録画しておいたNHK「プロフェッショナル仕事の流儀 長崎尚志」を見た。
編集者、原作者はここまで関わるのか、こうも気を配るのか(台詞の文字配置、文字通り一字にまで注文する)とシロート的には驚いた。
ただ、それ以上に特筆しておかなきゃいかんのは、その番組の中で
「現在長崎さんは、ノンフィクションのベストセラーを基にした漫画を企画中・・・」とナレーションがあり、そこで大写しになったのが
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/05/30
- メディア: 単行本
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だった。
こりゃあ期待大。ソ連崩壊の止めを刺した「91年クーデター」の舞台裏を描き、「国家崩壊もの」というジャンルを勝手に定義するなら、その中でも傑作だと思います。これが漫画になるとしたら面白い。
もし、本当に具体化したときは漫画関連のニュース速報で定評ある「最後通牒・こぼれ話」http://d.hatena.ne.jp/oroshi/
で、紹介されるでしょう。
「パイナップルARMY」連載打ち切りの危機だった。
パイナップルARMY (Operation 1) (小学館文庫)
- 作者: 工藤かずや
- 出版社/メーカー: 小学館
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が、連載当初、小学館の偉い人から「絵がコドモッぽ過ぎる」と打ち切りを指示されていたというのだ。
その役員は匿名だったが、漫画に無理解な硬派親父でなく、何本も作品をヒットさせた人で、彼は会議の場でパイナップルARMYのページを破り捨てたというという。
ただ、現場の最高責任者でビッグコミックでは伝説の編集者(あぶさん、釣りバカ日誌、人間交差点を企画)だった当時の編集長が「ページを破るなんて許せない」と逆に反発。応援した結果、その後出た第一巻が新人漫画家としては異例のヒットを記録し打ち切り危機は免れたという。
小生は、あの作品を連載終了間際から読み始めたのかな。
何がきっかけだったんだっけ。あの当時は落合信彦や柘植久慶によってプチミリタリーブームが(ウチの学校だけか?)あったりしたのだ。
なんにせよ、すでに評価が定まっていたし、それに後に「浦沢直樹初期短編集」を読むと、とにかく新人のころからめちゃくちゃ才能があって面白い作品を書いていた人だ。一度も挫折なく、トントンと評価されていたのだろうと思っていた。実際、パイナップルARMYのどこが面白くないのかわからんし。
打ち切れといった役員氏は、絵柄に文句があったらしい。ビッグコミック的な雑誌から考えると、たしかにあの当時はああいう絵も「アニメっぽい」ということになったのかね。そのへんは時代の制約だったのかな。
編集長氏の対策は「冒頭のシーンは古城とか、シックな風景を描け」「舞台はアメリカではなくヨーロッパにしろ」ということだったから、やはり劇画と漫画が掲載場所も含めて融合していく過程の一環だったのだろう。