週刊モーニングの最新号は本日発売だが、まだ見ていないので先週までのお話。
今回の光秀叛乱は、同作品の既定路線どおり「古典秩序と伝統を尊重、体現する光秀が、それを完膚なきまでに破壊しようとする信長に待ったをかける」という動機ということで描かれるようです。それに「功績ある家臣を容赦なく粛清し、酷使して振り回す信長に、虐げられた彼らの右代表として立ち向かう」という部分も加味されている。
へうげものでは、徳川家康と三河武士のキャラクターが「美にまったく興味がなく、趣向を凝らした数奇には『贅沢だ』と怒り出す田舎者」という設定で、やや類型的なのでは?との声もあるが、私は各自の美に対するスタンスは、少なくとも前半ではやや「型」として各自に割りふったほうが分かりやすいと思うんだよね。
それが今後、微妙に揺らいでもいいし、その役割を担った人たちが相打ってもいいし。
さて話がそれた。
実は明智光秀が、なんで信長に叛乱を起こしたの?という点には全く定説が無い。
なにしろ400年以上前の話、「真相が分からないことは、はっきり分かる」と言ってもいいわけで、その分奔放なる想像力を働かせることが出来る。
信長のいじめ、乱暴説というのは、江戸期の創作らしい。
最近は「朝廷黒幕説」というのが人気を集めているよね(井沢元彦とか)。
その他、十数の諸説があるらしい。
最近、どっかの新書から、鈴木真哉という人が「本能寺の謎をとく」みたいな本を出していた。この人は「鉄砲と日本人」という話題作で、「長篠合戦で一般に流布されているイメージは大間違い」などを論じ評判を得た。
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反面、けっこう批判も反論も呼んでいるようだが、自分としては結構、真哉ビリーバーといってもいい。
ただし最新作の本能寺論は「あんまり陰謀史観で面白く作りなさんな。明智光秀も、戦国武将の雄として相当にしたたかで野心的であり、その野心的な武将が天下を狙ったっておかしくないだろう」という「正論」でやや肩透かし。
「へうげもの」の「常識人光秀が、常識破りの天才信長に耐えられず・・・」という、モーツァルトとサリエリ的(こっちも結構フィクション)な読みは、元は司馬遼太郎「国盗り物語」でいいんだろうか?
実は「常識人の『すいません、私らついていけません』という、常識を代表しての異形の”天才”への叛乱」ということなら、史実としてももっとありうるのは、
の関係だと思うのだが、いかがでしょうか。
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さらに小さいとこでいえば、角川春樹ー角川歴彦・・・・いやいや、じつはこの二人は、二人とも天才(天災)だ。これもいずれ紹介しよう。
そういえばハルキさん、「男たちの大和」の首尾よくの大ヒットでますます意気軒昂、次回作はオールモンゴルロケの「ジンギスカン」なんだそうで。
本当は、けっこうこちらも盛り上がっている、へうげものとあわせての「漫画雑誌の戦国三本の矢」(俺が勝手に命名)である
「センゴク」
「風魔伝ハヤテ」
のことにも触れたいのだが、その余裕は無いのでここにて読みきり。