もうすぐ今月号が並ぶ季節なので、できる限りこれまでの雑誌の話題を消化しておこう。
まず、この前も紹介したkamipro110号の「インサイド・コリア」(隊長こと大川義之氏)についてだが、もっと話題になるべき情報がぎっしり詰め込まれている。
箇条書きでいこう。
韓国TV局とK-1、PRIDE。そして放映権料が!
XTM(註:スポーツ専門ケーブルTV)はこれまで数年間にわたって『PRIDE』の生中継をして人気を得てきた新興のテレビ局だが、今年になって「PRIDE」からK-1に鞍替えし、2010年までのすべてのK-1系大会(GP、MAX、HERO'S、Dynamite!)の放映権を総額310億ウォン(39億円)で買い取った。
3年で約40億円。日本のTVコンテンツが海外市場で売れた例としてはかなりの上位といってもいいのではないだろうか。k-1は(PRIDEも)アメリカ進出に関しては「アメリカでは凄いんですよ〜」というのをプロモーションにそのまま活用するくせに、韓国に関してはその人気ぶりのアピールっちゅうのが少ないよな。
ねじれ現象
これはちょっと要約して説明させてもらうが、韓国の人気総合団体スピリットMCは、例のジョーク連合・・・じゃなかったK-1中心のアライアンスに加盟するようなしないような、って感じなのは周知の通り(というか、このコラムがスクープして周知の事実となった)。
これはそのXTMが、スピリットMCやそのリアリティーショー「GO!スーパーコリアン」を放送していて、既にスピリットMCはXTMの親会社に株を売っているとの説もあるそうだ。だが一方で、これまでスピリットMCはデニス・カーン参戦のようにPRIDE志向。系列グループと自分の方針とのねじれが、態度のぶれになっているとの推測。
国産大会が海外メジャー大会に完勝!!日本が逆に学ぶとき?
今回のエントリで一番いいたいのはここ。
(GO!スーパーコリアンなどの力で)一般層からの支持も多く受けるようになった。
とくに07年3月11日に開催された大会では、デニス・カーンの保持する無差別級のタイトルマッチや各階級の挑戦者決定戦などを売りにして、スピリットMC史上最高の視聴率を獲得した。驚くべきは、このときの視聴率が同時期にあった2月の「PRIDE-33 」ラスベガス大会の2倍近い数字を記録したことだ。いまやスピリットMCは韓国で「PRIDE」と肩を並べるコンテンツに成長しているのだ。
驚きのようでいて、驚きではない。
今、自分の書いたエントリを思い出したんで、前半部分だけ再録する。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070326#p1
世界のPRIDEから「日本(アジア)のPRIDE」、実はいい結果を?
・・・・UFCとPRIDEが関係を強化(婉曲表現)した場合、超一流選手の多くがオクタゴンをベースに闘うようになる、ことは大いにあり得るでしょう。
だが、それがむしろいい結果を出したりしないでしょうか?
まあお茶でも飲んでじっくり話しましょう。ズズズ。
最近、2試合ほどWOWOWでUFCを見ていて思ったのですが、やっぱり縁もゆかりも無いというか、予備知識一切無しでアメリカ人同士の試合を観てもやっぱり印象に残らないってえ部分がある。(その試合内容がものすごくよかった時はともかく。)しかし逆に言えば、アメリカのファンはアメリカ人同士の試合を、ある程度ゲタを履かせて楽しむことが出来るわけですな。
逆に、アメリカ人がPPVでPRIDE見ても、日本人で見て楽しめるのは全盛期のサクラバとか、ゴミやアオキぐらいなもんで、某や某などに対しては「何でこいつがPRIDEに出てるの?」と思ってたでしょう、やっぱり。
ここでナショナリズムという厄介な話を持ち出すとややこしくなるが、日本なら日本、アメリカならアメリカのご当地味付けはやっぱり必要なのでしょう。
もちろん「ヒョードルへの声援>コールマンへの声援」で全業界に衝撃を与えたPRIDEラスベガス大会や、すっかり定着したK-1GP、決勝が4人全員外国籍でも盛り上がったPRIDE無差別GPもある。超一流同士の試合なら、その国や地域に関係なく人気を呼ぶのだろう。しかし。
ここでPRIDEの最近の傾向を見ると・・・・・五味隆典がいるからまたそれは例外としても、ミドルなんかでは、なかなか日本人が結果は出ないでしょう。マウリシオ・ショーグンやヒカルド・アローナ、パウロ・フィリョに日本人の誰が勝てるというのだ。
こういう人はUFCにお引取りいただき、ほどよい相手と日本人エースがメインイベントで戦って、日本人が快勝。
それで中村和裕当たりが調子に乗ってマイクアピールして大会を〆る。
こっちのほうが、マス・リングとしては盛り上がりませんか? なんか憂鬱だけど。
こういう構造が出来たとき、「面白いけど、やっぱり本場はXXなんだよな・・・」となってしらけるかどうか。
韓国で、自前選手の興行がPRIDEの2倍の視聴率。やはりこれは、謙虚に学ぶ必要があるのではないか。というか、むしろ修斗やパンクラスですらここに何かしら学ぶものがあるかもしれない。後一つは、やはりリアリティ・ショーは飛び道具っぽいね、ということ。いまのご時世でテレビ局と組んでショーを放送、というのも言うほど簡単ではないだろうが、成功すればやっぱり実入りは大きそうだ。
ところでスピリットMCは4月22日にも大会を開催したとの事。
どんな感じだったのだろうか?