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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ニューヨークタイムズをめぐる攻防(「戦争広告代理店」より。前日から続く)

前日付の記事に続き、この前のニューヨーク・タイムズが出した、麻生太郎外相を批判する社説についてもう少し続ける。まずは同紙の社説は、その正否や事実確認とは別に、出ること自体が「パワー」であり、そのパワーを得るために、みんなが猛烈に動いているということを是非この機会に知って欲しいのだ。

何度も耳にたこができるほど「10年に一度の傑作」と言い続けてきた高木徹のノンフィクション「戦争広告代理店」から今一度引用する。

ハーフが「民族浄化」を広めるため狙いをつけたもう一つのターゲットが、大新聞の「論説委員会議」だった。「ニューヨーク・タイムス」や「ワシントン・ポスト」など、アメリカの主要新聞は「論説委員会議」という情報収集のシステムを持っている。論説委員がニュースの主役を呼び、直接話を聞くという会合だ。そこで得た情報を参考にして社説を書くためである。
アメリカの新聞では現地で取材し記事を書く記者と、社説を書く論説委員は完全に区別されている(註:このくだりを自分も忘れていたが、だとすると今回のNYT社説がNorimitsu Onishi大西哲光特派員(の直接執筆)によるという一部ネットの説はやはり考えにくい。その「影響」だ、という比喩の意味で言ってるのかもしれないが)。
ハーフは論説委員に直接働きかけるため、この「論説委員会議」にシライジッチを出席させることを考えた。


論説委員会議に狙いをつけるというのは、私たちのようなワシントンの住人にとっては当たり前の初級テクニックにすぎません。(略)」
ハーフは、記録に残っているだけでも。「ニューヨーク・タイムス」「ワシントン・ポスト」「ウォールストリート・カーなる」という、最も影響力の強い3つの新聞で計7回、シライジッチを論説委員会議に出席させた。(略)会議の模様は各紙とも、最高機密に属する事項だ・・・

もちろん聞くほうの論説委員もジャーナリズムの経験豊かであって、会って話せば思い通りの社説が出る、ということもない。ある程度の論理、説得力を必要とするし、活動すれば麻生外相を褒める社説が出るかは微妙だ。


ただし、この前の毎日新聞の特集企画で、アメリカでのアジア諸国の宣伝合戦の状態が報道されたのだが「トップは台湾、つぎは中国。日本はそもそも姿が全く見えないので順位外」といわれていた。


今回の社説に働きかけがあったという話ではない(そもそも上に書いたように最高機密。ボスニアの活動が分かるのは、広告代理店側から取材できた高木氏の取材力のたまものだ)が、一般論として、これだけ米主要紙の社説というものが、陣取り合戦の場になっているという現状を、どれだけ認識しているのか。
それは、今後の多くの問題も左右していく。