キューバの医療水準の話をしたところで続けます。
この前、毎日新聞の救急医療企画記事を紹介し「期待大」としめくくったが、初回から医療現場の人からの評判は悪かったようなのだ。
コメント欄より
# ダイス 『http://d.hatena.ne.jp/NATROM/
現場からの声も読んでおこう。このblogからリンク張られてる救急隊員のページも必読。』
ここは面白い。さっそくアンテナに入れたのですが、既に105人が登録する有名ブログでした。
この毎日企画記事に関しては
「入院の必要がない軽症者が転送された率は0.3%だが、重症者の転送率はその6倍を超す1.9%で、重症者の方が転送により治療開始時間が遅れる危険性が高かった」
「最初の病院で治療を受けた患者の院内死亡率は11.7%だったが、転送された患者は同15%と高くなっていた。」
という記述に関し
重症者の転送率はその6倍を超す1.9%」ってことは、救急隊員によるトリアージが、重症者にかぎってすら、98%以上は適切であったってこと。100%でなくて誠に申し訳ございませんね。
「重症者の転送は、患者の死亡率を上昇させる恐れがある」って、■入院は死亡のリスクを高めるって話と同じ構図だね。状態がやばいから転送されるだけなのではないか。
と反論している。後者は「結核患者が一番多いのはカリフォルニア」というネタ(別にカ州に原因があるのではなく、結核患者が療養のために気候のいい同地に集まる)で、折に触れ
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を紹介している自分としてはお馴染みの議論なのだが、記事を読んでもうっかり見逃していて失敗だった。この書き手は、このHNのままでもいいからどこかが文章を依頼しないかね。
「サイゾー」あたりはテイストに合っていると思うが。こういうとき「宝島30」があったらいいなと思う。
そういえば
いま医療界・法曹界で大きな騒ぎになっているのが
http://www006.upp.so-net.ne.jp/drkato/
だが、昨日
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060320AT1G2002720032006.html
日航機ニアミス、管制官2人無罪・システム不備など示唆
2001年に静岡県焼津市上空で日航機同士が異常接近(ニアミス)した事故で、誤った指示で乗客57人を負傷させたとして、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部管制官、籾井康子(37)、蜂谷秀樹(31)両被告の判決公判が20日、東京地裁であった。安井久治裁判長は「事故の予見可能性はなく、指示ミスと事故との因果関係もなかった」として、いずれも無罪を言い渡した。ニアミス事故で管制官の刑事責任が問われた初のケースとなった同事故で、機長は不起訴とされた。安井裁判長は「本件で管制官や機長の個人の刑事責任を追及するのは相当でないように思われる」と言及。航空管制システムや制度の不備が事故につながったとの見方を示唆した。
との判決があった。構造は似ているでしょ
自分の問題意識としては、http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050501#p2の後半部分とつながる。