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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【質問】さいとう・たかを先生を怒らせ、しかしその彼を実力で”撃破”した日常系漫画があるらしい。作品名、何?(ビッグコミックのインタビューより)

twitterとダブル投稿。
ツリーの最初だけ埋め込み形式に。


2:さいとう・たかを先生曰く
・自分は以前、某賞の選考委員だった
・あるときの有力候補が、男女の(だったかな?)何気ない日常を描く作品だった。日常描く漫画なぞワシは認めん!と強硬に主張し、その作品は好評だったがその回の受賞は逃した
・次の回もその作品はノミネートされた
(続く)


3:この時は、ほかの審査員がほぼ満場一致に近い形でその作品を推した。
さいとう・たかを先生「これが受賞するぐらいなら、ワシのほうが審査員を降りる!」とまで抵抗したが、最終的にこの作品が受賞。
さいとう先生は、わかったとその回で審査員を降りた…

…下世話な興味だが、なんて作品?


4:いや、あっぱれではありませんか
さいとう・たかを先生が「日常を描く漫画なんて漫画じゃない!」との信念に殉じたのもあっぱれ。
それにも関わらす、二度もその賞にノミネートされ、他の大物審査員に包囲網を敷かせて、堂々さいとう城を落城させたその日常作品もあっぱれ。
(次でおわり)


5:漫画界にちょっと詳しく調べられる人には、
賞の特定も作品名の特定もたやすいだろう。
分かった人は教えてください。
https://twitter.com/gryphonjapan/status/875462892253978624

※そして繰り返しだが、さいとう氏自身の述懐は
現在発売中のビッグコミックで読めます。

さいとう・たかを賞の創設について。「原作(ストーリー)と作画者が当たり前のように分離すると思ったら、そうならなかった」という危機感と焦りが生んだ賞らしい。

この賞の解説には、この記事を使おう

さいとう・たかを賞」創設に反響の声! 『ゴルゴ13』制作システムの文化継承を目指す  | ダ・ヴィンチニュース https://ddnavi.com/news/350279/


・・・・・同賞はさいとうの名前を冠しただけの漫画賞ではなく、さいとう・たかをの“制作システムの文化を継承する後継者”という視点で公募しており、「これは面白い試み!」「応募条件がマジじゃん」と注目を集めている。
(略)
今回創設された「さいとう・たかを賞」の応募作品は、シナリオと作画が分かれていることが条件。そして“成人男女を主な読者と想定されたコミック作品”であること、“10代の少年少女を主な対象とした作品は該当しない”としている・・


同賞はたしか「編集者部門」もあるのよ・・・・・・・・「部門」ではないか。賞品を贈る対象に編集者や編集部も入ってる、と。

http://www.saito-pro.co.jp/gekigafound_info.html
賞品
正賞 ゴルゴ13像 [シナリオライター作画家・編集者(または編集部)に各1点]
副賞 賞金各50万円 [シナリオライター作画家]

ま、ふしぎといえば確かに不思議で、
なぜに今でもひとりの作家が話をかき、絵もかくのが主流なのかね?
手塚治虫の魔力とその系譜、で説明するわけにもいかぬ…(今回のインタビューでも、さいとう氏のほうから手塚治虫を引き合いに出し「(本来)両方やるのは手塚的天才しかできないはずなのに!」と愚痴ってる)

「こちらが主流になると思ったらならない。このままじゃ原作/作画による漫画文化の将来が不安だ…俺の名前をつけた賞をぶっこむか!」
とまでイライラさせてるんだよな。

これは「日本漫画」の特徴ってことでいいんだろうか。
最近話題の「世界観」を含め、基本キャラクターなどを出版社が握って、それを作家に振って描かせるビジネスは、日本ではいま、どんな感じなんだろうか。


そしてさいとう氏は「本当は俺は、そういう分業漫画で『プロデューサー』役になりたかったんだ。でも俺の『作画』をさいとうプロが手放さなかったんで、結局80まで現役の作画家よ」という、自業自得もいいところの後悔をしているという(笑)

さいとう・たかを氏は「コミック乱」でも、80歳記念インタビューしてます

こっちにも面白い話あったんだが、あとで