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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

WBCとキューバ

ワールド・ベースボール・クラシックは本日決勝だ。まあこれこそ本来的には格が違うけど、日本の大番狂わせを期待しましょう。


さて、そのキューバ
小生は、中進国とか途上国というと失礼だが、小国が「うまくやっている」事例をいろいろ探すのを最近の興味リストに加えている(それほどの蓄積は無く、まだまだ勉強途中です)。
そういうときは、南米の事例に触れることが多いのだが、そういう中では「キューバはうまくやっている」という話をよく聞くのだ。


なにしろ自然に考えて、最大の貿易相手になり得る国が経済制裁を続けていることもあるし、以前は「友好価格」での対ソ貿易もあったから、自然な経済状態ではない。ただソ連崩壊後、かなりヤバい状態から、いろいろと手を尽くして持ち直したとされる。
必要は発明の母とばかり有機肥料をリサイクルでまかなう技術も進歩させたらしいし、例の「赤いサンタクロース」チャベス大統領のベネズエラに医者を派遣して外貨を稼いでいるそうだ。(キューバの医療水準は南米では高い)


その半面、一党独裁を続けており、それに微塵も疑いを抱いていないことも事実なのだけども。



前、私はこのブログで「権力者の明るさは七難を隠す」という司馬遼太郎の言葉を紹介し、それでフィデル・カストロを連想したと書いたことがある。
沢木耕太郎カストロに会ったとき、彼がボクシングのノンフィクションを多く書いたことを知るや「俺もボクシングやってたんだぞ、強かったんだぞ」とコドモじみた自慢をしていた。こういう子供っぽさはアフリカの独裁者にも多いのだが、カストロのそれには好意的でもアフリカの有象無象には否定的なのは我ながらダブスタです(笑))



んで、そのときこの本を紹介したつもりだったがうっかりまだ未紹介だった。

カストロ、銅像なき権力者

カストロ、銅像なき権力者


もともと戸井氏(というかその世代)は、カストロチェ・ゲバラにロマンの香りを過剰に感じるタイプであって、その部分の熱をちょっとは割り引かねばとは思う。ただ、カストロが今なお生きる「最後の、20世紀のリビング・レジェンド」であることも間違いじゃないので、まあ読んで判断してもらおう。
熱があるから書ける文章でもある。

カストロゲバラ伝説はこれらで。
http://members.jcom.home.ne.jp/tana-masa/kansyoki/castro.htm
http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/che-guevara.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009KMIV/250-9802932-8906654
ゲバラの、キューバを去るに当たっての手紙(「ギャラリーフェイク」でも、ゲバラの遺品をめぐる回で引用されていた)

・・・・君とわれわれの人民に語りたいことはたくさんあるが、それはもう必要のないことなのだろう。言葉は私が望むことを表現しえない。これ以上紙をよごすまでのこともないだろう。勝利に向かって常に前進せよ。祖国か死か。革命的情熱をもって君を抱擁する。

                       チエ


http://www.uranus.dti.ne.jp/~yuugeki/cheri.htm


戸井本の題名の「銅像無き権力者」とは、法律で実際に生存中の人物の銅像は禁止しているからだそうで、これだけでもキム親子には爪の垢をせんじて飲んで欲しいな。いや呑むべき人物は日本にもいるか。


田中芳樹の「灼熱の竜騎兵」(最後は作者が投げ出して敵前逃亡(他人に執筆させた)!なんつーやつだ)や、銀英伝の前史である「地球vsシリウス連邦」にはかなりキューバ革命からの換骨奪胎がある。が、別にラインハルト・フォン・ローエングラム帝が自由惑星同盟を占領後、首都のアーレ・ハイネセン像を撤去したのは、彼の政策を真似したわけではない(笑)。



まったく余談だが、キューバン・アサシンというプロレスラーはしょっぱかった。
DDTキューバ軍団はどうかな。

というわけでWBCにはほとんど触れないキューバ話おしまい