てな妄想を書いていたら(笑)、真面目なこの作品を思い出した。
東洋における名人のイメージというものは、ここに書きつくされているのではないか。
「名人伝」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/621_14498.html
・・・彼は相手の返辞をも待たず、いきなり背に負うた楊幹麻筋(ようかんまきん)の弓を外して手に執った。そうして、石碣(せきけつ)の矢をつがえると、折から空の高くを飛び過ぎて行く渡り鳥の群に向って狙いを定める。弦に応じて、一箭たちまち五羽の大鳥が鮮やかに碧空を切って落ちて来た。
一通り出来るようじゃな、と老人が穏かな微笑を含んで言う。だが、それは所詮射之射(しゃのしゃ)というもの、好漢いまだ不射之射を知らぬと見える・・・・・
いやいや、一節を紹介しようと思ったらつい全部読んじゃった。
あらためて面白いなぁ。
同時に、このパロディを、「大人のための残酷童話」作者が書いてたな。なんていったっけか。
今いろいろ検索して見つけました。倉橋由美子「名人伝補遺」だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/coolfrenezie/diary/200506180001/
要は、グラップラー刃牙の中でも名言とされる
「達人は保護されているッ!!」
というアレを、これも書ききった先行作品なのだ。
「名人伝」がすばらしい短編であればあるほど、カウンターパンチのようにこのパロディの破壊力も高まるというわけ。すぐ立ち読みできるほどの掌編なので、一読の価値はあるよ。
95万ヒットになってました