちゃって、定着しちゃえば、論理的に考えると問題でもまあ許してもらえる」
という感じだ、としかいいようがないみたい。
ホロコーストナチス関連がいまだに飛びぬけてセンシティブなのは、実際の規模や特異さもあるし、相手がセンシティブだからセンシティブなのだ、ということもいえよう。
麻生だけでなく、亀井静香もかつて郵政解散の時、小泉純一郎ヒトラーに例えて、その比喩自体が不適切と批判されたことがある。

「亀井静香 ヒトラー 外国人特派員協会」で検索


多少の修正は効くようで、週刊プロレスは90年代初頭?に「ものすごい技」という意味で命名された「原爆固め」を「ジャーマンスープレックス」に修正した。ただ「原爆固め」が滅びたかというとそんなことはない。


個人的には「造反有理」ということばを、時々「いい意味」で使う人がいるのはすっごくまずいんじゃないか、と思うんだが。
あれも世界史上に名を残す悲劇と、独裁者によって広まった言葉だからね。

【追記】やっぱり一文は「危険な思想家」からでした。読みにくいかもしれませんが、写す時間が無いので写真をUPします。気合を入れれば読めるはず。(※あとからテキスト追加)


どうしてビキニなのか。「広辞苑」にこうある。
「ビキニ:南洋群島マーシャル諸島の北部に位置する小島。アメリカの原子爆弾水素爆弾の実験場 2:(着用時の効果は戯れに核爆発になぞらえての称)胸と腰だけを覆う形の婦人用水着」
露出度の高い水着をつけた時の注目効果がまるで原爆並みという意味で「ビキニ」なのである。ユーモアの気持ちを込めて原爆が使われているのである。かくして夏の季語のように「ビキニ」という言葉は商品化され、人々の耳目をそばだたせて今に至っている。しかし良識家の家誰一人としてこれを問題にしようとしない。
既成事実となれば勝ちなのだろうか。外国のことだから許されているのだろうか。
呉智英「危険な思想家」)

危険な思想家 (双葉文庫)

危険な思想家 (双葉文庫)