今月の文芸春秋には「さいとうたかを・麻生太郎対談」というのが掲載されている。
ある程度の有名人は、何かに対しファンだファンだと言っているといつかは対談の機会が巡ってきます。頑張れジョシュ・バーネット君(笑)。
さて、ゴルゴ13といえば相当な研究書やファンの論考が出回っているから、今回の話とかも有名な話なのかもしれない。
でもまあ僕が今回、初めて知って感心したので紹介するわ。
実はデューク東郷の「東郷」はさいとうが中学だか高校の時だかの恩師の名前なんだそうな。
ただ、この人に本当に親しくしてもらったとか、子どものようにかわいがってもらったとかではない。
これは吉田豪のインタビューで読んだ記憶あるけど、さいとうは思春期、頭は良かったのだろうが学校向けの知性とは違っていて、しかも不良っ気があったので、テストなんかは馬鹿にして、わざと反抗のために全くの白紙で提出するということを繰り返していた。
すると、東郷先生が、さいとうを呼び出した。
さいとうは、なんの教師が怒ったらいいかえしてやるぞとやる気満々で身構えていると、東郷先生いわく。
「回答が白紙なのは、君の考えがあるのだろう。それには何も言わない、君の自由だ。
しかし、この白紙は、君が君の責任において出したんだろう?
ならば、自分の名前だけは書いて出すべきじゃないかね」
若きさいとう・たかを、うーんと一本とられた。
そして後日、無敵にしてクールな暗殺者の名前に、この教師の苗字を拝借したとのこと。
麻生太郎は「すごいな、それ講演で使わせてください」と大いに感心していた。