サイゾーのお馴染み「M2対談」(06年1月号、第77回)耐震偽造問題などを語る
宮崎「『下流社会』についての宮台評はいかがですか。」
宮台
「浅ましい。苅谷剛彦から山田昌弘に至る希望格差批判の系列だが、誤った認識を生んでる。
希望格差は悪くないぜ。 希望格差を肯定するのがヨーロッパ流の社会の智恵。これを否定するブルデューはご本人が田舎の下流出身だからってフランスじゃ話半分だ。
万人が同じ夢を追うべしってのはお馬鹿。 失意と落胆を大量生産するだけ。万人が自己実現の夢を追うべしっていうポストフォード主義は、ネオリベ的優勝劣敗化&米国流グローバル化と表裏一体。「誰もが同じ夢を」主義は今日、欧州型ならぬ米国型社会を翼賛する「アメリカの手先」だよ。むしろ「たとえ階層が低くなっても降りる自由」が良い。
問題なのは「親の階層が子供の夢を規定する」不公正。これを教育で是正する。
というのは「親の階層が子供の夢を規定する」ように見えて、実は「学校への適応度が子供の夢を規定する」という要因と「現行の学校制度が、学校への適応度を親の階層で決まるようにしている」という要因の、掛け合わせだから。
ちょっとひとごとっぽい物言いにも聞こえるけどね。