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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

でもスペース余りそうだから”代講”を頼もう

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20080126-OYT1T00066.htm

1月26日付 編集手帳
 フランスの作家、ルナールの詩文集「博物誌」に、「蝶(ちょう)」という作品がある。たった1行。「二つ折りの恋文が花の番地をさがしている」◆「蝶」の右側、「葉」の草かんむりを除いた旁(つくり)の部分は、薄くて平らな姿かたちを意味するという。はがき(葉書)の葉にも通じ、漢字の名前からして郵便屋さんに似つかわしい。魚の同業は誰だろう。虫偏を魚偏に換えると「鰈」、カレイになる◆千葉県銚子市に水揚げされたカレイ科の魚、サメガレイの背中に1通の手紙が張りついていた。14年前、川崎市の小学1年生の女の子が学校の記念行事で風船につけて飛ばした手紙という。海に落ち、歳月を経て郵便屋さんと出会ったらしい◆「おてがみをひろったかたはおへんじをください」。女の子は今、21歳の大学生という。たどたどしくも一心に書かれた文面を見て、友だちや先生の顔を懐かしく思い出しているに違いない◆手紙の中には、それを書いた当時のままの自分がいる。普通は届けられた先でしまわれ、あるいは捨てられて、過去の自分に再びまみえることはない。海の郵便屋さんのお手柄だろう◆そういえば昔、蝶が花の番地を見つけられなかったのか、返事の来ない手紙を書いたっけ…と、サメガレイの労をねぎらいながら遠い記憶がひとつ、ふたつ、胸をかすめぬでもない。

(2008年1月26日01時39分 読売新聞)

もう、今は常識になっているが、現在のランキングで、新聞巻頭コラムの中では読売「編集手帳」子が絶対王者であることは間違いない。
ただ、もう既にオールタイムでも、深代惇郎氏らのはるか上に位置していると思う。
今回紹介のこれだって、編集手帳の中では大した傑作ではないと思うし、引用もコラムとしてはお馴染み(蛇の時もルナールの「長すぎる!」はよく引用される)なのだが、にも関わらず、味がある。


あ、でも蝶→鰈を「字が似ている」プラス「手紙を運ぶ」(ルナールの詩)につなげるってそうそう簡単にできるものじゃないか。
やっぱりすげーよ。



元ネタニュース

http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20080126-312173.html